2016年5月30日月曜日

杵榮会の長唄三味線の演奏会に行ってきた!

人形町
最近日本文化の再発見に感動し、
見直し、尊敬している私であるが、
最近になって三味線の奏者である杵家栄次郎さんとお知り合いになることができて
どういうことか杵屋さんからお誘いを受け、
日本橋は人形町に江戸長唄を聴きに行ってきた。
江戸長唄とは演奏は基本的に複数人の唄と三味線で成り立っていて、
曲目によっては小鼓、大鼓、太鼓、笛などで構成される「お囃子」が付くこともある。
また通常の三味線パートのほかに「上調子」と呼ばれる三味線パートを持つ曲も存在する。
この杵屋家を辿っていくと
私が調べただけでも江戸時代初期の1600年代にまでさかのぼるので
最低でも400年以上は経過していることになる。
私が調べただけでも杵屋姓の長唄三味線方では
杵屋巳太郎(きねや みたろう)と
杵屋五三郎(きねや ごさぶろう)のお二方が人間国宝であった。
この杵屋という姓を分かりやすく言うと
歌舞伎の中村や落語の三遊亭と同じだ。

公演(?)が始まるのは1時から、
栄次郎さんが登場し始めるのは午後2時頃からということで
1時半到着を目標に自宅を出る。
至近のバス停に到着したら時刻表通りにバスが到着、
妙に気持ちが悪いほどに正確だ、笑ってしまう。
日頃の私の行いがよっぽどいいからに違いない、ぬはははは。
10分後には最寄りの駅に到着し
ホームに駆け上がると
これまたなんと幸運なことに急行がすぐさま到着、
電車に乗ると心地良い冷房の風が体をクールダウンし眠気を誘う。
しかし寝たら多摩センターまで行ってしまうので
アリスのように立ち尽くす一人、立ち尽くす。
そして馬喰横山駅で下車し
乗り換えの東日本橋まで5分歩く、
改札を抜けるとそこは雪国ホームだった、当たり前だ。
そう言えば雪国と言えばあの吉幾三、
最近は「スンミナレタ、ゥワガィヤニ……」の練習をしてないな、反省。
ホームに着くとこれまたすぐに電車が来たので
余裕をぶちまかしながら乗車、
降車駅は次の駅だ、楽勝じゃないか、ぬはははは。
次の駅が近づいてきた、
降りようと思ってドアの近くに寄ると
まったく減速せずに軽く通過、どうなってんだよ!
焦る私、脇汗洪水状態で車内の隅々まで血眼で
この訳を調べてみると、
私が乗車したのはエアポート快速で唯一人形町には止まらないもの、
今日は当たりの日らしい、
神は私に今日速い電車ばかりを与えてくれているようだ。
焦る気持ち抑え、
額と脇の汗をタオルで拭いながら
次の停車駅の日本橋で下車、
降りると同時に8マン走法で反対側のホームに突っ走る!
改札を一度出て階段を下り
さらに階段を上るとそこには改札があり急いで通過、
するとまたすぐに電車は到着、やった!
すぐに電車に飛び乗り
次の駅の人形町を目指すと車掌の声が聞こえる。
「え〜この電車はエアポート快速成田空港行きでございます……」
…………またやっちまった。
今日は当たりの日だってことをもう忘れていた。
人形町の駅を軽く通り過ぎていく電車、グス。
しかしこんなことをしていたら間に合わない、さらに焦る私。
今日2度目の東日本橋駅に到着だが不愉快極まりない。
またも8マン走法で反対側のホームに走る私、
ホームに到着して確認すると次に来る電車は
なぜかまたもエアポート快速、かなりイラっとする。
結局人形町に到着したのは2時数分前、
道を尋ねながら会場へと向かう。

やっと到着し受付の黒い着物を着た女性に栄次郎さんのことを聞くと
ちょうどその前の舞台が終了して今は休憩中で
この休憩が終了してから彼の舞台が始まるとのこと、
一安心、安堵の溜息である。
会場に入る前に受付の女性に演奏中の写真は可能かと聞いてみると、
その女性は責任者に聞きに行ってくれた。
そして数分後に戻ってくると、
「お待たせしました、一人前なら大丈夫とのことです。」
一人前の写真?
ラーメンやカレーや定食の一人前なら私でも軽く理解できるが
写真の一人前とはどういうこと?
ひょっとして演奏者や唄い手として一人前の方なら大丈夫ということか?
すかさず「一人前とは1枚ということですか?」と尋ねてみると、
「そんなに何枚もお撮りにはならないでしょ?」との返答、
初めての近世邦楽だけに、
独特の言い回しが理解できず恥ずかしくて
穴があったらぶっこんでやりたいくらいだった。
結局よく理解できなかったので幕が下がっている時に1枚だけ撮影したが
ピンボケ具合甚だしくあまり見せられたものではない。

さてやっとの事で会場に入る。
10分ほど待っていると会場のブザー音が鳴り演奏開始だ。
幕が上がっていく、ドキドキだ。
台座の上に唄担当が2名と三味線担当の2名の男性が紋付袴を着て座っている。
しかしこの中に栄次郎さんがいるはずだが
彼の姿が見当たらない。
三味線奏者なので2人をじっとよ〜く見てみると……
いた、私の真ん前にいた!
いつもは洋服姿でいるので
あまりの凛々しさと格好良さに気付かなかった!
しめしめ、ちょっと笑わせてやるか、ぷぷぷぷぷぷぷ♬
いやいや、そんなことは微塵も思わなかったのでご安心を。
ここから私にとって生涯初の邦楽生体験だ。
しかし初めての体験だけに驚きや疑問がポンポンと飛び込んでくる。
まずは日本人である私でも
唄い手の方がなんと話しているかまったく分からない。
ごく稀に分かる時があるのだが
私のような初心者ではまったくと言っていいほど理解できず
自らの無知加減に落胆した。
ただ後で気づいたが他のお客さんは
すべての演目の唄の歌詞をもらっていた、
私は切れているということで貰えなかったのよ、涙だ。
他にも演奏中に奏者が三味線の弦の張りを変えながら演奏している、
これはチューニングがうまくいってなかったのかと思っていたが、
あとあと見ていると2人の奏者が同時にも行っていたので
弦の張りを変えて、わざと音を変えていたようだ。
あとこれも驚いたが演奏中に小鼓に唾液をつけているのを何度か見た、
これは皮に湿りを与えて手が滑るのを抑えているのか?
他にも唄い手が扇子を置くのは「終わった」という意味?
楽譜があるはずだが邦楽だけにどんな楽譜?
やはり縦書きなのか?
あまりにも知らなさすぎた。

ところで栄次郎さんが演奏した長唄は「多摩川」という五代目杵屋勘五郎の作、
歌詞を探してみたが見つからず残念。
どうも私なりに考えたところ、
この長唄三味線というのは長唄の歌詞に合わせて
ムードを引き起こしていく演奏じゃないかと理解、
映画のそれぞれのシーンのバックに流れる曲のようなものなのかと。
そう考えると次に行く時は
絶対に歌詞を貰って観ることにしたいと思う。
栄次郎さん、お招き頂きありがとうございました。
次に行く時はもっと理解できて楽しめるように勉強しておきますね。
素晴らしい演奏に拍手です、
また近いうちにお会いしましょう。

この演奏会を観て思ったのが
演奏中は皆一丸となって努力し練習した結果の賜物である。
老若男女を問わず心を一つにしていけばできるのだ!
演奏者の中には80歳はとうに過ぎている女性の方もいたが
立派に自らの仕事を全うし一員となっていた、素晴らしいの一言である。
見習ってほしい、選手や首脳陣にも。






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source : 梅造イズム(東京ヤクルトスワローズブログ)