2016年6月24日金曜日

【特集】なぜ「神ってた」のか(笑)。


☆いやいや、交流戦も終わり、いよいよ明日からリーグ戦が再開する訳ですが、交流戦を振り返ってみると、やはり何で「神ってた」のか、何度考えても分からない(笑)。もちろん誠也くんの働きあってのものなのですが、それだけじゃないんですな、6連勝、そして交流戦の貯金5という結果は。


☆で、例えば打線が打てなかっただの、先発が試合を作れなかっただの、中継ぎが打たれただのと、これまでのように反省点を並べてみたところで、どうも面白くない(そんなものは始めから課題であって、そのために秋からいろいろやってきた)。むしろ微妙な感じで始まった交流戦の最後に、何で6連勝することができたのか。誠也くんが「神ってた」オリックス戦はもちろんですが、西武戦にしたって、こちとら楽天にまさかの負け越し、一方西武はカード負け越しなしで来てたんですからね。もう西武戦3タテからして、おかしい(笑)。


☆で、もう一度、チーム成績を。


3位 広島
18試合 11勝6敗1分 勝率.647
得点61⑧ 失点57⑤ 本塁打15③
打率.249⑦ 防御率3.06⑥ 盗塁20①


☆盗塁は1位、本塁打は3位ですが、後はこれといって目立った数字はなく、微妙。自慢の打線が爆発した訳ではなく、かといって投手陣が完璧に抑えた訳でもない。


☆で、ややこしいので、とりあえず話を交流戦に限ろうと思うのですが、昨年の交流戦、チーム成績。


7位 広島
18試合 9勝9敗0分 勝率.500
得点79⑤ 失点79⑧ 本塁打21②
打率.260⑤ 防御率3.98⑨ 盗塁10⑥


☆打撃成績は、去年の方がいい。となると単純に、投手陣が良かったということになります。防御率で言えば、1点近く違う。


【2016年 交流戦 投手成績】

    試 勝 敗 S 回 自 防御
野村  3 3 0 0 18 2 1.00
岡田  3 0 0 0 20 3 1.35
戸田  4 1 0 0 17 4 2.12
黒田  3 1 1 0 21 7 3.00
ジョンソン
    3 1 2 0 19 7 3.32
中村恭 3 0 0 0 131/3 8 5.40

一岡  2 0 0 0 11/3 0 0.00
ヘーゲンズ
    10 1 1 0 111/3 2 1.59
中崎  8 1 1 4 10 2 1.80
ジャクソン
    9 2 0 0 102/3 3 2.53
今村  7 1 0 0 9 3 3.00
オスカル
    2 0 0 0 22/3 1 3.38
九里  3 0 1 0 50/3 8 14.40
西原  1 0 0 0 3 5 15.00
(九里の1敗は先発)


【2015年 交流戦 投手成績】

    試 勝 敗 S 防御 回 自
黒田  3 3 0 0 0.84 211/3 2
前田  3 1 1 0 2.82 221/3 7
ジョンソン
    3 1 1 0 2.89 182/3 6
福井  3 2 1 0 4.58 172/3 9
大瀬良 4 0 2 0 5.63 16 10
野村  3 0 2 0 7.50 18 15
武内  1 0 0 0 9.00 4 4
(大瀬良は2試合先発)

中田  5 1 0 0 0.00 5 0
西原  1 0 0 0 0.00 1 0
飯田  1 0 0 0 0.00 1 0
今井  4 0 0 0 1.50 6 1
戸田  9 0 0 0 2.57 7 2
ヒース 4 0 1 0 4.50 4 2
中﨑  10 0 1 4 5.40 10 6
永川  4 1 0 0 5.40 31/3 2
ザガースキー
    3 0 0 0 7.71 21/3 2
今村  3 0 0 0 9.00 3 3


◇「神ってる」現象の要因①…勝ちパターンの確立。


☆これは里崎さんもおっしゃってましたが、ヘーゲンズ・ジャクソンと、今年は勝ちパターンが確立されてる。昨年はヒース・中崎・永川・ザガースキー・今村と、防御率が悪く、勝ちパターンが機能してなかったことが分かります。ヘーゲンズは1度、ジャクソンは2度失点しましたが、それ以外は無失点。中盤から終盤にかけて失点することがなくなりました。オリックス戦では、先発が試合を作れない中、後を受けた中継ぎ陣がしっかり試合を作ったからこそ終盤の逆転劇を呼んだ、と言っていいと思います。


◇「神ってる」現象の要因②…先発投手の頑張り。


☆昨年の先発陣は、7勝7敗。福井・大瀬良・野村は防御率が悪く、大瀬良・野村は1つも勝てませんでした。一方今年は、先発で6勝4敗。恭平くん・九里くんが打たれましたが、後は全てのピッチャーが試合を作りました。昨年の先発防御率は4.04、今年の先発防御率が2.58。マエケンの穴どころか、今年の方が安定感は抜群です。




☆一方、打線なんですが、ロッテ戦のシーソーゲーム、ソフトバンク戦のサヨナラはありましたが、日本ハム戦・楽天戦は、勝ちの形を作って、逃げ切るパターン。ところがですよ。


◇「神ってる」現象の要因③…やるべきことをやる打線。


☆逆説的になりますが、誠也くんの派手な活躍の裏には、やはりやるべきことがきっちりできている、ということが挙げられると思います。


☆西武第1戦、盗塁を絡めた誠也くんの先制タイムリー。球数を投げさせることによって、雄星くんを早めにマウンドから降ろす(エルさんの一発も、その賜物)。西武第2戦、前進守備の外野を見て頭越えを狙った松山、ワンヒットに徹した誠也くんのタイムリー。第3戦、バンヘッケンの荒れ球を我慢して押し出し、誠也くんの炎のセーフティー(笑)、新井さんの進塁打、菊池のバント、ルナの右打ち。


☆オリックス第1戦、西川くんのゴロ狙いのヒット、9回2死、土壇場での丸の逆らわないバッティング、ルナの勝負強さ。第2戦、会沢が不振の中、きっちり犠牲フライ。


◇「神ってる」現象の要因④…ルナがいると安心?


☆ルナが復帰したのは、西武3回戦から、都合4試合。この間、打線は6点・6点・4点・5点と点を取ります(1試合平均5.2点)。もちろんこの時に、誠也くんが「神ってた」訳ですが(笑)、どうもね、やっぱりルナがいると、各打者が自信を持って打席に入ってるように見えるんですよ。ルナがいれば何とかなる、みたいな。ルナ自身もタイムリー2本、打率.313と打ってる訳ですが、彼の存在自体が、打線全体に安心感をもたらしているようにK.Oには見えます。


☆交流戦では誠也くんを5番に起用していた訳ですが、「5番にいるからには5番の仕事を」的なコメントを本人もしていましたが、それが気負いではなく、責任を果たす、という、いい集中力になったのは、ルナの存在が大きかったんじゃないかと思うんですよ。


☆下水流もボール球に手を出さなくなり、甘い球をきっちり捉えた。6連勝中の打線は、いい集中力を持続していたように思います。その中心に、ルナがいたんじゃないでしょうか。




☆さて、「K.Oのカープ・ブログ」、唯一自慢できるところがありまして、それは、コメント陣の豪華さ(それ、ブログ自体じゃねーし)。その中で、何と緒方監督ご本人とお話をした、という、とんさんという方がいらっしゃいましてですね、貴重なお話を頂いたんですよ。ここに再掲しますと、緒方監督の話の要点は、


1. カープ伝統の投手を中心とした守りの野球。1点を取る執念の野球。
2. 盗塁成功率の3割アップ
3. マエケンの穴は全員で埋める。
4. 打線は秋のキャンプで本当にしっかり鍛えなおした。
5. 自分の監督としての力のアップ。


☆これは1月時点でのもの。でですね、これが交流戦でどうなっているかというと、


1. →防御率が約1点改善。接戦での強さ。
2. →12球団トップの20盗塁。
3. →ジョンソン・黒田さん以外の先発の奮闘、中継ぎ陣の改善。
4. →神ってる(笑)。


☆「5.」に関してK.Oが感じるのは、今年は1・2軍の入れ換えが頻繁に行われる、ということ。また選手の起用も、当たっていると思います。戸田くん・岡田くん・恭平くんが先発で頑張り、ヘーゲンズの中継ぎ起用も成功。野手では天谷・安部・磯村に加え、交流戦では西川くん・下水流が活躍。赤松にそのまま打たせてサヨナラ、なんてのもありました。


☆昨年は1年目ということもあり、チームの形を作ることにこだわったんだと思います。菊・丸をリーダーに指名しフル出場を求め、田中くんをショートに据え、誠也くん・野間くんを1軍に置き続けた。大瀬良くんも中継ぎに置いてから、最後まで一貫して中継ぎで使い続けた。中崎くんも、辛抱強く抑えで使いました。そういう「チームの骨格」を作ることに、昨年は専念していたんじゃないでしょうか。


☆今年は、下で良ければ上に上げる。ダメなら配置転換、または落とす。また良ければ上げる。下水流・天谷は再昇格組、先発も、横山くん・福井くんを使い、結果が出なければ岡田くん・九里くん・戸田くん・恭平くん。また外国人選手も、ルナが離脱すればヘーゲンズ、エルさんが離脱すればルナ。代わりに使われた選手はことごとく結果を出しています。「隙あらば」野間くんは(笑)、1軍に上がるも、結果が出なければ下げられています。


☆ちなみに野間くんは、素材としては一級品。誠也くんほどのプロとしてのメンタルがまだ出来ていないだけ。だからこそ緒方監督はそれが分かってて、それを克服するために1年間、1軍で使い続けたんだと思います。残念ながらその成果はまだ出ていませんが、近い将来必ず出てくる選手です、野間くんは。


☆誠也くんが「神ってた」理由は、これはこれでひとつ記事が書けそうなくらいあるので今回は触れませんが(笑)、チームとして「神ってた」理由としては、これはもう、「緒方監督のチーム作りが今のところ成功している」としか言いようがありません。それはとんさんにコメントを頂いて緒方監督の方針を聞いてから、確信に変わりました。


☆今年打線が結果を残してることについて「他球団がカープを舐めてたから」なんて言ってる人がいますが、そんな全く主観的な言い方で「そんなことも分からないのか」と威嚇するのは、ほとんど恫喝に等しい。なおかつ、自分の弱さをひけらかしているようなもの。今シーズンの昨年以上の混戦を見れば、どの球団も自分のことで精一杯で、とても他球団のことを舐めてかかるほどの余裕などないことくらい、毎日の試合を見ていれば分かること。秋からの取り組みを、そんな言葉で一括してしまうのは、「まず批判ありき」の偏見としか言いようがない。


☆いちいちの試合を見て、打線がどうだ、采配がどうだ、継投がどうだ、なんてのは、試合の結果を見れば誰でも言えること。ピッチャーを代えて打たれりゃ継投が悪い、打てなきゃ代打を出すの出さないの、守備固めをすりゃ打線が弱くなると批判、しなけりゃ守備が弱くなると批判。そんなものは見れば誰でも言えるし、どこの球団にも起こっていることです。


☆そうではなく、それこそ球団がどうだの補強がどうだの育成がどうだのと言うんだったら、長い目で見て、カープというチームがどういう過程を辿って今のチームになったのか、それをよく考察してみたらどうですか。K.Oは野村監督の時代、つまり菊・丸をレギュラーに据えてから今のチーム作りが始まったと思っているのですが、そういうことは一切触れられず、ひたすら結果だけで、いや、結果を出してすら、批判される。


☆K.Oも、野村監督も緒方監督も采配がうまいだなんて、これっぽっちも思っちゃいませんよ。にも拘らず、チームの成績は年々向上している。これ、どういうことでしょうねぇ。


☆とりあえず、開幕してまだ間もない4月の段階から緒方監督解任を唱えていた人が何を考えてそう言っていたのか、K.Oには全くさっぱりまるっぽ分からんのですが、質問の立て方としては、やはりこうなるでしょうねぇ。


☆采配がヘボな監督に継投がヘボな投手コーチの許で、なぜカープは首位にいるのか。なぜ去年より今年の方が成績がいいのか。少なくとも「緒方監督では勝てない」と言っていた人は、説明責任があると思いますよ。




☆最後に、初優勝時の1番セカンド、大下さんの、球宴までの展望。


◇球宴まで16試合 広島が心得たい首位の戦い 東スポWeb 6月23日 10時0分配信

【大下剛史 熱血球論】交流戦を11勝6敗1分けで乗り切った首位の広島は、2位以下に6ゲーム以上の差をつけて頭一つ抜け出した。しかし、勝負は下駄を履くまで分からない。おそらくリーグ戦再開後は、他の5球団が広島を潰しにくる。これを一つずつ叩いていかなければいけないのだから楽ではない。

 当面の課題は球宴までの16試合をどう戦うかである。巨人、中日と2連戦が2度ある日程で、それほど過酷というわけではない。首位にいることもあり、ここで一気に…という気持ちにもなりがちだが、大事なのはどれだけ投手陣、特に救援陣を無理遣いすることなく我慢できるかだ。

 幸いにも先発の頭数は揃っているが、9回完投は5月24日の巨人戦でのジョンソンが最後。交流戦では5回降雨コールドとなった4日のソフトバンク戦以外はすべての試合で救援陣を投入している。結果として首位固めはできたが、無理を強いれば必ず反動が来ることを忘れてはいけない。

 いずれにしても夏場には無理をしてもらわなければいけなくなる。だからこそ、球宴までの戦いは我慢が必要なのだ。ファンやマスコミに対してはすべての試合で勝ちにいく姿勢を見せる必要もあるだろうが、心の中では「3連敗さえしなければいい。3連戦で1つ勝てればいい」ぐらいに思っていればいい。それぐらいの心のゆとりを持つことが大事だ。

 最後にリーグ制覇した1991年に17勝を挙げて最多勝やMVPに輝いた佐々岡が二軍投手コーチを務めているのも大きい。彼は優勝を争う中でいかに投手が大変かを経験しており、どのタイミングで一軍がフレッシュな戦力を必要とするかも分かっている。

 戸田や中村恭、九里、新人の岡田にオスカル、そして故障明けの一岡らを使える状態にして一軍に送り込み、今季の快進撃を陰で支えてきたのが佐々岡二軍投手コーチ。これまで通りに一、二軍が連携していけば難局も乗り越えられるはずだ。(本紙専属評論家)




◇6月24日(金)の予告先発投手

○東京ヤクルトスワローズ
小川 泰弘
13試合3勝3敗 防御率4.57 WHIP1.29
対D 2試合1勝0敗 防御率3.86 WHIP0.93
 VS (神宮 18:00)
○中日ドラゴンズ
若松 駿太
12試合5勝5敗 防御率4.07 WHIP1.45
対S 1試合1勝0敗 防御率8.44 WHIP2.44

○横浜DeNAベイスターズ
井納 翔一
12試合4勝6敗 防御率2.80 WHIP1.10
対G 1試合1勝0敗 防御率0.00 WHIP0.67
 VS (横浜 18:00)
○読売ジャイアンツ
菅野 智之
13試合5勝3敗 防御率0.88 WHIP0.84
対DB 2試合0勝0敗 防御率1.80 WHIP0.67

○広島東洋カープ
K.ジョンソン
13試合7勝5敗 防御率2.10 WHIP1.09
対T 0試合0勝0敗 防御率 - WHIP -
 VS (マツダ 18:00)
○阪神タイガース
藤浪 晋太郎
12試合4勝3敗 防御率3.25 WHIP1.27
対C 0試合0勝0敗 防御率 - WHIP -


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source : K.Oのカープ・ブログ。