2016年3月1日火曜日
最近のカープ、あれこれ~'16.2.29、助っ人とルーキーと、コリジョン・ルール。
☆いやいや、寒いですな。北海道はえらいことになってるようで、積雪で自動車内にいた男性が一酸化炭素中毒で亡くなったそうです。排気ガスも積雪で排気されず、車内に回ったんでしょうか。暖冬だと思ったら急に寒くなったり、ほんとに最近は天気が異常ですから、予報をしっかりチェックして、積雪状況など事前に把握しておきたいところ。またインフルエンザなど、風邪にも十分お気をつけ下さい。
☆さて、キャンプも終わり、3月はオープン戦。
◇「結果には目を向けていない」/緒方監督 日刊スポーツ 2016年2月29日7時14分
広島が日本ハムとの練習試合も勝利し、対外試合7戦全勝でキャンプを終了。緒方孝市監督のコメント。
「結果には目を向けていない。でもムードはいいよね。1日1日が充実していた。やるべきことを考えて、それが実行出来たと思う」。
☆守備走塁はまだ詰めなきゃいけないとは思いますが、打線と投手陣は、練習してきたことを結果として出せたんじゃないでしょうか。
☆その中でも結果を出しているのが、助っ人勢。
◇【広島】早春の珍事!?助っ人6人衆絶好調 コイ対外試合で7戦全勝 スポーツ報知 2月29日 7時3分配信
◆練習試合 広島6─1日本ハム=8回終了特別ルール=(28日・コザ)
カープが強い。早春の珍事か、実力か。マエケン流出も何のその。対外試合は何と7戦全勝。打線が1試合平均6・6点と打ちまくれば、投手陣も7試合でわずか7失点。無敗でキャンプを終えた緒方監督は「結果は気にしていない」と一笑に付したが、「去年と比べて(キャンプが)短く感じた。一日一日が充実していた」と合格点を与えた。
沖縄での最終戦は、昨季パの新人王、日本ハム・有原を粉砕した。2回、ルナが移籍後初安打を放つと、14年本塁打王のエルドレッドも中前安打。無死一、三塁から新外国人のプライディが一、二塁間を抜き、助っ人トリオの3連打で先制した。緒方監督は「時期がくれば2人に絞る」と、1軍枠で悩むうれしい悲鳴だ。
外国人投手もハイレベルだ。先発ローテの柱のジョンソンが4回途中1失点。新加入のジャクソンとヘーゲンズもそろって1回を3者凡退に封じた。畝投手コーチは「3人とも(1軍に)入れたいけどな。(中継ぎ候補の)2人ともいい感じできているので、もう少し見ていく」と、こちらもぜいたくな悩みだ。
主砲の新井も2回に適時打を放ち、「練習試合でも、やっぱり勝つ方が気持ちがいい」と笑顔。無敵の赤ヘル軍団が一丸ムードで広島に戻った。
☆ま、投手はジョンソン・ジャクソンのJJコンビ、野手はエルさん・ルナでほぼ決まりだと思いますが、ヘーゲンズもプライディも出場機会は必ずあるでしょうから、しっかり準備しておいてほしいところ。
☆特にチームの弱点をピンポイントで補強した、ルナとジャクソンが今のところ結果を出しているのは、何とも心強い。ルナは存在感を増してますし、ジャクソンはここまでパーフェクトピッチングが続いています。打線のつながり、そしてセットアッパーと、昨年何度も泣かされた部分を、彼らがしっかり支えてくれそうです。
☆28日の日本ハム戦で目を見張ったのが、2回の3点を取った攻撃。ルナがセンター返しで出塁すると、エルさんもセンターへゴロで転がす「チームバッティング」。明らかにゴロを狙った打ち方で、しかもセンターの深い守備位置を見たルナが、迷わず3塁へ。あっという間に無死1・3塁のチャンス。
☆続くプライディが初球を一・二塁間へ持っていき、まず1点。さらに新井さんがこれもセンター返しで、2点目。天谷のセカンドゴロでランナーが3塁に進むと、会沢が犠牲フライ。天谷・会沢のアウトも「価値の高いアウト」で、3点をもぎ取ります。
☆センター返し、抜け目ない走塁、甘い球を逃さず積極的に打ちに行く、そして進塁打に、犠牲フライ。やることをきちんとやれば、長打や一発がなくてもまとまった点は取れるんだという、お手本のような攻撃でした。
☆その「打線のつながり」の中で、この人ももちろん重要。
◇丸が巻き返す!7試合で打率・455 デイリースポーツ 2016年2月29日
「練習試合、広島6-1日本ハム」(28日、コザしんきんスタジアム)
広島は28日、沖縄・コザしんきんスタジアムで行われた日本ハムとの練習試合で勝ち、春季キャンプを打ち上げた。最後に好調をアピールしたのは丸佳浩外野手(26)だ。2安打を放ち、マルチ安打をマーク。これで今キャンプの対外試合は全7試合に出場し、22打数10安打5打点、打率・455。昨季は不振にあえいだが、巻き返す態勢は整った。
抜けるような青空の下で、丸が輝いていた。今キャンプ最後の対外試合。昨秋から取り組んできた新打法で、きっちり2安打だ。復活の兆しを手にした充実の28日間を、最後は笑顔で締めくくった。
「実戦の中で結果が少しずつ出てきて、ホッとしている。追い込まれた中でも、いい打撃ができた。まだ、模索するものがある。それを開幕までのあと1カ月で、練習でしっかりとやっていきたい」
巧みなバットコントロールが戻ってきた。三回無死一塁では、豪腕・有原から一、二塁間を突破。一、三塁と好機を広げ、4点目を呼び込んだ。五回1死二塁でも技巧派左腕・武田勝から右前打。昨季から課題と言われて続けてきた、左足のかかとに体重が乗る悪癖は見られない。若き鯉のリーダーはしっかりと球を捉え、確実にヒットゾーンへはじき返した。
この2安打で、今キャンプは対外試合7試合で4度目の複数安打をマーク。通算は22打数10安打5打点で、打率・455。チームは無敗の7連勝を果たしたが、大きな推進力をもたらしたのは背番号9に間違いない。
14年に打率・310を記録したバットマンは昨季、打率・245と不振に陥った。復活を期して昨秋から打撃改造に着手。タイミングを取るために、新たにグリップを上下させた。「フォームよりはタイミングの取り方に一番、不安があった」。無心でバットを振りまくった日々。「今は間が取れている。取り組みを初めて4カ月くらい。これくらいの時期から、ようやく成果が出てくるもの」と東出打撃コーチ。少しずつ前に進み、確信へと変えていった。
今季も野手の中心に丸がいなければならない。その大きな重圧をはねのける準備を、しっかりと整えてきた。「アウトのなり方もそう。内容はよくなっている。これからピッチャーの精度がもっと上がってくる中でいい打撃をしたい」と前を見据えた。ひたむきに、真っすぐに。悲願へと続く長い道のりを、そのバットで切り開いてみせる。
☆タイミングの取り方は本人も随分気にしているようですが、外の球、そして左ピッチャーも打てているので、かかとへの重心が気になってタイミングが取れない、ということはとりあえずないようです。
☆ま、普通に自分のバッティングができれば、自然とチームを引っ張る形になると思います。菊池もそうですが、まずは自分のプレーに集中すればいいと思います。
☆もうひとつ楽しみなのが、ルーキーたち。
◇ドラ1岡田&ドラ2横山先発テス投へ 大瀬良の穴めぐり広島ローテ争い激化 デイリースポーツ 2月29日 6時59分配信
「広島春季キャンプ」(28日、沖縄)
広島のドラフト1位・岡田明丈投手(22)=大商大=が28日、開幕1軍へ生き残りを誓った。緒方監督は今後のオープン戦で、ローテ入りへの先発テストを行う方針。同2位の横山弘樹投手(23)=NTT東日本=らと5、6番手の座を競わせる。
大瀬良が右肘の違和感で途中離脱。指揮官は「ピンチとして考えない」とした上で、新人2人に期待を寄せた。「岡田と横山がある程度、考えられるようになった」。岡田は当初、セットアッパー候補だったが、先発に回すことを決断。開幕投手最有力のジョンソン、黒田、福井、野村のローテは確定。残りは2枠となっている。
「投手は開幕カードを決めていく段階。開幕投手に関しては何日後かに、本人に言い渡すところにきている」
2枠をめぐって岡田、横山を筆頭に、中村祐、左手中指のマメの影響で再調整中の戸田らが争う。「どのポジションでもしっかり、チームの優勝に貢献できるようにしたいです」と岡田。開幕まで1カ月を切った。ドラ1右腕が結果と内容を残して、開幕ローテをつかみ取る。
☆岡田くんはリリーフで見てみたい気もするのですが、大瀬良くんが離脱ということで、「2枠の競争」に参加させる、ということなんでしょうね。
☆その中でも、横山くんは一歩リードしてる感があります。
◇広島の“マエケン・ロス”を埋める男。「いい人」横山弘樹が先発ローテへ! Number Web 2月29日 18時1分配信
ロサンゼルス・ドジャースに移籍した前田健太の抜けた穴を、誰が埋めるのかで注目される今年の広島で、1人の新人が名乗りを挙げた。NTT東日本からドラフト2位で入団した横山弘樹だ。
初の対外試合となった2月20日のオープン戦(対ヤクルト)に、2番手で登板した横山は、山田哲人、ウラディミール・バレンティン相手に連続三振を奪うなど2回無失点。さらにそこから中4日で登板したDeNAとの練習試合でも3回を2安打無失点に抑える好投を見せ、先発ローテーション入りを強くアピールした。
新聞各紙の報道によれば、先日右肘の内側側副靭帯損傷で開幕ローテーション入りが難しくなった大瀬良大地に代わって、横山がローテーション入りする可能性が浮上したとされている。場合によっては開幕カードとなる3月25日からのホームゲーム(DeNA戦)での先発起用も考えられるとも伝えており、評価は鰻登りである。
◆性格は、とにかく“いいヤツ”!?
「性格が温厚というか、一言で言うと『いいヤツ』ですよ」
そう語るのは横山のプロ入り前の所属先である社会人野球・NTT東日本の飯塚智広監督だ。
「自分勝手じゃないというか、とにかく謙虚なんです。何か言われたことに対しても、一切表情に出さない。でも、試合になるとガラッと変わるから見ているこちらも不思議なんですよ。試合では負けん気も強いし、だからと言って相手に『このやろー』と向かっていくタイプではない。マウンドではわりと冷静なタイプ。『俺はこのチームで勝ちたいんだ』という芯の強さも感じます。だから周りの人は、みんな彼を好きになっていくと思うんです」(飯塚)
性格は朗らか、喋りは南国・宮崎育ちを思わせるおっとりした口調で、声のボリュームも程よい感じ。ひとつひとつの質問に丁寧に話す姿には好感が持てる。
「(前々からプロには)行きたいと思っていたと思うんですけど、今回のドラフトの件でも何がなんでも行きたいとは言わなかった。スカウトの方もたくさん見に来てくれたんですけど、そういうのも表に出さない。ご両親とも話したことがあるんですけど、本当にいい育ち方をしたんじゃないかって思いますよ」(飯塚)
◆高校までは父親と二人三脚で頑張ってきた。
父親は警察官、母親は専業主婦で、姉がいる四人家族で育った。
「厳しくはなかったですけど、常に自分を正しい方向に向かせてくれる両親でした。叱られたことはもちろんありますけど、そういうときでも常に理にかなっているというか、必ず僕が悪いことをしたときしか叱らない親でした。常に子供のことを思ってくれていて、優しいだけじゃなく、ちゃんとした大人になってほしいという自分への愛情が感じ取れました」(横山)
野球が好きだった父はプロ野球選手になりたいという息子の夢を叶えるため、仕事の疲れも忘れて連日、練習に付き添った。
「父は本当に野球が好きで、自分のために野球のこともたくさん勉強してくれて本当に感謝しています。その辺のコーチよりも父の言うことを聞いていましたね(笑)。大学はこっちに来てしまいましたが、高校までは父と二人三脚って感じでしたから」(横山)
彼の頭にふと浮かぶ思い出は、肘を怪我したときに、仕事帰りだった父がすぐさま息子を車に乗せて病院をいくつもはしごしたこと。そうした愛情を受けてきた彼だからか、野球をしているときも、オフの時間でも、周囲の期待に応えようとする心優しい青年に育った。
「両親は僕の自慢です」彼はそう言うと、誇らしげに胸を張った。
◆チームを背負って投げる東明大貴投手が目標。
そんな彼が目標としている選手がいる。大学時代(桐蔭横浜大学)の2年先輩でもあるオリックスの東明大貴だ。
「東明さんこそ自分のためだけに野球をやっていない、チームを背負って投げているって、端から見ていて感じました。東明さんは大学の2つ先輩なんですけど、元々、エリートコースを歩んできたわけじゃなくて、無名の高校から大学に来て、とにかく練習を黙々とやっていた人で。ランニングもずっと手を抜かず同じペースで走ったり、凄く自分に厳しい人でしたし、それでいて他人には優しくて、悪い方向に行った仲間がいたら、必ずフォローして励まし合ったりしていた。
東明さんが試合で投げているときは僕がベンチに入っていなかったので、一緒にグラウンドに立つことはなかったんですが、人として大好きで、今でも尊敬していますし、自分もこういう選手になりたいなって今でも思っています」(横山)
◆「必ず明るい未来が待っていると思って……」
そんな彼に、今の自分自身についてどう思っているか訊いてみると彼はこんなことを答えていた。
「今は試合で投げるのが本当に楽しいです。たとえ試合で調子が悪くて結果が出なかったとしても、常に充実感があるというか、これを乗り越えればまた新しい自分に出会えると、そういう考え方でやっているので。
挫折があっても、その後で成功すれば、それも全て過程として考えられる。今やっていることを続けてやっていけば、必ず明るい未来が待っていると思ってやっています」
そう言って目をキラキラと輝かせる彼の姿に、何か底知れない魅力を感じた。
☆ご両親、大学の先輩、そして社会人での監督やコーチ。周りに恵まれて、野球を通じてそれ以外の様々なこともたくさん学んで、それで今の横山くんがある。
☆この人も、故郷への思い、父への思いが彼を支えてくれているようです。
◇広島のドラ6ルーキー・オスカル、快投をブラジルの父まで届ける サンケイスポーツ 2月28日 12時57分配信
【球界ここだけの話】
広島のドラフト6位・仲尾次オスカル投手(24)=ホンダ=への期待が日々、高まっている。
21日の巨人とのオープン戦(沖縄・那覇)では六回から3番手として登板。2回を投げて2安打無失点とし「ゼロで抑えることができてよかった。カウントを悪くならないようにしたかった」と振り返った。
翌22日にはうれしいこともあった。沖縄出身でもある父・嗣光さん(72)の北部農林高時代の同級生15人がコザしんきんスタジアムに横断幕とともに応援にかけつけてくれたのだ。
話を聞かせてくれた嗣光さんの同級生の比嘉国夫さん(73)は「昔の沖縄の北部は野球が盛んじゃなかった。お父さんも野球はやってなかったし。でも、そのお父さんの息子がプロ野球に入るというのを知ってうれしかった」と明かしてくれた。
父・嗣光さんは1971年にブラジルに移住し、現在もブラジルで暮らしている。嗣光さんが移住してからは、同級生もずっと連絡をとっていなかったという。それでも45年後の新聞記事で嗣光さんの息子であるオスカルが広島に入団することを知り、いてもたってもいられずスタジアムに駆けつけた。
沖縄の応援団の存在にオスカルも「ものすごくありがたい。うれしいですね」と表情を緩めた。中継ぎ左腕としての広島でのキャリアは始まったばかり。声援に報いるためにもまずは開幕1軍を目指していく。
☆ブラジルのためにも頑張りたい、と言っていた、オスカルくん。プロとしての人生はこれから始まる訳ですが、これまでの人生があったからこそ、今があるのも事実。それに誇りを持って、プロでも頑張ってほしいですね。
☆そのプロで、20年目を迎えた、この人。
◇黒田 20年目も常に危機感「しんどいですね 野球をするのは」 スポニチアネックス 2月29日 8時0分配信
まだ何も終わっていない。いや、始まってもいない。節目のキャンプ最終日、広島・黒田は「なかなか、しんどいですね。野球をするのは。朝早く起きることから…」と心境を明かした。
成果や自信を軽々しく公言する流儀を持たない。「いつもと変わらない。シーズンへ入る前は不安しかない。開幕した後も、いい状態を続けていくことが大事になる。常に危機感を持っている。それは何年目になっても変わらない」。日米通算20年目、復帰2年目の開幕を不動の心で見据えた。
16日に日南1次キャンプへ合流。2次キャンプ地の沖縄へ移った後、23日にはフリー打撃に、27日にはシート打撃に登板するなど着実に調整段階を進めた。新球チェンジアップの習得に努め、昨季多投しなかったカーブも磨いた。「トライしたのは、それだけじゃない。体の使い方でトライした部分もある。30歳を過ぎてからは毎年、同じ体や同じフォームでは投げられないことをしっかり頭にたたき込み、新しいものを作っていかないといけないと思ってやってきた」。41歳の春。変わらない準備と挑戦の日々に少しだけ胸を張った。
☆黒田さんと新井さんはねぇ…去年より成績は上がると思います。歳とともに毎年自らの限界と戦い、その厳しさは想像だにできないのですが、復帰2年目でチームにも溶け込み、向上心は衰えるどころか、目はさらに上を向いている。
☆「しんどい」というのは、本音だと思います。年々確実に、体は動かなくなりますから。それでも「やる」と決めた以上、上を目指して、チームに力を尽くす。
☆優勝、したいですなぁ。ほんとに。
☆さて、今シーズンから「野球が変わる」と言われている、コリジョン・ルール。
◇クロスプレー規定で野球が変わる?広島が始めた「ゴロゴー」作戦とは。 Number Web 2月25日 18時1分配信
オープン戦初戦となったヤクルト戦(浦添)に、今季の広島が目指す野球が凝縮されていた。13安打11得点で大勝した爆発力ではなく、1点目と2点目の点の取り方に今季の広島野球を見た。
「100点満点の点の取り方。結果的に大味な試合になったけど、試合展開としてあの1点は大きかった」
石井琢朗打撃コーチが試合後に評価したのは、0-1から同点に追い付いた3回の攻撃だった。四球で出塁した先頭の鈴木誠也は、暴投で二塁に進塁。打席の田中広輔は追い込まれながら、外寄りの球を引っ掛けるように引っ張った。ボテボテの二塁ゴロで鈴木は三塁進塁。自己犠牲の打撃に、チームメートはベンチの最前列に立って田中を迎えた。
1死三塁で磯村嘉孝も追い込まれながら、遊撃前にゴロの打球を打ち返した。大引啓次は本塁に投げる素振りすら見せずに一塁へ。(ゴロになると分かった瞬間走り出す)「ゴロゴー」でスタートを切った三塁走者が本塁に帰ってきた。四球に暴投が加わり、2つの内野ゴロで1点を奪った。無安打で同点。
◆打てないとき、いかに点を取るかが大切。
「打線は水ものだから。打っても3割から4割。打てないときにどうやって点を取るかが大事になってくる」
昨秋キャンプから石井打撃コーチが言い続けてきたことが結果につながった。
本塁打や適時打だけが攻撃ではない。どんな形であっても走者を次の塁に進めて本塁にかえせば得点になる。3回の同点劇は見た目に派手さがない。しかし、相手にはボディーブローのようなダメージを与える点の取り方だ。
◆勝負強さに必要な、得点のバリエーション。
昨季広島は本塁打数(105本)も得点数(506点)もリーグ3位で、打率はリーグ5位の.246。勝負どころでの一打に欠き、僅差の試合を落としてきた。簡単に勝負強さを身につけることは容易なことではない。ただ打って得点するだけではなく、得点のバリエーションを増やす工夫も必要になってくる。
石井コーチは昨秋から方法論を選手に伝え、そのためにやらなければいけないことを教えてきた。チームに浸透させてきた成果がオープン戦初戦で発揮された。
「8回の上本(崇司)にしても、バットに当てれば相手がミスしてくれることもある」
石井コーチは1死一、三塁から一ゴロをファンブルして加点した場面を挙げた。簡単に三振するのではなく、何とかバットに当てればどうにかなる。シーズン中でもそれほど多くは見られない得点シーンを、オープン戦初戦で成功体験を得られたことは結果以上に大きな収穫だったと言えるだろう。
◆クロスプレーの規定変更で突入が増える?
もう1つ。今年の広島野球において重要となるプレーがあった。1-1の同点から勝ち越した4回の場面。2死一塁から松山竜平の右翼線への打球で、一塁走者の新井貴浩は三塁を蹴って一気に本塁をついた。捕手のタッチをかいくぐり、滑り込みながら左手で逆転の本塁生還した。
「昨季までならどうかな、というタイミング。今年はああいうケースで突入というのが、僕でも多くなると思う」
ベテランはそう振り返った。今季から本塁での危険な衝突を避けるための規定が、公認野球規則に追加されるのだ。
◆捕手が走路をブロックできない影響は大きい。
「走者は最初から捕手に接触しようとして(中略)走路から外れることはできない」
「捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する」
ほかにも本塁打同様に、映像での確認が本塁上でのクロスプレーでも適用されることになる。
春季キャンプでは審判団が12球団を回りながら新ルールの確認を行なってきた。しかし、選手や首脳陣の戸惑いは明らかだった。特に習性的にブロックしてきた捕手の戸惑いは強い。球審の判断に委ねられる部分も多く、シーズンに入っても両者のすり合わせは続いていきそうだ。
◆走者三塁ではすべて「ゴロゴー」になる?
広島がつくポイントはまさにそこ。緒方孝市監督は「野球が変わる」と言い切った。走者三塁のときには、すべて「ゴロゴー」でスタートを切らせ、代走要員の増員も検討されている。走者にとってメリットの多いルール改正で、攻撃も変わってくるだろう。
3回の同点、4回の逆転はいずれもルール改正によって生まれた得点だった。8回の得点も、広島走者が本塁を思い切り狙う姿勢によって相手の守備に焦りを与えたと言えよう。
新ルールに「いち早く慣れることが大事」というのは広島首脳陣の共通意識だ。キャンプ初日から新ルールを意識した走塁練習がメニューに組み込まれた。三振を減らし、凡打の内容を上げる。そこにリスク覚悟で、本塁への積極走塁。得点力アップの鍵は打力向上だけではない。
☆当然、守る方も対策は考えます。
◇ブロック禁止でハム新守備 1点取らせて2死を得る スポニチアネックス 2月29日 9時0分配信
◇練習試合 日本ハム1―6広島(2016年2月28日 コザしんきん)
肉を切らせて骨を断つ――。今季から適用される本塁での危険な衝突を防ぐ「コリジョン(衝突)ルール」。捕手がブロックなどで走路をふさぐことができない中、日本ハム・大野奨太捕手(29)が広島との練習試合で本塁上のクロスプレーを避け、一塁走者の二塁進塁を防いだ。1点は捨て、確実にアウトを増やしたプレー。この好判断が新ルールによって変わる野球を象徴していた。
3回無死一、三塁。ルナの放った飛球は右翼定位置より、やや前めだった。三塁走者の田中がタッチアップ。捕球した石川慎は迷わず本塁に送球した。クロスプレーのタイミングだった。
本塁送球を見て一塁走者の丸も二塁へ向かった。「今までなら捕手はホームにくっついている」と体が反応し、タッチアップした。ところが、大野は送球が少し浮いたのを見ると、田中が還ってくる本塁を空けた。マウンドの横まで前進。ノーバウンドで捕球し、二塁へ送球。見事に丸をアウトにして併殺となった。
これで2死走者なし。大量失点の可能性もあったイニングを1失点に食い止めた。大野が振り返る。「本当にアウトのタイミングじゃないと(本塁補殺には)いけない。際どいプレーはノーチャンス」。これまでなら体を張ったブロックで無失点を狙ったかもしれない。今季から適用された「コリジョンルール」で捕手はブロックなどで走路をふさぐことが禁止となり、追加点を防ぐことを優先した形だ。
この日は広島の守備でも似たケースがあった。3回1死一、二塁。陽岱鋼(ヨウダイカン)の中前打に対し、丸は本塁ではなく、三塁へ送球した。二塁走者は足の速くない大野で一塁走者は俊足の中島だが、確率の低い本塁での補殺を狙わず、中島の三塁進塁を防ぐプレーを選んだ。
コリジョンルールにより、三塁走者の生還率は格段に上がることが予想される。大切なのは三塁まで進めないことで「1点を与えないプレーより、与えない準備が必要になる」と大野。日本ハムの白井内野守備走塁兼作戦コーチは「(大野が選択した)ああいうプレーは増えてくると思う」と想定し、栗山監督も「一つでも進塁を阻止するという意識は出てくる。本塁は捨てるのがいいのか、それはこれから」と今後の課題とした。
新ルールの適用は、大胆さや勇気より、緻密な計算と判断力を求めることになりそうだ。(君島 圭介)
<コリジョンルール>プロ、アマ合同の日本野球規則委員会が今年1月に公認野球規則に本塁上の衝突プレーを禁じる規定を追加した。昨年の米国でのルール改正にならった変更。走者が守備側へ故意に接触しようとした場合にはアウトとなり、守備側が球を保持していない状態で走者の走路をふさいだ場合は、得点が認められる。これに伴い、セ、パ両リーグは今季から本塁上のクロスプレーにビデオ判定を導入する。
☆1死2塁と2死ランナーなしとでは、当然状況は全然違います。3塁にランナーが進んだら、1点やむなし、という野球が主流になりそうですな。ランナーの走塁も、当然変わってくることになります。
☆1点が入りやすくなる、ということは、当然重視されるのが、投手陣。特に終盤出てくるいわゆる「勝ちパターン」のピッチャーが強いところが、その「1点」を守り抜く、ということになりそう。
☆同時にその投手陣も、先頭を出さない、バッテリー間のミスを防ぐなど、「3塁にランナーを行かせない」ピッチングが求められることになりそうです。
☆総じて、攻撃側も守備側も、きっちりした野球ができるチームが「1点」をより多く取り、「1点」をより防げることになりそう。また守備側は日本ハムがやったように、「1点やむなし」の思い切ったシフト、プレーが出てくるかも知れません。で、攻撃側も、当然それに対応していかなきゃならない。
☆…結構大変ですよ、これは。今までのセオリーがちゃんと頭に入っている選手ほど、より大変かも。瞬時に判断して、その新しいプレーが咄嗟にできるようになるには、相当時間がかかりそうです。
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source : K.Oのカープ・ブログ。