2015年5月16日土曜日

救援投手の役割

今日はのんびりとプレイボールから観戦中である。アクシデントがなければテレビを見ていられるので、少し試合を眺めながら救援投手について考えてみたい。

ベンチには複数の救援投手が入っており、いろいろな役割があるとは思うが、その中でも序列があると思われる。今日のベンチ入り投手のうち、先発要員である小熊を除くと序列と役割は以下の通りだろうか。序列については入れ替え直後であり、独断と偏見で予想していることについてはご理解頂きたい。


①福谷 : ストッパー
②田島: セットアッパー?
③高橋: セットアッパー控え
④浅尾: セットアッパー控え
⑤岡田: 敗戦処理1位
⑥祖父江: 敗戦処理2位
⑦武藤: 空き枠?


ストッパーやセットアッパーというのは野球が近代化する中で作られたポジションであり、意味としては救援投手序列の明確化であるように思われる。ロングリリーフやワンポイントというのは、スタミナや左右という特殊性が必要となるため序列外での役割になると思うが、最近はそのような一芸的使われ方は見られなくなっており、左右を考慮して使われることもあるが、基本的には能力の高い投手を揃えている印象である。


福谷1位、又吉2位で始まった今季であるが、又吉が抹消されたことについては調整ではなく降格という意味合いだそうで、一気の降格となった。さもありなんという今季の結果ではあるが、何度も救援に失敗している状況で、厳しい場面にばかり投げさせ続けたのはどうだったのかと考えているところである。

今季登板した23試合のうち、失点した試合を並べてみた。

①4対1から登板、3失点で逆転を許す
②3対1から登板、2失点で同点を許す
③6対7から登板、1失点で追加点を許す
④2対2から登板、2失点で勝ち越しを許す
⑤2対1の満塁から登板、同点と勝ち越しを許す
⑥1対0から登板、2失点で逆転を許す

⑤は人の出した走者の生還を許しただけであるため、失点したのは5試合、⑤は別として、17試合は無失点で抑えていることになる。改めて1試合づつざっと見てみてもわりと抑えている印象を受けるぐらいであり、救援の3〜4番手ぐらいであれば合格点を与えてもいいぐらいではなかろうか。


それぞれの失点がセンセーショナルであったため、もっと打たれているぐらいの印象があるが、しかしここまで40試合程度の中で6試合であるから、なかなかの割合ではあり、心象に残るのはやむを得ないだろう。ホールドが10であるから、重要な場面で成功10、失敗6と見れば良く打たれている印象を受けるのもやむを得まい。逆を言えば時折調整登板のように比較的重要度の高くない場面で登板していることもあったが、そういった試合で失点していないということである。技術的にも問題があるのだろうが、しかし精神的な理由もあるのだろう。

重圧のかかる場面で登板し続けたことによる相当な精神的、肉体的な疲労があったであろうことを考えると、一度二軍に落ち、休息を取って精神状態をリセットすることで状態が良くなることも期待できる。又吉には、抹消された以上、まずはゆっくり休んで貰いたい。


しかし繰り返しになるが、打たれている中でセットアッパーとしては不合格として序列を降格させてはどうだったかと思う。精神的に負担が大きい場面で普段通りの投球が出来にくいということであれば、打たれて降格になるよりは、もっと早い段階で別のポジションで投げさせるようにした方が、戦力として活用出来て良かったのではないだろうか。


だらだらと書き続けてしまったが、一言で趣旨をまとめると、「又吉が可哀想」ということに尽きる。プロであるのにそんな甘いことを言ってはいられないという意見も理解できるが、厳しくするにも目的と成果があってこそであるべきであり、厳しいことそれ自体を目的とすべきではない。食べられないものを食べろと言って食べられるようになれば教育であるが、結局食べられなければただの折檻である。

首脳陣は出来るかどうかを判断すべきであり、又吉と同じ事が誰にでも求められているわけではない。極端な例ではあるが、祖父江は少々プレッシャーに弱いものの、それを考慮してうまく使われている。それにより投手の価値が決まってくるものではあり、どう評価されるかは投手にとって生活にかかってくる大事な部分ではあるが、首脳陣の目線で考えれば、出来ないものを求めても意味がないということになるのではないか。


昨日又吉を登板させたのは、勝つためだったのだろうか。素人目に考えても、通常以上に重圧のかかるあの場面で抑える確率は高いとは言えず、別の投手にした方が良かったのではないかという気もする。そんな勝ち方をしても次に繋がらない、という意味で又吉を使ったとしたら、これで次に繋がったのだろうか。その点疑問が残る。


又吉も1年ちょっと前までは食うや食わざるやの生活をしていたような選手であり、初年度の活躍で大幅年俸増となり、まずはひとつ夢を掴んだと思うが、まだキャリアは浅い。セットアッパーとなったのも押し出されてのものであり、結局今季もこれで押し出されるようにまた誰かがセットアッパーを務めるだけである。

これでもかというほどに厳しい場面で起用し続け、失敗を何度か繰り返したことが、意図して又吉に試練を与えたように見えてしまう。心情的に非常に気の毒に思えるが、首脳陣の深謀遠慮といったあってのことではあるだろう。将来になって、実績を残した後に「あれが糧になった」と振り返ることが出来ることを祈って応援していきたい。


さて、イニング交代の合間を縫って徒然と書いてまとまりのない内容になってしまったが、今日はここまでリードしており、最後勝って終われるよう頑張って貰いたい。





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source : シリコンバレーからドラゴンズを語る~GM編~