2016年9月27日火曜日

【カープ優勝特別企画5】広島V検証(デイリー)。


◇【広島V検証】猛練習に質を加えた打撃コーチ3人体制 デイリースポーツ 9月13日 11時0分配信

 「常勝鯉の幕開け 25年ぶりV検証(上)」

 黒田の涙に、新井の涙。カープ25年ぶりの優勝で全国のファンが歓喜に沸いた。12球団で最も優勝から遠ざかったチームの改革。「赤ヘル軍団」はいかにして、復活をなし得たのか。緒方監督を支えた男たちに焦点を当て、3回連載で強さの裏側に迫る。

  ◇  ◇

 歴史的な試合が行われた夜。都内のJR線車内で思いも寄らないアナウンスが流れた。「ただいま、広島カープが優勝しました。ファンの皆様、おめでとうございます」。粋な演出に25年という歳月の長さ、重さを思う。長年の苦難に耐え、全国に広がる地方球団の歓喜。選手も耐えて、勝った。

 優勝を決めた9月10日・巨人戦。今季42度目の逆転勝利だった。「シーズン通りの戦い方をしてくれた」。緒方監督は目を細め、選手を「頼もしいな」とたたえた。640得点、144本塁打、打率・275は12球団トップ。その裏に打撃コーチ3人の体制がある。

 昨季までの守備走塁から石井コーチが転身。現役引退した東出コーチが新たに加わり、迎打撃コーチ補佐がそのまま留任した。石井コーチが掲げたのは、「数字に表れない得点の取り方」。東出コーチと2人、二遊間を守った経験が打撃に応用された。

 「アウトのとらえ方にも目を向けた。いかに有効打、相手にプレッシャーを与える打撃ができるか。ゴロを打てば、そこから何が起こるかわからない」

 例えば無死一、三塁では、併殺打でも1点入ればOK。狙い球を明確にし、外れたらコーチの責任と背中を押した。8月23日・巨人戦(東京ドーム)。石井コーチは12残塁の拙攻に、粘投したジョンソンに頭を下げた。翌24日の同戦に逆転勝利し、25年ぶりのマジック20が点灯した。

 安部の反撃5号ソロから田中の同点打。丸が勝ち越し打で続き、松山のダメ押し打で試合を決めた。新井、エルドレッドが外れ、33歳の天谷が最年長のオーダー。東出コーチが言う。「丸に安部。松山にしても志願して、秋季キャンプに参加した。最後は苦しんできたヤツらが勝つ」。歩みは力強さを増した。

 秋季キャンプでは1日2000スイングが日課。実戦練習を取り入れ、接戦で1点を取る攻撃を徹底した。また、迎コーチ補佐は打撃ケージ横から新井、石原らの日々の変化も細かくチェック。的確に助言を送った。それぞれが選手に寄り添い、猛練習を支え、戦い方を明確にした。緒方監督が目指したのは伝統野球の復活。猛練習に3人の頭脳で質を加えた。選手は耐え抜き、はい上がってきた。


◇【広島V検証】高ヘッドコーチの豊富な経験が快進撃呼んだ デイリースポーツ 9月14日 11時0分配信

 「常勝鯉の幕開け 25年ぶりV検証(中)」

 緒方監督は常々「チーム一丸」という言葉を強調してきた。同じ目標に向かって歩みを進める-。もちろん、その言葉はコーチ陣にも当てはまる。1軍スタッフをまとめたのが、高ヘッドコーチだった。

 緒方体制2年目の今季から重責を担う。就任当初から気にかけたのが「コーチ陣の一体感」だった。2軍監督を務めていた昨季、1軍の現場にはいなかったものの「コーチ間で意思疎通が欠けていた」と振り返る。選手に一丸を求めるなら「コーチもまとまらないと」。強い使命感があった。

 “中間管理職”を買って出た。監督とコーチ陣の間に入り、それぞれの意見を聞いた。「監督や他のコーチに言いたいことがあれば、どんどん言って来てくれと伝えた。やりやすい環境を整えるのもヘッドの仕事」。東出打撃コーチが、選手の入れ替えについて相談したことがある。風通しをよくしたことで、結束力が失われることはなかった。

 屋外球場を本拠地としながら、選手は夏バテ知らずだった。コンディションを維持できたのも、高ヘッドコーチの功績だ。5月の段階で、指揮官に試合がない日の野手練習なしを提案した。「監督もスケジュールを任せてくれた。僕たちが現役のときと、今では気温が全く違う。積極的休養と言うかね。休みにして、選手それぞれが必要だと思うことをすればいい。柔軟にね。勝負は夏場の8、9月なんだから」

 以前、他球団に移籍した選手が、ポツリともらしたことがある。「夏場にずっと外で練習していると、どうしてもバテてしまう。ドーム球場でプレーするようになってから、夏場を迎えたときの疲れ方が全く違うんです」。わずか1日の休養日。それでも、小さな積み重ねが好結果として表れた。7月は13勝8敗、8月も17勝8敗と、着実に白星を増やした。「大きな故障者が出なかったし、夏場に失速しなかった。狙い通りになった」と高ヘッドコーチ。長期的なビジョンが、ずばりとはまった。

 試合中は、緒方監督の横でサインを送る。指揮官の腹心として、その役割を果たした。2軍監督や1軍でもさまざまな部門を担当してきた。豊富な経験がチームの快進撃を支えた。


◇【広島V検証】緒方野球の信念にある3人の恩師の教え デイリースポーツ 9月15日 11時0分配信

 「常勝鯉の幕開け 25年ぶりV検証(下)」

 優勝後のビールかけは、小窪選手会長の発声から始まった。「まさかじゃない!」と叫ぶと、選手らが「見たか!!」-と返して一斉にスタート。25年間、辛酸をなめ続けた男たちの思いが凝縮された言葉だった。広島に来て29年。カープ苦難の歴史は、緒方監督のプロ野球人生と重なる。

 「人生を導いてくれた3人」。指揮官が感謝を口にするのは、鳥栖高の平野國隆元監督、村上孝雄(旧姓・宮川)元広島スカウト、広島の三村敏之元監督だ。恩師は3人とも既に他界した。とりわけ緒方野球のルーツとなったのは、高校時代の3年間だったという。

 中学3年の時、平野監督率いる鳥栖高が甲子園に出場。実家近くにある高校の快進撃に、緒方少年は進学先を決めた。文武両道で偏差値も高かったが「鳥栖高に入りたいから、塾に行きたい」と猛勉強。努力のかいあって入学した。高校野球のレベルの高さに驚きながら、そこからは野球漬けの毎日だった。

 鳥栖高は強打のイメージが強いが、在籍時は守りのチームだった。当時は二塁手。守備範囲の広さから、菊池より先に佐賀球場で「芝の上で守っているヤツがいるぞ」と話題になった。「孝市を全国の舞台で見てもらいたい」-。今も年に一度は集まる同級生は、そんな思いで戦っていた。平野監督も徹底して野球を教え込んだ。

 いかに無安打で点を取るか、緻密な野球を徹底。重盗、バスターエンドラン…。今季、広島で多く見られた攻撃だった。「孝市は足も速かったので、盗塁失敗は見たことがない」とは当時、副主将を務めた高木健さん(佐賀県三田川中教諭)。今季、指揮官が掲げたのは伝統復活。走攻守で魅せる野球の根底だ。

 「たった一人しかない自分を、たった一度しかない人生を、本当に生かさなかったら、人間生まれてきたかいがないじゃないか」

 プロ入りが決まった18歳の冬、卒業文集の寄せ書きに書いた。感銘を受けた作家・山本有三の「路傍の石」にある一節。横に「オレは輝くぞ」-と添えた。平野監督に育まれ、村上スカウトに見いだされ、三村監督に導かれた。指揮官として采配する信念に、3人の思いが凝縮されている。輝くぞ-と誓って29年。花開いた。超満員の球場で7度、高々と宙に舞った。=終わり


☆3人の打撃コーチに、高ヘッドコーチ、そして3人の恩師。デイリーさん独自の切り口で、なかなか面白かったですな。


☆K.Oがまず注目したのが、高ヘッドコーチの、体調管理。最近は夏が本当に暑いですから、これまでの常識は、もう通用しない。春先までに体を作ったら、シーズンに入ってからは、いかに疲労を蓄積しないか。そしてシーズン終盤に、いかに力を発揮するか。畝コーチもそうですが、そういう選手のマネージメントが、本当に見事だったと思います。


☆もう1つは、緒方監督の野球観。鳥栖高の野球はまさにカープの野球、広島野球で、若手が多く、野村監督の時代からちょうど世代交代期だった分、緒方監督の思うようなチーム作りができたんだと思います。


☆3人の打撃コーチの話は、「K.Oのカープ・ブログ。」でも再三取り上げ、特に目新しい話はないのですが(笑)、この3人のコーチ、タクローコーチを中心に、それぞれの役割が明確なこと、また報道を見る限り、東出コーチも迎コーチも言いたいことは言っているようで、高ヘッドコーチも言うように、今年は首脳陣全体で、コミュニケーションがしっかり取れている印象を受けます。


☆昨年、チャンスに弱かった打線の改革に、「チャンスに強い打線」を目指すのではなく、まずはアウトの質を高める、というところから入ったのも、特筆に値します。できることをしっかりやろう、というところから始まり、小さなことを疎かにしないことから、全体が徐々に改善される。その結果、選手も「チャンスに打たなければ」とガチガチになるのではなく、「できることをしっかりやればいいんだ」と精神的に余裕が生まれ、結果、チャンスに力を発揮できるようにもなる。今年、いつの間にか勝ってた、という試合が多かったのは、目立たないけれども、チームとしてやることができていたからこそ、結果的に終わってみれば勝ってた、という戦い方ができたんだと思います。


☆3人の若い打撃コーチに、ベテランの高ヘッドコーチ、そして緒方監督。首脳陣も、バランスが良かったんじゃないでしょうか。




◇9月27日(火)の予告先発投手

○読売ジャイアンツ
M.マイコラス
13試合4勝2敗 防御率2.56 WHIP1.17
対D 2試合1勝1敗 防御率1.08 WHIP0.78
 VS (東京ドーム 18:00)
○中日ドラゴンズ
小熊 凌祐
13試合5勝2敗 防御率2.96 WHIP1.36
対G 1試合1勝0敗 防御率1.35 WHIP1.35

○阪神タイガース
青柳 晃洋
12試合4勝5敗 防御率3.48 WHIP1.19
対S 2試合1勝1敗 防御率5.73 WHIP1.09
 VS (甲子園 18:00)
○東京ヤクルトスワローズ
山中 浩史
21試合6勝12敗 防御率3.57 WHIP1.13
対T 5試合3勝1敗 防御率1.25 WHIP0.86


☆パ・リーグは、日本ハムが、マジック1。いやいや、何が起こるか、分かりません。


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source : K.Oのカープ・ブログ。