2017年11月29日水曜日

【特集】参謀役の目線。


☆さて今日は、カープのネタがほとんどない。てな訳で、こんな時のためにストックしておいたネタを(笑)。


◇【指揮官を支え続ける参謀役の目線 vol.1】高信二ヘッドコーチが語る連覇を目指した戦いの総括。 10/5(木) 6:02配信 広島アスリートマガジン

 昨季から緒方孝市監督の参謀役としてチームを支え続ける高信二一軍ヘッドコーチ。

 37年ぶりとなるセ・リーグ連覇を果たした今季のレギュラーシーズンを振り返ってもらった。

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◆若手の底上げがチーム力アップにつながっている

─今季は連覇を目指したシーズンとなりました。チームの雰囲気は高コーチの目にはどのように映っていましたか?

「やはり昨季の優勝から、短い期間ではありましたが、秋季キャンプ、春季キャンプと選手たちがまた一つ自信をつけたという印象がありました。それに加えて選手個々から自覚を感じられるようにもなりましたね」

─チーム内に昨季以上の活気があるのでしょうか?

「シーズンに入ってからも練習からすごく雰囲気が良いですね。僕らも少し前なら、よく怒鳴ることもありましたが(苦笑)、今のチームに関しては、ほとんどそういうことがないですね」

─今季、攻撃面において変化したのは、どの部分だと思われますか?

「打線で言うと、やはり鈴木誠也の4番が一番変化した部分です。変化ではありませんが、攻撃で言うと今季もチームの軸は1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩までのタナキクマルの上位打線だと思います。そこがうまく機能していて、鈴木、松山竜平、エルドレッドあたりの選手がきっちり返していく、という流れが今季はできています。またタナキクマルの3人全員が同時に調子が悪いということがなく、『誰かが悪ければ、誰かがカバーする』ということができています。そしてこの3人に関してはリーグでも得点数がズバ抜けているという面においても評価できます」

─その打線は今季もリーグトップのチーム打率を誇るなど、好調を維持してきました。

「先ほどは上位打線のことを言いましたが、打線全体においても、全員が調子が悪いということが今季は少なかったように思います。みんな共倒れしている時期がないことが好調を維持できた要因でしょうね。4番までは固定できていましたが、やはり安部友裕、西川龍馬の成長です。左投手が先発であってもスタメン・サードを任せられるようになっています。これはチームにとって大きい部分だと思います」

─野手陣では若手の成長もあり、選手層の厚さも感じます。

「そうですね、先ほど挙げた安部、西川だけでなく、バティスタの存在も大きかったです。ファームであれだけ打った上で一軍に昇格して、すぐに結果を出してくれましたからね。こういった新戦力がチームの攻撃力を底上げしてくれたと感じています」

─今季もタナキクマルトリオの3人がチームリーダー的存在のように感じましたが、高コーチはどのように見ていたのでしょうか。

「野手で言えば、誰がチームリーダーという訳ではなく、みんなで頑張っているという印象です。チーム最年長の新井貴浩が後ろでドンと構えて見守っていて、タナキクマルが中心となって暴れ回ってくれているように感じています。新井はあれだけの実績がある選手ですし経験豊富ですから、今のチームにとってはとても大きな存在です」

─逆転勝利数もリーグ最多を記録し、『逆転のカープ』は健在でした。

「やはり野球は最後まで何が起こるか分からないですし、チーム方針として『最後の最後まで諦めずにやろう』とプレーし続けています。その中でホームのマツダスタジアムはもちろん、ビジターでもすごくたくさんのファンのみなさんが詰め掛けてくれています。このファンのみなさんのためにも、『いくら大差がついても諦めずにやろう』という気持ちの表れではないかと思います。終盤ビハインドの展開でも、ベンチ内は『まだまだいけるぞ! 何とかしてやろうぜ!』という雰囲気があります。逆転勝利が多いのも、やはり気持ちの部分が一番大きいと思います」


【広島アスリートマガジン10月号から一部抜粋・全文は広島アスリートマガジン10月号にて掲載】


☆まず若手に関しては、投手では薮田くん・岡田くん・中村祐くんなど、先発の頭数が揃ったのが、大きかったですね。で、薮田くんは15勝、岡田くんは12勝、中村祐くんは5勝。黒田さんの穴、ジョンソン不在の穴を、十分に埋めました。


☆野手はもう、高さんのおっしゃる通り。このチームはみんなで勝つチーム。逆に言うと大物を獲ってきて若手の出番がない、なんてことはないので、どんどんチャンスを与えられる。だからこそ若手のモチベーションも高く、ちゃんと結果を出してくれる訳です。


☆で、タナキクマルは、年齢を重ねたこともあり、年間を通して落ち着いて自分の役割を果たせたんじゃないでしょうか。出塁率・得点は、リーグ屈指。この3人で、セ・リーグの得点ベスト3を独占しました。


☆で、「逆転のカープ」についても、昨年もそうでしたが、選手がビハインドであっても、追い込まれて打てない、なんてことがない。逆に相手の方が、常にプレッシャーを感じていたように思います。この辺は、足を絡めた攻撃ができる、というのも大きいと思います。


◇【指揮官を支え続ける参謀役の目線 vol.2】高信二ヘッドコーチが語る連覇を目指した戦いの総括。 10/6(金) 6:02配信 広島アスリートマガジン

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◆競争原理が投手陣を動かした

─投手陣について伺いたいのですが、今季は黒田博樹さんという精神的支柱がいない中、スタートしました。

「投手陣が一番懸念する部分でしたが、精神的支柱であり10勝投手の黒田が抜けて、新たに誰が出てくるのか? という状況で開幕を迎えました。その中でジョンソンが長期離脱したこともあり、特に先発陣は心配した要素でした。しかし、薮田和樹、岡田明丈と新戦力が出てきました。この世界は『いかにチャンスを掴むか?』が大事ですから、先発陣の中で良い競争ができたシーズンだったと思います」

─中継ぎ陣も今季の戦いに置いて、見逃せない要素であったと感じます。

「監督の判断で『調子の良し悪しで回そう』という方針がありました。競争の原理、調子の良い投手を使っていこうということです。今季はジャクソンの調子が上向かない中で、特に一岡竜司、中田廉、今村猛、中崎翔太の4人がフル回転して投げてくれました。これは戦う上で非常に大きな要素でした。そのおかげて勝ちパターンができたと思っています」

─今季ターニングポイントと感じられた試合はありますか?

「やはり9点差をひっくり返された阪神戦(5月6日・甲子園)ですね。あの試合は投手が打たれただけではなく、野手のエラーも絡みました。あの試合後に野手をみんな集めてミーティングをして『投手の責任だけではないし、もう一度引き締めていこう。何点取っても安心できないぞ』という話をしました。あの試合以降は監督、コーチ陣とも「何点奪っても、取れるときに何点でも取りにいこう」という話をしています。そういう戒めになった一戦です。あの試合もしっかり守っていれば、勝てていた試合ですからね」


【広島アスリートマガジン10月号から一部抜粋・全文は広島アスリートマガジン10月号にて掲載】


☆このチームは、「打てなくてもいい」「打たれても、エラーをしても責めない」チーム。いかにプレッシャーをかけないかに、首脳陣は随分腐心していたと思います。それが試合本番での、好結果につながったのだと思います。


☆中継ぎに関しては、ジャクソン・今村くん・中崎くんはもちろん、一岡くん・中田くんが頑張ってくれたのが、ほんとに大きかったですね。また九里くんの「何でも屋」としての働きも、見逃せません。


◇【指揮官を支え続ける参謀役の目線 vol.3】高信二ヘッドコーチが語る連覇を目指した戦いの総括。 10/7(土) 6:02配信 広島アスリートマガジン

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◆参謀役が見てきた緒方孝市監督とは?

─緒方孝市監督の参謀としても活躍されていますが、緒方監督に変化を感じる部分はありますか?

「私は緒方監督1年目は二軍監督という立場で、昨季から一軍で一緒に戦っていますが、よく選手と会話されていると思います。コーチ時代よりも監督になって変わった部分だと感じます。やはり選手も監督から直接声をかけられることは嬉しいと思いますね。また采配に関しては変化というよりも、すごくデータを重視されています。毎試合前にデータを調べていたりしますし、それを生かしているのではないかと思います」

─監督と参謀という関係で2年目ですが、理想のチームに近づいている実感はありますか?

「もちろん理想は守りが良くて、スタメンが8人でガッチリと固まることだと思います。なかなか理想通りにはいきませんが、野手で言うと、やはり打つ方に気持ちが行きがちだけに、監督も就任時から『守りを中心とした野球』と言い続けて、守りがおろそかにならないように説いているのだと思います。そういう面では守備への意識を選手たちはしっかりと持ってプレーしてくれていると思います」

─25年ぶりに優勝した昨季の強さと、連覇を目指した今季のチームの強さに違いはあるのでしょうか?

「昨季の強さははっきり言ってすごく勢いがあったと思います。しかし今季に関しては各個人が自力をつけた強さです。投手で言えばあれだけメンバーが変わった中でも、勝ち星を重ねていますし、力をつけた証拠ですよね」

─高コーチは長年チームを支えていますが、強いカープになったと感じた時期、要因というのは、どのようにお考えでしょうか?

「野村謙二郎前監督時代に初めてクライマックス・シリーズに出場した13年あたりから、選手たちに自信を感じるようになりましたし、変わってきたと感じています。そして何よりスタンドを満員に埋めてくれるファンのみなさんです。あの雰囲気をつくってくれた中でプレーするのに、燃えない選手はいないと思います。それは強いチームになる上で非常に大きな要因になっていると思います」


【広島アスリートマガジン10月号から一部抜粋・全文は広島アスリートマガジン10月号にて掲載】


☆守備・走塁は、カープ野球において、欠かすことのできないもの。今年は特に積極果敢な走塁が目につきました。


☆守備走塁の大切さ、またセンターラインの重要性など、カープの野球というのは、言わば「野球の原点」に立ち返った、チーム作り。それを野村監督の時代からコツコツとやってきて、ようやく花開いた、といった感じでしょうか。


☆後は、昨年の日本シリーズ、そして今年のCSのような、ここぞという時の勝負強さ、ですかね。どんな状況になってもカープの野球ができる、という、精神的な強さが、このチームの課題。その点では投手陣も野手陣も、まだまだ成長しなきゃいけません。


☆リーグ連覇は果たした訳ですから、そこは自信にしていい。みんなで勝っていくチームですから、「オレが何とかしなければ」などと思わず、ポストシーズンにおいても、レギュラーシーズンと同じように、「カープの野球」さえできれば勝てるんだと、普段着野球を心掛けてほしいですね。


☆もちろん、まずはリーグ制覇ですが、いやいや、来季は、CSでの悔しさを晴らして、何としても日本一になりましょうぞ。


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source : K.Oのカープ・ブログ。