ホークス 2 - 3 マリーンズ
ニッカン式スコア
ダイジェスト動画
どうにも打線が振るわないマリーンズ。
伊東監督は2年目の若手香月一也を昇格させました。
香月一也と言えばこのエピソードですね。
サブローが手渡したバットに託された、香月一也へのメッセージ。大ベテランと接し、大きく変わった1年 (ベースボールチャンネル)
大ベテランからの一言
「オレのバットを使ってみるか?」
ある日の二軍戦の試合前、香月一也内野手はふと呼び止められた。声の主はサブロー外野手だった。突然の提案にただ、困惑した。渡されたバットを振ってみた。ちょっと重いと感じたが、スイングにフィットする独特の感覚があった。
「それまで打撃不振で悩んでいたんです。そんな姿を見てくれて、なにかキッカケを頂いたのかもしれない。突然でビックリしましたけど、声をかけてくれたことが本当にうれしかったですし、バットをプレゼントしてもらったことがありがたかった。バットもバランスがよくてグリップがちょっと細くて、グリップエンドは太い形なのですが握りやすかった」
その試合、香月一也は猛打賞を記録した。
ただ、バットを代えただけだったかもしれない。しかし、それがプロ通算22年間で1781試合に出場し1362安打、127本塁打の実績を持つマリーンズの看板選手が使い続けている秘刀だと思うだけで気分が高揚した。
消極的になっていたスイングに力強さが戻った。ヒットを放った後、塁上からベンチを見ると大先輩は笑って拍手をしていた。自分が結果を出したことに対して、笑顔を見せてくれていることが心に染みた。香月はその試合をキッカケに、それまではイースタンリーグ規定打席到達選手の打率10傑に入っていなかったが、上位に食い込み、2位にまで駆け上がった。
「打撃に関しては自分が左打者でサブローさんが右なのでちょっと違うかもしれませんけど、練習の時、いつも見て参考にさせてもらっていた。あと、試合に入る時のスイッチの入り方が違う。雰囲気が急に変わる。プロの凄さを感じました」
千葉ロッテマリーンズの香月一也は今季、打撃不振で悩んだ時期があった。そんな時、大ベテランのサブローに呼び止められた。
大ベテランと過ごした貴重な1年
プロ2年目の香月一也にとって、今年、二軍調整をしていたサブローと時間を共有できたことは大きな財産となっている。どんな練習をするのか。どのような意識でフリー打撃をしているのか。試合前の調整。いろいろなものを目の前で見てきた。
「引退はマジで寂しいです。もっと学びたかった。正直、恐れ多くて直接、聞くことはあまりできないですよ。でも見て学ぶことはいくらでもできる。だから、ずっと見ていたんです」
そんな後輩の熱視線を背番号「3」は、もしかしたら感じていたのかもしれない。多くを語ることはなかったが時折、声をかけてくれた。そして一番、悩んでいた時期にバットをプレゼントしてもらった。
香月一也にとって忘れられないメッセージがある。よく言われたこと。それを今、肝に銘じて日々を取り組んでいる。
「守備も磨けよ。上でやるには守備もないとアカン。実績のない若いヤツがいきなり代打でチャンスをもらえるほど甘い世界やない。守備固めで試合に出させてもらって、その後、もしかしたら打席が回ってくる。そこで結果を出すんや。オレもそうやったわ」
目からウロコが落ちるほど、納得した。特に「オレがそうやった」という言葉が響いた。これほど実績を持ち合わせた選手でも最初は自分のようにファームで、もがき苦しみチャンスを待っていた。そしてその突破口は打つという派手な行為だけではなく、しっかりと守るという地道な努力も併せて重ねて初めて手に入る。その言葉に今、自分がなにをすべきかがハッキリと見えた。
「サブローさんのような選手になりたい」
サブローは9月1日に引退を表明した。香月一也はそれをニュースで知った。なんともいえぬ寂しさを感じた。それから数日後、ロッテ浦和球場の室内練習場にいたサブローに呼び止められた。「ちょっと、来い」。誘導された先に、愛用のマスコットバットがあった。いつも練習の際に使っていた実戦で使用するときより重めのバット。
「オマエに託すわ。大事に使ってくれよ」
涙がこぼれ落ちそうになった。試合直前だったから、堪えた。「ありがとうございます! 頂きます!」。頭を下げると一目散にグラウンドに駆け出した。
「泣きそうになるぐらいうれしかったです。ボクはまだ一軍の試合に出たこともないし、ヒットも打ったことがないけど、いつかサブローさんみたいな選手になりたい。引退試合をしてもらって、多くの人に愛される選手になりたいです」
目指すべき山の頂はあまりにも遠く尊い。それでも今、胸を張って、そう口にした香月一也がいる。大きな目標を公言することは決してないタイプのどちらかというと内気な選手。それが大ベテランと接した1年で大きく変わった。そして、その手には大事そうにバットが握られている。
先輩の優しさに包まれたバットを手に、妥協なき一軍への道を歩む。
サブローから手渡されたバットで打撃開眼のきっかけをつかもうとしている香月一也。
念願の1軍で、まずは初ヒットを目指します。
マリーンズはその香月一が9番サードでスタメン出場。先発はエース涌井です。
対戦相手はホークス。1位日ハムのマジックが3なので、負けたら優勝が遠のいてしまいます。
ホークスの先発は攝津。かつてのエースですが今季は防御率6点台と絶不調。
今シーズン僅か6試合の登板で、前回のマリーンズ戦の登板は4月7日。なんと4回1/3で7失点KOとなっています。
こんなピッチャーを大事な試合でさせていいのか?
要はなめられているんですよ。貧打マリーンズなら今の攝津でも大丈夫だと。粉砕あるのみです!
しかし、1回表。
涌井は本多のヒットと中村の四球でいきなりピンチを招くと、松田にタイムリーヒットを打たれて初回から先制を許してしまいます。
1回裏。
岡田がヒットを放つも、加藤が4-6-3のゲッツーで2アウト。
ゲッツーシフトで二遊間が狭いのに、センター返しをしてはいけません。
ここには打つなよ、絶対打つなよという場所に打ってしまいましたね。
加藤翔平のダチョウ倶楽部打法です。むしろ「ホームランを打つなよ!絶対打つなよ!」と応援した方がいいのかもしれません。
2回表。
先頭江川に死球を与え、細川送りバントで1死2塁とされるも、福田、今宮を抑えてチェンジ。
どうも今日の涌井は毎回ランナーを出し、テンポがとても悪いです。これでは打線も振るいません。
3回表には本多にソロホームランを食らって2-0。なんと本多は3年ぶりのホームランです。
続くロッテキラー中村晃にもヒットを打たれますが、内川がサードゴロゲッツー。
松田四球、長谷川レフトフライでチェンジ。ホークス打線もちぐはぐですね。負けられない一戦とあって硬さがみえます。
3回裏。
中村ヒットも田村ゲッツー。こちらもちぐはぐです。
ですが出ました!香月一也がレフト前へプロ初ヒット!力強い打球です。今後が楽しみですね。
4回表。
江川四球、細川送りバント、福田ライト前ヒットで1死1,3塁。今宮空振り三振も福田盗塁で2死2,3塁となります。
涌井はこのピンチを踏ん張り本多空振り三振でチェンジ。追加点を与えません。
5回表。
ロッテキラー中村晃がヒットも内川4-6-3のゲッツー。
どうした内川。今日は全く良くありません。ありがたいことです。
5回裏。
2アウトから中村、田村のヒットでチャンスをつかみ、打席には香月一。
プロ初打点の期待がかかりましたが、サードファールフライに倒れました。
6回表。
涌井は2死1,2塁のピンチを招きますが、今宮サードゴロでチェンジ。
ホークスの拙攻に助けられています。
6回裏。
岡田がヒットで出塁し、加藤の送りバントを攝津が捕れず無死1,2塁。
角中が送りバントを決めて1死2,3塁となります。
絶好のチャンスでしたがデスパイネはショートファールフライ。
そしてホークスの2番手森福の前に鈴木がライトフライでチェンジ。
絶好のチャンスを逃しました。こちらも拙攻です。
7回裏。
ホークスのピッチャーは3番手岩嵜。
細谷がショート内野安打で出塁すると、中村のバットが一閃!
なんとレフトスタンドに飛び込む同点ツーランホームランとなりました。
どうした中村!何が起きてるんだ!
おかわり中村ならぬ、おおくま中村ですね。
これで2-2です。
8回表。
この回からマリーンズのピッチャーは松永。今日の松永は球が走っていました。
長谷川三振、江川ショートゴロであっさり2アウト。
細川にヒットを打たれるも、福田ショートゴロでチェンジ。いつもと違うピッチングです。
8回裏。
2アウトからデスパイネがヒットで出るも、鈴木ショートフライでチェンジ。
9回表。
故障明けで久々の登板となった大谷。
今宮さんしん、本多ショートゴロで2アウトを取り、ロッテキラー中村晃にヒットを打たれるも、今日絶不調の内川をショートフライでチェンジ。こちらも無失点でしのぎました。
9回裏。
ホークスのピッチャーはサファテ。
細谷、中村が連続三振も、田村が速球をセンター前にはじき返すヒットで出塁。
しかもなんと足の遅い田村が盗塁を決めました。
打席にはプロ初サヨナラの期待がかかる香月一也でしたがさすがにサファテは難しかったか。
三振でチェンジとなりました。この場面で代打を出さない伊東監督には若手を育てるんだという強い意志を感じましたね。
延長突入の10回表。
ピッチャー南が圧巻の三者連続三振。松田をストレートで空振り三振。長谷川と江川は落ちる球で空振り三振。素晴らしいピッチングでした。
10回表。ホークスのピッチャーはスアレスです。
岡田がセンターへのヒットで出塁。今日の岡田は3安打猛打賞と当たっています。
続く加藤は当然送りバント。1塁の内川が猛然とダッシュしてきます。
ところが加藤の送りバントのバウンドが高く、内川がバウンドに合わせられずに後逸。
しかもカバーしたスアレスが1塁に悪送球し、岡田は3塁、加藤は2塁まで進みました。
これは珍しい。ホークスらしからぬミスの連鎖でチャンス到来です。内川が攻守におかしいですね。
秋の風物詩という言葉が示す通り、プレッシャーでがちがちです。
続く角中は満塁策で敬遠。デスパイネはボテボテのサードゴロでホームタッチアウト。1死満塁となります。
打席には今日いいところがない鈴木ですが、最後の最後でやってくれました。
センターへのサヨナラヒットを放ち2-3。見事2位ホークスをサヨナラで下しました。
日ハムも勝ったので日ハムのマジックは1。ハムの優勝をアシストすることになりそうです。
明日もホークス戦。CSを見据えた戦いをしましょう。
にほんブログ村 千葉ロッテマリーンズ
プロ野球・人気blogランキング
source : マリンブルーの風