2015年5月20日水曜日

手抜き

余談であるが、中畑が久保に対して手抜きをしていると怒っているようである。

報道によれば、序盤や走者がいない場面では力を入れずに投げて打たれているため、それをやめて序盤から本気で投げるように本人と約束させたにも関わらず、また手抜きの投球をして乱れたという趣旨のようである。


当然ながら投手にとって投球は本業である。打力を評価されている選手が守備や走塁で手を抜いたり、投手が打撃やバントで手を抜くという話はあるが、本業で手を抜くというのはあまり聞いたことがない。


世の中いろいろな人がおり実情は分からないが、職業として野球をやっている選手が手を抜いて打たれるというのは考えにくく、それなりの理屈があるのだろう。実際打力の劣る打者に対しては適当に投げ、走者が出たら本気を出して抑えるという一流投手もしばし見かける。長いイニングを投げる中で、緊張感を維持し続けるのが難しく、そのようにバランスを取った方が良い結果が出ることもあるのだろう。

言うことを聞かない選手に対して腹が立つ心情は理解できるが、打者と投手では住む世界が異なり、もとより久保の腹には落ちていないのだろう。このあたりが監督の難しいところであるように思われるが、そこはコーチの力量でもあるのだろう。


捕手というのは投手の事情にも詳しく、また打者としてもプロ選手であるため、監督をやる上では多少有利ではあるだろう。谷繁監督の場合、一流の捕手として多くの一流の投手を扱ってきたと同時に、打者としても以前は一流であった。投打ともに説得力のある言葉を発することが出来る監督であるかもしれない。

そう考えると、打者としても一流の捕手が兼任監督というのは稀有なケースであると改めて思わされる。なんとか選手として一流であるうちに結果を出して貰いたいものである。




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source : シリコンバレーからドラゴンズを語る~GM編~