2015年4月27日月曜日

静と動

今季の監督は動きが早い。

昨季はかなり我慢強かった印象であるが、今季は実績のない選手が並んでいることもあり、また途中で離脱していく選手も多く、特に打線は猫の目打線となっている。開幕から出場を続けているエルナンデスも基本的には下位が多いが、周囲との関係で一番を打ったりクリンアップを打ったりと動きが多い。


状況に合わせて変幻自在の采配を振るうというのは聞こえが良いが、過去の例からすると動きたがる監督はダメな監督が多い。それは冷静な判断で動かしているというよりも、勝ちたい、負けたくないという焦燥感に耐え切れずに動く人間性であるから、動揺が選手にも伝わり勝ちにくいのだろう。理論派で名解説の山田久志が監督だった時など目を覆いたくなることも多かった。


谷繁監督は胆力があり、昨季は就任1年目であるにも関わらず良く我慢できると感心したものだが、ここまで動きが激しいと少し心配もある。我慢して見送るよりも手を打ちたくなるのが人間の心理であり、我慢することの方が難しい。理論上、我慢した方がいいこともあれば動いた方が良いこともあり、一概にどちらがいいとは言えないと思うが、あまり動くことが癖になりすぎてしまわないようには気をつけて貰いたい。

昨季からずっと見てきて、我慢すべき時には我慢する度胸と胆力があり、また今季は特殊事情によって動かすべきことが多いということは理解しているが、少し心配になることもある。


昨日若松を交代させた場面、3タテされたくない、1点差を守りたいという思いでカードを切ったとすれば、少し早すぎたのではないかとも思える。同点のランナーが得点圏に進んだら交代させようなどと決めていたのかもしれないが、今季は浅い回から1点差を守って逃げ切れるような盤石の救援陣と言えるような状況ではなく、若松への試練として投げさせても良かったのではないか。捕手を代えるのであれば、若松を待たずして先に捕手だけ代える手もあっただろう。


福田や高橋は我慢して起用しており、またナニータについてもシーズン当初ヒットが出ていない中で我慢して使ってきたような印象がある。又吉も何度か打たれたにもかかわらず引っ張っており、それほど心配することはないと思うが、これほどめまぐるしくメンバーが変わるというのは少し心配である。

レギュラー格が帰ってこれば采配も落ち着くと思うが、いい時期も悪い時期もあるのが野球である。ショックな3連敗により采配のペースを崩されないように気を付けて貰いたい。




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source : シリコンバレーからドラゴンズを語る~GM編~