2015年10月24日土曜日
2015 ドラフト、カープまとめ~その1。
☆まずは例によって、「ドラフト・レポート」さんのプロフィールから。
①岡田 明丈(おかだ・あきたけ)投手。大商大。22歳。
184cm80kg、直球を武器とする本格派右腕。
セットポジションからインステップ気味に早めに着地し、球持ちに良さのある力強い腕の振りから
投げ下ろす最速153㌔、常時140㌔台前半から後半の威力のあるストレートと、
120㌔前後のスライダー、120㌔台から130㌔前後のフォークボール、130㌔台のカットボール。
コントロール重視で内外角に投げ分け、ここぞの場面で150㌔前後を計測する。
ピンチに動じないマウンド度胸も魅力。インコースを厳しく突く投球でもスカウトから評価された。
4年秋の被安打率5.29、奪三振率7.29、四死球率2.14。
②横山 弘樹(よこやま・ひろき)投手。NTT東日本。23歳。
187cm85kg、恵まれた体格の本格派右腕。
ノーワインドアップから重心を下げ、開き早めに小さいテイクバックを取り、スリークォーターの腕の振りから
繰り出す最速150㌔、常時140㌔前後から140㌔台前半の直球と130㌔前後のカット、
120㌔台の縦のスライダー、110㌔台のチェンジアップ、130㌔前後のフォーク、110㌔前後のカーブ。
角度ある直球と小さく曲がるカット。沈むチェンジアップ、縦スラ、フォークを織り交ぜる。
依然バラツキは残るものの、フォーム修正により制球が改善され、大学4年春になって実績を残した。
遠投105m、50m6秒5。背筋力250kg、握力左63kg、右65kg。
③高橋 樹也(たかはし・みきや)投手。花巻東高。18歳。
176cm74kg、プロ注目のスリークォーター左腕。
ノーワインドアップからインステップ気味に踏み出し、着地早めにヒジを柔らかく使った腕の振りから
繰り出す最速146㌔、常時130㌔台中盤から後半の伸びのあるストレートと、
100㌔台から120㌔前後のキレの良いスライダー、110㌔台のチェンジアップ、90㌔台のカーブ。
直球とスライダーとのコンビネーションが持ち味。右打者外角にチェンジアップ。
制球重視の投球で甲子園16強入りを果たし、左右の投げ分け、投球術をプロから評価された。
1年秋に141㌔、2年秋に144㌔、3年春に146㌔を計測している。
④船越 涼太(ふなこし・りょうた)捕手。王子製紙。21歳。
178cm76kg、強肩強打の捕手。
振り切るスイングで弾き返す右の強打者。甘く入れば東京ドームの左翼席中段まで飛ばす。
高校通算20本塁打。現状アベレージが低く下位打線で起用されている。
都市対抗準決勝・日本生命戦では外角のストレートを右前安打にする好打を見せた。
プロを目指して遊撃から捕手に転向。経験が浅く伸び盛りの高卒4年目。
社会人3年目に正捕手の座をつかんだ。二塁送球タイム1.8秒台を計測する強肩を備える。
右打者で一塁到達タイム4.6秒台。
⑤西川 龍馬(にしかわ・りょうま)遊撃手。王子製紙。20歳。
176cm67kg、バランスの取れた細身の遊撃手。
高校通算25発、ミート力ある左の好打者。野手間を抜く打撃が持ち味。広角に打ち分ける。
持ち前の打撃センスを買われて高卒3年目で3番・ショートの座を獲得した。
守っては動きに良さのある堅守の遊撃手。肩の強さもまずまず。遠投95m(高3春時点)。
50m6秒2、一塁到達タイム4.2秒台を計測するまずまずの俊足を兼備する。
高校時代は野球センスで注目される一方、力強さ・筋力の面でやや物足りなさを残していた。
ドラフト解禁イヤーでの飛躍を目指す期待の若手。
⑥仲尾次 オスカル(なかおし・おすかる)投手。Honda。24歳。
178cm76kg、国際大会経験豊富な日系ブラジル人左腕。
セットポジションから膝を高く上げて重心を下げ、テイクバック大きく遅れて出て来る腕の振りから
投げ下ろす最速148㌔、常時140㌔前後のストレートと、130㌔前後のスライダー、
右打者外に沈む130㌔前後のチェンジアップ、120㌔台の縦スライダー、 110㌔前後のカーブ。
白鴎大で体重を58kgから79kgに引き上げ、最速を138㌔から148㌔にまでアップ。
救援した2年目の都市対抗では、最速143㌔、常時140㌔強を計測した(2/3回で5球のみ)。
4年春からやや身体を捻るフォームに変更。まずまずのコントロールで投げ分ける。
当初は120㌔台から130㌔台に留まり、変化球を交え、打たせて取る投球を持ち味としていた。
⑦青木 陸(あおき・りく)捕手。山形中央高。17歳。
181cm87kg、パワーのある恵まれた体格の捕手。
力強く振り切るスイングから強い打球を放つ右打者。甘い球を逃さず甲子園で2長打を放った。
1年秋から4番で活躍。長打力ある右の強打者としてプロから注目されている。
キャプテン・4番・捕手の大黒柱。三塁手レギュラーを経て、2年冬からキャッチャー挑戦となった。
一塁到達タイム4.5秒前後。高校通算46本塁打。
☆王子コンビの船越くん・西川くんは、社会人と言っても高卒で入っているので、学年としては船越くんは岡田くんと同じ大卒の年齢、1つ若いのが西川くん。船越くんは社会人になってから、プロになるため、ということで、キャッチャーにコンバート。打撃は確実性に欠けるようですが、西川くんとともに、これから伸びる選手。また2位の横山くんも伸びしろがありそうですし、仲尾次くんは大学・社会人でもまれて成長したピッチャー。また高橋くんは高校生ながら投球術を評価されたピッチャー、青木くんは長打が魅力の楽しみな素材。内野とキャッチャーと、どっちで育てるんでしょうか。
☆1位の岡田くん含め、全てはこれから。素材は一級品でもプロでは泣かず飛ばずの選手もいれば、アマ時代は無名でも、プロに入ってからの精進で名選手になった人もいます。スカウトが目を光らせて、モノになると思った選手を指名したんでしょうから、後は本人たちが、プロに入ってからどれだけ頑張れるか。
☆ちなみに、ここ3年間のドラフトは、こんな感じ。
◇2014 ドラフト
①野間 峻祥 中部学院大 外 右左
②薮田 和樹 亜大 投 右右
③塹江 敦哉 高松北高 投 左左
④藤井 皓哉 おかやま山陽高 投 右左
⑤桑原 樹 常葉菊川高 内 右左
⑥飯田 哲矢 JR東日本 投 左左
⑦多田 大輔 鳴門渦潮高 捕 右右
◇2013 ドラフト
①大瀬良大地 九州共立大 投
②九里亜蓮 亜細亜大 投
③田中広輔 JR東日本 内
④西原圭大 ニチダイ 投
⑤中村祐太 関東一高 投
◇2012 ドラフト
①高橋 大樹 外 龍谷大平安
②鈴木 誠也 投 二松学舎大付
③上本 崇司 内 明大
④下水流 昂 外 ホンダ
⑤美間 優槻 投 徳島渦潮
☆2012年は、素材型のスラッガータイプを多く獲得。高橋くんはちょっと伸び悩んでる感はありますが、鈴木誠は1軍で活躍、下水流・美間に上本と、1軍を狙える位置にいます。
☆2013年は、大瀬良くん・九里くんと先発型を獲得、田中くんはショートのレギュラーに、西原くんは中継ぎ。中村祐はケガもありましたが、いずれ必ず出てくるピッチャー。
☆2014年は、外野手に野間くん、高校生でキャッチャーに多田くん、内野に桑原くん。ピッチャーは薮田に、中継ぎで左腕飯田、高校生は左が塹江、右に藤井。2人ともファームやフェニックスリーグで登板、塹江くんは先発で、藤井くんはリリーフで結果を出しています。いずれも試合で150㎞近くのストレートを投げており、将来が本当に楽しみ。
☆高校生で1軍で活躍してるのは誠也くんぐらいですが、高校生以外のほとんどの選手は、1軍を経験、または1軍で活躍しています。ただ、逆に言うと、九里くんや薮田くん、西原くん、下水流くんや美間くん、上本くんあたりが1軍の選手を脅かすぐらいになると、チーム力は底上げされるということ。それぞれファームでは一定の結果を出しましたが、例えば1軍で使われた時に戦力になったかというと、そこまでは行っていない。
☆「使ってもらう」のではなく、「使わなければならない」選手になること。それにはまず、1軍で起用されたその時に、結果を出すこと。
☆今年は昨年同様7名の選手を指名しましたが、栗原がチームを去り、東出・河内が引退、広瀬は今シーズン1軍出場なし、梵は終盤に1軍を外れ、岩本・天谷あたりもほとんど使われずと、チームは若い世代中心になろうとしています。今シーズンは菊・丸を始め、田中くん・誠也くん・会沢あたりも相当苦しんだと思いますが、チーム全体が打てない時、状況を打開してくれるような「主力」の存在は、必要不可欠。セ・リーグの他チームを見ても、特に終盤は、主力が挙げた点を守り抜く、という勝ち方がほとんど。外国人も含め、ここぞという時に決めてくれるのは誰なのか。
☆菊・丸がチームリーダーであることに間違いはないのですが、彼らは「返す専門のバッター」じゃない。返すのはやはり、クリーンナップであり、6~8番の、下位。誠也くんあたりがクリーンナップにも座ったりしましたが、正直ちと荷が重すぎた感じ。新外国人含め、中堅含め、若手も含めて、チームの中心にどっしりと座って、チームを引っ張っていく「主力」が、何人かは必要。
☆早くもドラフトで指名した選手たちについて「先発候補」とか「2桁は固い」とか、いろいろ言ったりしてますが、こればっかりは、プロの世界でやってみないとどうなるか分からない。どこで使われるかはチーム事情もありますし、今いる選手の成長もある。
☆ただ少なくとも言えることは、例えば岡田くんや横山くん、仲尾次くんあたりが1軍に割って入るようなことがあれば、戦力アップはもちろん、全体の底上げにもなる。理想としては、例えば岡田くんが先発候補と騒がれ、それを聞いた九里くんや今井、中村恭あたりがオープン戦からバンバン結果を出す、塹江くんや薮田くんも負けじと結果を出す、藤井くんが結果を出す、なんてことになれば、「誰を使おうか、うれしい悲鳴」状態になる。
☆結局、結果を出した者が使われる。それは新人だろうがベテランだろうが、関係ありません。
☆プロに入ってからが、勝負。そして入ってしまえば、前評判も、ドラフトの順位も関係ありません。考えて練習し、プロに適応して、結果を出した者だけが生き残っていくのです。
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source : K.Oのカープ・ブログ。