2018年10月27日土曜日
【日本シリーズ直前企画2】日本シリーズ展望。
◇日本シリーズ控えた広島、ソフトバンク両監督が意気込み 10/26(金) 17:29配信 産経新聞
プロ野球の日本一をかけて、広島とソフトバンクが対戦する「SMBC日本シリーズ2018」が27日から始まるのを前に、広島・緒方孝市、ソフトバンク・工藤公康の両監督が26日、広島市のマツダスタジアムで会見に臨み、それぞれ意気込みを語った。
2年ぶりの日本シリーズ進出となった広島はクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで巨人に3連勝と、短期決戦でもレギュラーシーズンでの強さを見せつけた。緒方監督は「するべき準備はできたと思う。あとは自分たちのプレーをして、思い切ってぶつかっていく」と力を込めた。
一方のソフトバンクは、レギュラーシーズンで2位に終わったが、CSのファーストステージで日本ハム、ファイナルステージで西武を破り、2年連続の日本シリーズ進出を決めた。工藤監督は「シーズン2位という中で、(CSでは)わずかな差で勝てた。日本一になるんだという強い思いを持つことが必要」と前を見据えた。
第1戦は27日午後6時半から、マツダスタジアムで行われる。
☆ポイントは、普段通り、自分たちの野球をできるかどうか。
◇広島緒方監督「ウチの野球を前面に出して」前日会見 10/26(金) 16:29配信 日刊スポーツ
広島緒方孝市監督(49)が27日開幕の「SMBC日本シリーズ」に向けて26日、マツダスタジアムで前日会見に出席した。
「いよいよ明日から始まるなという気持ち。日本シリーズという大舞台で戦える喜びを感じながら、日本一をとれるようにチーム一丸となって戦っていく」。2年ぶりの出場。
2年前には日本ハムに2勝4敗で敗れた。今年、日本一になればチーム34年ぶりとなる。「ウチの野球を前面に出して、自信を持って素晴らしい試合をしたい。その上で日本一を勝ち取れるようにチーム一丸で戦っていきたい」と意気込んだ。
☆もう1つは、先手必勝。
◇広島・緒方監督は初戦必勝の誓い「ファンの応援は大きな力になる」 10/26(金) 19:06配信 スポニチアネックス
「SMBC日本シリーズ」はあす27日、マツダスタジアムで開幕。両軍は同球場で公式練習を行い、決戦への準備を済ませた。
前日会見に出席した広島・緒方監督(49)は「いよいよ始まる。チーム一丸で日本一をとりたい」と宣言。第1、2戦は本拠地で開催されるとあって「初戦が大事だと思っている。マツダのファンの方の応援は大きな力、大きなアドバンテージになる」と声援を力に“初戦必勝”を誓った。
☆選手も、分かっているようです。
◇緒方監督「思い切りぶつかっていく」 日本シリーズ 10/26(金) 19:11配信 産経新聞
2年ぶりの日本シリーズに臨む広島はマツダスタジアムでの前日練習で約2時間汗を流し、頂上決戦に備えた。一昨年のシリーズでは日本ハムに苦杯をなめ、今回は相手こそ違うがリベンジマッチ。緒方監督は「(一昨年の)悔しさだけでは勝ちにつながらない。負けの経験を生かして準備はできた。攻めて、思い切ってぶつかっていく」と力強く語った。
CSファイナルステージを3連勝で勝ち上がったため1週間空いたが、指揮官は「選手の状態を見て初戦のメンバーを決め、準備ができた」と自信たっぷりの表情。「初戦を取りたい。自分たちの野球をいかに初戦からやれるかが勝ちにつながる」と、本拠地で臨む第1戦に向けて気持ちを高めた。
ソフトバンクには今季の交流戦で1勝2敗と負け越した。「ソフトバンクは、かなり力のある投手がそろっている。塁に出たら投手にプレッシャーをかけて、機動力を使って1点1点重ねていきたい」と打線全体での粘り強い攻撃を目指す。
CSでは2番打者の菊池がMVPに選ばれるなど、特定の選手だけに頼らず総合力で勝ってきた。主砲の鈴木も「打つだけじゃなく、四球を選んだり併殺崩れの1点にも絡んでいく」とチームプレーを強く意識。34年ぶりの日本一達成に向け、団結力は最高潮に高まっている。(上阪正人)
☆で、両チーム同意のもと、今年の日本シリーズは、予告先発あり。
◇日本シリーズ予告先発、異例の決定 監督会見で駆け引きなし、即公表の経緯 10/26(金) 19:14配信 西日本スポーツ
日本シリーズの監督会議が26日、マツダスタジアムで行われ、広島・緒方監督、ソフトバンク・工藤監督らが出席した。試合実施要項とルールの確認を行い、2年ぶりとなる予告先発の実施が決まった。
説明にあたった日本野球機構(NPB)の井野修・野球規則委員は最後に、注目の予告先発に言及。日本シリーズでは規定がなく、例年、両チーム監督の同意のもとで実施する・しないを決めてきた運用を説明し「事前に聞いたところ、お互い採用したいとのことですが」と両監督に水を向けた。
実施する・しない以前に、どちらの監督が予告先発の話題を切り出すかも含めた駆け引きが通例。過去68度の日本シリーズで予告先発実施は5回にすぎないが、戦略的な側面に、ファンサービスの観点もあって直近5年で3回と頻度が高まってもいた。異例の進行となった今回の監督会議ながら、両監督は事前のヒアリング通り、予告先発で合意した。
ここで同規則委員は「さらに申し上げて、差し支えなければ、ここで第1戦の投手の名前を監督の口からいっていただくと、後ろの方たち(メディア)が喜ぶんじゃないでしょうか」と提案。この流れまで打ち合わせ通りだったわけではなく、緒方監督は「大瀬良大地でいきます」、工藤監督も「せ、千賀でいきます」と、投手の発表まで一気に済ませる運びとなった。
☆そんな訳で第1戦の先発は、大瀬良くん。
◇広島、大瀬良が日本シリーズ初戦に先発「チームに流れを持ってこられる投球を」 10/26(金) 16:08配信 デイリースポーツ
広島が26日、マツダスタジアムで27日から開幕する日本シリーズへ向けて全体練習を行った。
第1戦の先発は大瀬良に決定。この日はキャッチボールなどで調整を行い「今のところ普段通りの心境です。これまで通りシーズンでやってきた投球をして、何とかチームに流れを持ってこられる投球をしたい」と意気込みを示した。
今季限りでの引退を表明している新井にとっては最大7試合の、現役生活最後の決戦。「気持ちは明日直前になったら高まってくると思う。少しでもファンの方に喜んでもらえたらと思います」と表情を引き締めた。
☆準備もできているようです。
◇【広島】大瀬良、ソフトバンクを丸裸…動画で打線をチェック 10/26(金) 6:07配信 スポーツ報知
広島・大瀬良がソフトバンク打線を丸裸にすることを誓った。
スコアラーからの資料を照らし合わせながら、動画で打線をチェック。西武・ウルフ、日本ハム・上沢ら直球とカットボールを軸とする似たタイプの投手のピッチングを確認しているという。今季は6月15日の対戦(ヤフオクD)で4回7失点と炎上。「どう抑えようかというのを想定しています。準備するに越したことはない」と説明した。
☆先手を取ると、ソフトバンクは異常に強い。
◇ソフトバンク「勝率9割」の必勝パターン データが示す連続日本一へのカギ 10/26(金) 20:03配信 西日本スポーツ
プロ野球の日本シリーズは27日にマツダスタジアムで開幕する。セ・リーグ3連覇で2年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)を突破した広島と、パ・リーグ2位から球団では初めて「下克上」でCSを勝ち上がったソフトバンクが、69回目のシリーズで初めて激突する。
就任4年で3度目の出場となるソフトバンクの工藤監督にとって、敵地で開幕するのは今回が初めて。日本一に輝いた2015、17年はヤフオクドームで計5戦5勝とホームで無類の強さを誇るが、ビジターでは3勝3敗と五分の成績だ。その工藤監督は2年連続日本一への重要なカギに初回の先制点を挙げる。
CS突破から一夜明けた22日、工藤監督は敵地で日本シリーズがスタートするメリットとして「初回の攻撃で点を取れば、今回のCSのように一気にこっちが優勢になる」と指摘した。メットライフドームで行われた西武とのCSファイナルステージでは勝ち試合で全て先制し、3試合は初回に得点。その再現を真っ赤に染め上がるであろうマツダスタジアムでも狙うつもりだ。
先取点の重要性は過去のデータにもはっきりと表れている。球団名がソフトバンクとなってからの日本シリーズ出場は昨年までに4度(11、14、15、17年)で全て日本一。この間、勝利した16試合はいずれも先制ゲームで、初回に得点を挙げたのが10試合、17年第3戦までは「先制試合15連勝」のシリーズ新記録も樹立した。先制→逆転負けは11年第1戦と17年第5戦の2試合しかなく、先制試合の勝率は.889と9割に迫る圧倒的な数字を誇る。
昨年は1番打者の柳田が第1~3戦のいずれも初回に安打を放ち、先制のホーム。チームは3連勝で一気に王手をかけて日本一への流れをつくった。今年のレギュラーシーズンでは、先制試合の勝率はソフトバンの.769に対し広島は.708。一方で、逆転勝ちの数はソフトバンク31度に対し広島はリーグ最多の41度と戦い方は対照的だ。
日本シリーズは13年の楽天からパ・リーグの球団が5連覇中。その間に3度の優勝を誇るソフトバンクが勝てば通算9度目で、広島なら34年ぶり4度目の日本一となる。
☆てことは、初回を抑えればカープの流れ、ってことですね。試合の形を作ることが重要なのは、どちらも同じ。
☆その辺も含め、日本シリーズ展望。
◇相手はソフトバンクに。広島は日本シリーズをどう戦う? 10/26(金) 11:04配信 週刊ベースボールONLINE
今季の日本シリーズカードは、広島対ソフトバンクに決まった。この両チームが日本シリーズで対決するのは初めてだ。一昨年、昨年と悔しい思いをし、悲願の34年ぶりの日本一を目指す広島にとっては、手強い相手が勝ち上がってきたと言えよう(まあ、セ・リーグは最近、日本シリーズでも交流戦でもほぼやられっぱなしなので、パ・リーグの代表がどこであろうと手強いのだが……)。今回はカープ側の立場から、日本シリーズをどう戦っていくか、を展望してみたい。
ちなみに、交流戦のこのカードを振り返ってみると、カープは1勝2敗。オリックスに3連敗し、かなりチーム状態としては悪いときに当たっているとはいえ、負け越している。初戦は大瀬良大地が3発を被弾し敗戦、第2戦は先発のジョンソンは好投したものの、2番手の今村猛がつかまり逆転負け。第3戦にようやく打線が爆発し13点、この大量点に守られて、九里亜蓮がプロ初完投勝利を挙げ、チームの連敗を止めている。
偶然だが、この3連戦のカープの先発3人は、順当なら日本シリーズでもこの順で第1戦、第2戦、第3戦と先発するであろう3人だ。まあ、たった1回の対戦結果をそれほど重く見る必要はないかもしれないが、とりあえず、どちらにもデータと対戦した感触は残っていることになる。そういう意味では、3人がヤフオクドームのマウンドを今季経験していることと、ジョンソン、九里がそれほどソフトバンクに対して嫌なイメージを持っていないであろうことは心強い。
大瀬良の場合は、ローテーションから行くとヤフオクドームでの登板可能性は高くないが、マツダ広島でもいかに相手の一発攻勢を警戒しつつ、持ち味のストライクゾーンで勝負するピッチングを展開できるかというところがポイントとなる。クライマックスシリーズではこの3人は状態がよかったので、期待したいところだ。
その後の先発は、第4戦は野村祐輔が有力だが、第5戦はやや苦しくなる。クライマックスシリーズでは、シーズン中のローテーション投手の岡田明丈を中継ぎに回して成功しているだけに、そのパターンは踏襲する可能性が高く、そうなると中村祐太あたりが先発してくることになるか。
そしてもう一つ、やや不安が残るのがリリーフ陣だ。おそらくは一岡竜司、フランスア、中崎翔太のリレーを基本に、疲労度を見ながらジャクソンや永川勝浩を交ぜていくことになると思うが、クライマックスシリーズでは、ジャクソンと中崎の調子がいま一つだっただけに、どこまで調子を上げられるか。さらに左の中継ぎに人材がいないのがつらいところ。試合中盤のピンチで柳田悠岐を迎える展開、などというときにつぎ込むワンポイント投手がいない。実績のさほどない投手から抜てきするか、あるいはそれこそ岡田のように右でも強い球を投げられるリリーフをぶつけるか。ここはちょっと見どころだ。
攻撃陣のほうは、さほど心配はないと見る。DH制のあるゲームへの対応も、左なら松山竜平と西川龍馬、右ならバティスタまたはメヒアと新井貴浩というメンバーからファーストとDHを選び出せばいいので、特に問題はないだろう。甲斐拓也の強肩をかいくぐって、持ち味の機動力を発揮できるかも一つのカギ。
ソフトバンクは、今季故障者が多くいただけで、ここに焦点を合わせてメンバーがそろってくればやはり選手層は厚い。広島としてもなかなか単純比較で優位、ということは言えないが、ただ、広島には、精神的には間違いなく相手を上回れるものがある。それは、「日本一になって新井さんを送り出そう」というチーム一丸のムードだ。競り合いとなり、最後に気持ちの勝負になったときに、そこが支えになってくれるのではないか。ファンとしては、その辺にも期待を持ちたいところだろう。
文=藤本泰祐
☆第5戦、どうしますかね。その辺も含め、継投がポイントになります。
◇日本シリーズ展望 強力打線の広島とソフトバンク 勝利の分岐点は継投に 10/26(金) 17:32配信 産経新聞
34年ぶりの日本一を目指す広島は、丸、鈴木の中軸がレギュラーシーズンでは打線の牽引(けんいん)役を果たしてきた。一方、日本シリーズ連覇を狙うソフトバンクも柳田、デスパイネらがそろう強力打線は健在。両チームともに先制点を奪い、試合の主導権を握る展開に持ち込みたいところだ。
一方、レギュラーシーズンでのチーム防御率は広島が4・12だったのに対し、ソフトバンクは3・90。特にソフトバンクはクライマックスシリーズ(CS)に入り、早めの継投が目立った。日本シリーズでも継投のタイミングが勝敗の分岐点となりそうだ。
今季の交流戦では、本拠地のヤフオクドームで戦ったソフトバンクが2勝1敗と勝ち越した。広島としては、本拠地のマツダスタジアムで戦う第1、2戦で勝利し、一気に波に乗りたい。(浅野英介)
☆てな訳で、采配がポイントになるか。
◇世代交代のホークス、円熟のカープ。日本Sはベンチワークの暗闘に注目。 10/26(金) 16:31配信 Number Web
短期決戦はグラウンド上の勝負はもちろんだが、もう1つ、監督が主導権を握った戦いという見方ができる。
言葉を変えれば、どれだけ監督が勇気を振り絞って采配を振るえるか。その勇気が試される戦いだということだ。
かつて日本シリーズといえば「2戦必勝主義」という考え方があった。
これはまだ交流戦やトラックマンなどのデータがなかった時代の巨人・川上哲治監督や黄金時代の西武・広岡達朗、森祇晶両監督ら、“短期決戦の鬼”と呼ばれた監督たちが考えてきた戦略だった。
第1戦はスコアラーが収集してきた相手チームのデータの確認を主眼にして、勝つことは二の次としていた。本当に大事な試合は、第1戦で確認できたデータを元にシリーズ全体のビジョンを再構築して臨む第2戦なのだ、という考えである。付け加えていえば「4つ勝つのではなく3つ負けられる」ということも、こうした監督たちはよく口にした。
要はどれだけ監督が「負ける勇気」を持てるか。その覚悟で作戦を練り、采配を振るえるかということでもある。
もちろんそうした昭和の日本シリーズと現在の日本シリーズでは、明らかに様相は変わってきている。
◆交流戦が変えた日本Sの戦い方。
現在では、交流戦のおかげで相手の打者や投手のデータは、どのチームも実戦から収集できるようになった。またスコアラーの情報だけでなく様々なデータの数値解析によって、普段は対戦しないチーム相手でも、普段通りの準備で臨める下地は出来上がっている。
それでは現代の短期決戦では、どんなベンチワークがシリーズの勝負を分けるのか。
それはいかにベンチが積極的に選手起用や采配で動けるかなのである。
好例はクライマックスシリーズ(CS)での巨人の戦いだった。
◆采配の勢いは1プレーで消え去る。
ファーストステージの高橋由伸監督は、シーズン中とはうって変わった積極采配でヤクルトを撃破した。
ところが広島とのファイナルステージでは1つの失敗から、その積極采配が一変した。
第1戦の1回無死一塁で、2番の田中の時に仕掛けたエンドランがファウルとなり、結果的に二ゴロ併殺に倒れた。
するとそれ以降、羹に懲りてなますを吹くように、ベンチワークが消極的になってしまい、チームはファーストステージの勢いを完全に失ってしまった。
結果的には初戦のエンドラン失敗が、巨人CS敗退の大きなポイントとなった訳である。
◆両監督のベンチワークの激闘が!
そこで今年の日本シリーズだ。
今季のセ・リーグを圧倒的な力で制覇した広島はもちろん、故障者続出もありペナントレースでは西武の後塵を拝したが、それでもソフトバンクの戦力は、広島に匹敵する充実度であることは誰もが認めるところだ。
だからこそ戦いの焦点は、やはりソフトバンク・工藤公康監督と広島・緒方孝市監督のベンチワークになるのではないだろうか。
西武とのCSファイナルステージでの工藤監督は、選手起用というベンチワークで、まさに勝利をもぎ取っている。
前日に西武打線が爆発して1勝1敗とされて迎えた第3戦。ここで工藤監督はチームリーダーの松田宣浩内野手を先発から外して、7番には直前に一軍に上がってきた内川聖一内野手を起用するオーダー変更を決断した。
結果的にはその策が当たって松田の代わりに起用したグラシアル内野手が3安打をはなつ大活躍で、内川も本塁打を放っての快勝。そこから一気に西武を押し切っての突破だった。
◆日本Sでも積極采配ができるか?
一方の広島・緒方監督も、CSでは初戦の1回に、田中広輔内野手が出塁するとすかさず2番の菊池涼介内野手とエンドランを仕掛けている。そして、次の3番・丸佳浩外野手のセカンドゴロの間に先制をしているのだ。
第2戦では、1点を追う8回に2死から代打の松山竜平外野手が歩くと、盗塁で代打新井貴浩内野手の適時二塁打を引き出している。
緒方監督はシーズン同様に機動力を駆使した積極采配で、チームをシリーズの舞台へと引き上げてきたのである。
しかし、である。
日本シリーズでは、果たしてどれだけ同じように失敗を恐れずタクトが振るえるだろうか……そこが短期決戦の怖さかもしれない。
特に緒方監督は一昨年、日本ハムに2勝4敗で敗れたシリーズで、その消極采配が敗因の1つとして指摘された苦い経験がある。
このシリーズで広島は5戦までに13回、先頭打者が出塁するケースがあった。そのうち第3戦の無死三塁を除く12度のケースで、送りバントのサインが7度出て4回成功させている。
◆日本ハムに敗れた第5戦の後のコメント。
もちろん送りバントが悪い訳ではない。ただシーズン中の赤ヘル野球といえば、積極的にエンドランや盗塁など機動力を使って攻め込む野球なのは、当時もいまも同じなのだ。
「もう少し機動力を使った野球をやりたかったが、短期決戦は1点、1点かなと思った」
第5戦が終わった緒方監督の言葉だ。
第6戦では5番の松山が3度も先頭で出塁し、当時は6番を打っていた鈴木誠也外野手に打たせることで結果的に2度のチャンスを作って3点を奪っているが、時すでに遅しだった。
しかも昨年のDeNAとのCSファイナルステージでも5試合中4試合で1回に先頭打者が出塁したが、すべて送りバントを選択している。
強打を誇るDeNA打線を相手に、それでも頑なに1点を取りに行く野球に固執したのだ。
相手のアレックス・ラミレス監督が第1戦の1回に失敗はしたが積極的にエンドランを仕掛けるなど動いて試合を支配しようとしたのとは、まさに対照的だった。
◆送りバントの否定という話ではない。
繰り返しになるが、送りバントを否定するわけではない。
点差や状況、相手投手と味方の打順の巡り合わせなど、監督は様々な要素を総合的に判断して作戦を決断する。その中に「送りバント」という決断はもちろんある。ただ、短期決戦の指揮官は、ともすると安全策を選択しがちで、そこで送りバントは最も多用される作戦になる。
しかし広島の野球とはもっと奔放なはずなのだ。
巨人とのファイナルステージ初戦の1回に菊池が決めたエンドランこそ、まさに広島の強さを示すものだった。
なにより広島には監督の思い切ったタクトを実行できる選手が揃っている。そのことが広島の強さであり、だから広島の野球は幅が広くなくてはならないのである。
◆緒方監督も経験を積んで成長した。
過去2回の短期決戦では、勝負を意識するあまりに普段通りの野球ができなくなってしまっていた。それが敗れた緒方監督に向けられた声だった。ただ、指揮官もまた経験を積んで、1歩ずつ前進しているはずである。
3連覇で円熟期に入ったチームを監督がどう動かして日本一へと導くのか。
それとも昨年の日本一を頂点に世代交代の静かな波が訪れているチームを、工藤監督がどう切り盛りして連覇への道を切り開くのか。
そこに大きな勝負の分かれ目があるはずだ。
グラウンドの上のしのぎを削るような選手の戦いも見ものだが、その陰で繰り広げられる監督の暗闘もまた、日本シリーズの醍醐味である。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
☆いやいや、エンドランなんてのは、そんなに何回も成功しませんって、「奇襲」なんですから。エンドランのサインを出すのは監督ですが、それをやるのは、選手。田中俊くんのいい当たりはセカンド正面でしたが、もし菊池の当たりがセカンドライナーかなんかだったら、カープもゲッツーでしたからね。結果まで監督がコントロールできる訳ではありません。
☆送りバントはよく「消極的だ」と批判されますが、なかなか点の取れそうにない時に、スコアリングポジションにランナーを置いてピッチャーにプレッシャーをかけよう、というのが、送りバントのそもそもの目的。CS初戦、巨人はエンドランを失敗しましたが、もしバントしていれば、1死2塁でマギー・岡本くん、となってたはず。そこで先制点を取っていれば、チームは勢いづきます。
☆そう、要は、送りバント云々ではなく、そのランナーを返せないことの方に問題がある訳で、エンドランをやれば積極的でいい采配、という訳でもない。監督の指示を忠実に実行して、なおかつその意図を汲み、得点につなげていく選手がいて初めて、采配に意味が出てくる訳です。
☆問題は監督の采配以上に、選手。やるのは選手ですから。
◇広島を取り巻く2つの不安、緊張感少ないシーズンに主力の去就。地力あるソフトバンクへの勝機は【小宮山悟の眼】 10/26(金) 17:50配信 ベースボールチャンネル
プロ野球の日本シリーズが27日、幕開けする。セ・リーグ3連覇を果たした広島東洋カープとパ・リーグ2位から這い上がった福岡ソフトバンクホークスはいかなる戦いを見せるだろうか。
◆緊迫感から遠ざかっている広島
セ・リーグは、巨人が広島の本拠地マツダスタジアムでの勝率が悪かったので、苦戦するだろうなと思ったが、そのままの結果になった。ファーストステージの勢いもなく、あっさりと敗れた印象だ。
シーズン勝率5割以下だった巨人は、気持ちが入っていなかったように思う。「この成績でCSだけ勝って日本シリーズに進出したらまずい」という空気が蔓延しているようで、覇気がないように見えた。
セ・リーグは1位の広島が順当に日本シリーズに進んだ。だが、心配な点がある。まず、緊迫感のある試合から遠ざかってかなりの期間が経過していることだ。
春先は競り合っていたペナントレースだが、後半2カ月以上はほとんど一人旅のような状態で独走して優勝した。さらにCSも連勝で突破したため、不安要素に挙げられるだろう。
「どの試合も同じだ」と選手たちはよく言うと思うが、レギュラーシーズンを緊張感が少ない中で戦った影響は多少出るだろう。戦力的にはバランスが取れていて、問題はないのだが…。
あとは、中心選手の一人である丸佳浩の去就が騒がれ始めていることだ。
フリーエージェント(FA)選手の公示があったばかりだが、丸は国内FA資格を取得した。彼がどう考えているがわからないが、すでにメディアが煽り始めている。他球団は「●年、●億円」という報道が出ている。“火のないところに煙は立たぬ”と言うから、どうプレーに影響を与えるか。主力選手である丸の処遇が騒がれすぎてしまうのは、少しかわいそうだなと思う。雑音との戦いにもなるだろう。
◆CSは完璧の出来だったソフトバンク
一方のパ・リーグは、両リーグトップの88勝を挙げた西武に勝ってもらいたかったが、初戦を落として立て直しができなかったという印象だ。シーズンを通して「弱い」とされていた部分が一番大事な局面でもろに出てしまった。ソフトバンクの地力が上と言わざるを得ない。
2位が決まってからのソフトバンクは先を見据え、CSに照準を合わせてきた。かつてのソフトバンクは、リーグ優勝して対戦相手を待ち受けてやられてきた。その過去があるので、逆の立場となって「いける」と前向きに捉えて試合に臨んでいたんじゃないか。待たされて勝つことの大変さを知っている。だからこそ、ファーストステージで日本ハムを破った勢いで、ファイナルステージも突破できるという勝算を見出していたように思う。
内川聖一が復帰して、デスパイネが復調した。決して絶好調の打線ではないけれど、不調と言われたころに比べると戦えるレベルになってきた。故障から復帰できなかった選手もいるが、その穴は十分に埋まってバランスが取れている。ブルペン陣もしっかり機能し、CSでは完璧の出来だったと言っていい。故障者だらけで苦しんでいたにもかかわらず、2位に滑り込んで日本シリーズ進出を決めた。
改めてソフトバンクの選手層は厚く、底力を感じている。ただ、セ・リーグの代表である広島にも十分に力がある。不安要素さえクリアすれば、いい勝負になると思う。4勝3敗という競り合いになるような試合でシリーズを盛り上げてほしい。
小宮山悟(こみやま・さとる)
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家を務める。
氏原英明
☆負ける時ってのは、ピッチャーはズルズル点を取られて、打線は沈黙、というパターン。普段通りの野球ができるかどうかは、どれだけ強い気持ちを持って試合に臨むか、に懸かっています。
☆昨年のCSファイナルは、タクローさん・河田さんの退団で一致団結、とは行かなかった訳ですが。
◇【広島】新井、現役最後の最大7試合にも自然体「ファンの方々に喜んでもらえたら」 10/26(金) 15:22配信 スポーツ報知
今季限りでの現役引退を表明している広島・新井貴浩内野手(41)が26日、日本シリーズ開幕を翌日に控え、自然体を強調した。泣いても笑っても、あと最大7試合でユニホームを脱ぐが「特に変わらずです。気持ちは明日直前になったら高まってくると思う」と語った。
カープファンにとっても、背番号25の勇姿を見られる最後のシリーズとなる。「少しでもファンの方々に喜んでもらえたらと思います」と有終の美で締めくくることを誓った。
☆今年のCSファイナルを見る限り、昨年とは違いますね、気持ちの持ち方が。
◇新井貴浩の一言で「やってやろうと思った」野村祐輔、悲願の日本一への決意 10/26(金) 16:01配信 テレ朝POST
「今シーズン、ここがゴールではないです。“日本一”というゴールに向かって、まだ戦いは続きます」(緒方孝市監督)
圧倒的な強さでセ・リーグ優勝を決めた日、広島は既に“日本一”へと気持ちを切り替えていた。
3年連続でリーグ優勝をしながら、いまだ掴めていない「日本一」の称号。
そんな悲願のタイトル獲得に向けて、並々ならぬ思いを抱いているのが野村祐輔だ。
昨年2017年、横浜と争ったクライマックスシリーズ・ファイナルステージでは、第2戦で先発を任されるも、5回4失点を喫して敗戦。
後がなくなった第5戦でも、本塁打2本を浴びるなど3回3失点で降板。チームも敗れ、結果的に日本シリーズ進出を逃すことになった。
その尾を引くように、今季は野村にとって「苦しい1年」となる。
プロ7年目にして初めて開幕投手に抜擢され勝利投手となるも、4月下旬に背中の筋挫傷で戦線離脱。
およそ2週間 大事を取り、実戦復帰となった2軍戦の打席では、右ひじにデッドボールを受けるアクシデントが襲う。
歯車が狂い、シーズンを通して満足な成績を残すことはできなかった。
その一方で、チームは野村を欠きながらも、4月下旬からセ・リーグの首位争いで独走する。
「もちろん応援はしていました。けど内心、自分が悔しい、はがゆいというか、自分に対してそういう思いがありましたね」(野村)
◆忘れられない7月7日の巨人戦
そんなシーズンの中で、野村には開幕戦と同じくらい忘れられない試合があるという。
それはケガから1軍に復帰して3戦目、7月7日(土)の巨人戦。野村は“特別な思い”で、先発のマウンドに上がっていた。
無失点で迎えた7回、2アウト2塁1塁。ホームランが出れば逆転の場面と最大のピンチを迎えていたが、野村は冷静だった。
このピンチを見事に乗り越え、7回を無失点に抑えて勝利投手に。今季のベストピッチングを見せた。
試合後、ヒーローインタビューで野村は“特別な思い”を語った。
「広島は大雨で災害がありまして、なんとか広島に少しでも明るいニュースが行けばと思って、そのために投げました」(野村)
この試合の前日に襲った「西日本豪雨」。河川の氾濫や洪水、土砂くずれなどで、広島や岡山に甚大な被害をもたらしていた。
「すごく胸が痛くなった。大変な思いをされているなというのはすごく思いました。野球どころじゃないと。生まれ育った故郷の近くも、すごい被害を受けていましたし。一番被害を受けた真備町の近くでは、中学校の頃、野球をやっていたこともあったので」(野村)
野村が秘める、人一倍強い故郷・倉敷への思いは、練習で使っているグラブにも表れている。
「倉敷がデニムの発祥ということで、デニムの生地で。岡山県と言えば桃太郎で、桃太郎は普通の旗を持っているんですけど、鯉のぼりにしてもらって。目標である“日本一”を鯉のぼりに掲げました」
被災した故郷と広島のために、今年こそ日本一を捧げたい思いは強い。
◆新井貴浩「ピッチャー陣をお前が引っ張っていけ」
今季限りでの引退を表明している新井貴浩とは、一昨年のシーズンオフに食事をする機会があった。
その際に新井が放った一言が、今でも心に残っているという。
「ピッチャー陣をお前が引っ張っていけ」(新井)
自分自身でも引っ張っていきたい気持ちはあったが、新井の一言で背筋が伸び、「やってやろう」という気持ちになった。
「本当にチーム自体を良くして頂いたので、最後、みんなで日本一になれるようにという気持ちでやっています」(野村)
主砲として、ムードメーカーとしてチームを牽引してきた新井の花道を飾るため、ナインは結束を強めている。
いよいよ10月27日(土)、本拠地で負けられない戦いが幕を開けようとしている。
「やっぱりどうしても勝ちたいです。また最後、広島全体で喜びたい」(野村)
自身の雪辱を果たすため、故郷と広島、新井のため…野村は静かに燃えている。<制作:テレビ朝日野球>
☆野村くんのピッチングは、シリーズでもポイントになります。野村くんの投げる試合を取れるかどうかでシリーズが左右される、と言ってもいい。
☆新井さんというのは、いかにもカープらしい存在だなぁ、と、つくづく感じます。その新井さんを中心にまとまったカープというチームが、どんな戦い方を見せてくれるのか。
☆ここまで作り上げてきたカープというチームのそれぞれが、自分たちらしい野球を、いつも通りやることができれば、普通に戦えます。その気持ちを、今年のナインはきっと持っているはず。いい戦いを見せてくれると思います。
◇10月27日(土)の予告先発投手
○広島東洋カープ
大瀬良 大地
27試合15勝7敗 防御率2.62 WHIP1.01
対H 1試合0勝1敗 防御率15.75 WHIP2.00
VS (18:00 マツダ)
○福岡ソフトバンクホークス
千賀 滉大
22試合13勝7敗 防御率3.51 WHIP1.23
対C 1試合1勝0敗 防御率0.00 WHIP1.00
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source : K.Oのカープ・ブログ。