2015年7月8日水曜日

妄想

最近少し谷繁監督の采配が変わってきたように思われる。

新しい戦力を起用していくということは理解できるが、いきなり新人を1番2番に並べたのには驚いた。あれほど左右にこだわってきたのに、初先発とスタメン2試合目の両新人を左投手が先発の日に並べるというのもこれまでの谷繁監督らしくない。友永は以前も先発起用されたことがあったが、その時は右投手相手に3三振で途中交代となってスタメンも1試合限りであり、試しに使ってみたという感じがあったが、今回は初戦で3三振しながらも3試合終盤まで使い続けている。今後の友永次第であると思うが、本人が課題を認識すると言う意味では必要な試合数であったようにも思われる。

左右という意味では、昨日も代打森野は左対左である。個人的な印象として森野は非常に勝負強いイメージであり、ベンチにいる捕手以外で唯一の右であるエルナンデスを使うより良い選択であったと思うのだが、しかし谷繁監督の采配としては珍しいように思われた。これまでであればエルナンデスか杉山あたりを代打に出していたのではないだろうか。


投手起用についても少し変化が見られる。昨日の試合、これまでであれば必ず又吉を使っていたと思われる。先発から福谷に直接つなぐケースは別として、僅差の勝ちゲームで又吉が一軍にいて使わなかったことは今までなかったのではないだろうか。先週は全4試合に投げて自責点0に抑えており、復調の様子が見られている状況で、セットアッパーが投げるべき場面で投げさせなかったというのはそれだけでも興味深いが、「又吉-福谷の形を作るしかない」と言い続けてきた谷繁監督が考えを変えたというのは大きな出来事であるように思う。

また高橋を打者1人限定で投げさせたのも今季では珍しい使い方である。2死で登板して結果的に打者1人で降板するというケースは時折あるが、イニング頭から1人投げて交代というのは殆どないのではないだろうか。分類するとすれば丁寧な采配であり、谷繁監督好みではないと思うが、昔勝っていた時はこういった妥協しない細かな配慮を積み重ねていたような記憶もあり、今後に向けて期待が持てそうな起用法であった。


もう1点、変わった点と言えば小笠原の降格である。谷繁監督のコメントによれば、不振が原因ではない、リフレッシュのためでもない、ということだが、怪我を隠したいということであれば、不振やリフレッシュのために降格させるのかという質問に対して否定することもないだろうから、戦略的な理由なのだろう。大島、森野がスタメン落ちしており、左の代打が余るとは思うが、しかし代打小笠原はある種の形式美となっており、自分の中で固めている箇所を他の状況に応じて変えるというのは谷繁監督らしくない。一度決めたら徹底的にこだわるのが谷繁監督のやり方であり、小笠原はそれに応えて結果も出しており、最近打ててないといっても存在感は圧倒的である。それを良く言えば柔軟な判断で降格させたというのは少し意外さを感じさせる決断であった。



勝ちが増えてきたわけではないので、結果的にうまくいくかどうかはこれからの判断になるが、選択が変わってきているのは事実であるように思われる。何かきっかけがあったのだろうか。

昔落合監督のコメントで、「ダメな所が分かっていても自分から選手には言わない、選手が求めてきた時に初めて伝える、そうしないと選手は受け入れない、選手が出すSOSを見逃さないように観察するのが指導者として重要」という趣旨の発言をしたことがあり、流石だと思うが普通の人ではなかなかそこまで我慢できないと思ったことが強く印象に残っている。谷繁監督から落合GMにSOSが出たのではないかと思わせるような采配の変わりようであるが、それは妄想であるとしても、指揮官として新たな一面を見せつつある谷繁監督の今後に期待したい。


今日は大野と能見の対戦であり、能見も好投手ではあるが、昨日と同様の対左打線を組むこともでき、勝てるチャンスはおおいにあるのではないかと思われる。現在阪神には3連勝中だそうで、思えば開幕3連敗からスタートし、福谷又吉で逆転サヨナラという酷い試合もありながら、対戦成績は6勝7敗と今日勝てば五分という所まで来ているようで、是非とも勝ちたい1戦である。2日続けて勝つとなれば浜松→豊橋以来のようで、もう2か月近く前のことになるが、今日は期待して負けるとショックであるとは思いながらもおおいに期待したい。




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source : シリコンバレーからドラゴンズを語る~GM編~