▽10月22日(土)広島 vs. 日本ハム 1回戦(マツダ)
広島が日本シリーズ初戦を制した。広島は1-0で迎えた4回裏、松山とエルドレッドのソロで2点を追加する。7回には、丸の適時打とエルドレッドの犠飛で、リードを広げた。投げては、先発・ジョンソンが7回途中1失点の粘投。敗れた日本ハムは相手を上回る10安打を放つも、決定打を欠いた。
勝 ジョンソン 1勝0敗0S
敗 大谷 0勝1敗0S
本塁打 松山1号 エルドレッド1号 レアード1号
【F】大谷、石井、バース、鍵谷
【C】ジョンソン(6回2/3自1)、今村(1/3回自0)、ジャクソン(1回自0)、中崎(1回自0)
◇2回裏 石原三振、1塁ランナー安部盗塁の間に3塁ランナー鈴木がディレイドスチールで先制のホームイン 広1-0日
◇4回裏 松山 右中間スタンドへホームラン 広2-0日
エルドレッド バックスクリーンへホームラン 広3-0日
◇7回裏 丸 ライト前タイムリーヒット 広4-1日
エルドレッド ライトへ犠牲フライ 広5-1日
▽10月23日(日)広島 vs. 日本ハム 2回戦(マツダ)
広島は2回裏、小窪の適時二塁打で先制する。その後同点とされて迎えた6回には、菊池の適時打、エルドレッドの2試合連続となるソロなどで4点を勝ち越した。投げては、先発・野村が6回1失点の好投。その後は、今村、ジャクソンとつなぎ、最後は中崎が締めた。敗れた日本ハムは、投打ともに振るわなかった。
勝 野村 1勝0敗0S
敗 増井 0勝1敗0S
本塁打 エルドレッド2号
【F】増井、鍵谷、井口、メンドーサ
【C】野村(6回自0)、今村(1回自0)、ジャクソン(1回自0)、中崎(1回自0)
◇2回裏 小窪 センターへ先制タイムリーツーベース 広1-0日
◇6回裏 菊池 レフト前勝ち越しタイムリーヒット 広2-1日
丸 バントするもピッチャー増井悪送球、2塁ランナー菊池ホームイン 広3-1日
鈴木 センターへ犠牲フライ 広4-1日
エルドレッド レフトスタンドへホームラン 広5-1日
▽10月25日(火)日本ハム vs. 広島 3回戦(札幌ドーム)
日本ハムが2016年日本シリーズ初勝利。日本ハムは1点を追う8回裏、中田の2点適時打で逆転に成功する。その後同点を許すも、延長10回に2死二塁の好機から大谷が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。敗れた広島は、打線が粘りを見せるも及ばず。なお、今季限りでの引退を表明している黒田は、6回途中1失点と先発の役割を果たした。
勝 バース 1勝0敗0S
敗 大瀬良 0勝1敗0S
本塁打 エルドレッド3号②
【C】黒田(5回2/3自1)、ヘーゲンズ(1/3回自0)、今村(1回自0)、ジャクソン(1回自2)、大瀬良(1回2/3自1)
【F】有原、宮西、谷元、バース
◇2回表 エルドレッド ライトスタンドへ逆転2ランホームラン 日1-2広
◇9回表 安部 ライト前同点タイムリーヒット 日3-3広
▽10月26日(水)日本ハム vs. 広島 4回戦(札幌ドーム)
日本ハムが対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。日本ハムは1点ビハインドの6回裏、主砲・中田のソロで同点とする。そのまま迎えた8回には、レアードの2ランで勝ち越しに成功した。投げては先発・高梨が5回1失点。その後は3投手が無失点に抑えた。敗れた広島は、打線が2回以降毎回走者を出すも、11残塁と拙攻が響いた。
勝 谷元 1勝0敗0S
敗 ジャクソン 0勝1敗0S
S 宮西 0勝0敗1S
本塁打 中田1号 レアード2号②
【C】岡田(6回自1)、今村(1回自0)、ジャクソン(1回自2)
【F】高梨、バース、谷元、宮西
◇4回表 エルドレッド ライト近藤落球、1塁ランナー先制のホームイン 日0-1広
▽10月27日(木)日本ハム vs. 広島 5回戦(札幌ドーム)
日本ハムが劇的なサヨナラ勝ちで日本シリーズ制覇に王手をかけた。日本ハムは1点を追う7回裏、岡の犠飛で同点とする。そのまま迎えた9回には2死満塁の好機をつくると、西川のグランドスラムが飛び出し試合を決めた。敗れた広島は、先発・ジョンソンが6回無失点の好投を披露するも、打線が2回以降4安打無得点と振るわなかった。
勝 バース 2勝0敗0S
敗 中崎 0勝1敗0S
本塁打 西川1号④
【C】ジョンソン(6回自0)、今村(1回自1)、ジャクソン(1回自0)、中崎(2/3回自4)
【F】加藤、メンドーサ、谷元、バース
◇1回表 鈴木 センター前先制タイムリーヒット 日0-1広
▽10月29日(土)広島 vs. 日本ハム 6回戦(マツダ)
日本ハムが2006年以来となる日本シリーズ制覇。日本ハムは4-4で迎えた8回表、2死から3連打で満塁とすると、中田の押し出し四球で勝ち越し。続く好機にバースの適時打とレアードのグランドスラムが飛び出し、試合を決めた。敗れた広島は代打・下水流の適時打で一時は追いつくも、4番手・ジャクソンが崩れ、32年ぶりの日本一はならなかった。なお、MVPには日本ハム・レアードが選ばれた。
勝 バース 3勝0敗0S
敗 ジャクソン 0勝2敗0S
本塁打 丸1号 レアード3号④
【F】増井、鍵谷、石井、井口、バース、谷元
【C】野村(4回自1)、ヘーゲンズ(2回自0)、今村(1回自0)、ジャクソン(2/3回自6)、大瀬良(1回1/3自0)
◇2回裏 増井ワイルドピッチ、3塁ランナー同点のホームイン 広1-1日
石原 サードゴロをレアード後逸、3塁ランナー勝ち越しのホームイン 広2-1日
◇5回裏 丸 右中間スタンドへホームラン 広3-4日
◇6回裏 下水流 ショートへ同点タイムリー内野安打 広4-4日
☆1・2戦はズムスタでカープが投打ともにがっちり噛み合い、快勝。3戦は大瀬良くん、4戦はジャクソン、5戦は中崎くんとことごとくリリーフが打たれ、3連敗。そしてズムスタに戻った第6戦は、ジャクソンが打たれ敗戦。
◇表彰選手
【優勝チーム賞】
北海道日本ハムファイターズ
・日本野球機構 ペナント、チャンピオンフラッグ、優勝記念品代、内閣総理大臣杯
・日本テレビ トロフィー、賞金50万円
・テレビ朝日 トロフィー、賞金50万円
・TBS トロフィー、賞金50万円
・テレビ東京 トロフィー、賞金50万円
・フジテレビ 優勝盾、賞金50万円
【最高殊勲選手賞】 (1名)
B.レアード(北海道日本ハムファイターズ)
・日本野球機構 トロフィー
・NPBパートナー 株式会社三井住友銀行 賞金100万円
・NPBパートナー 株式会社コナミデジタルエンタテインメント 賞金100万円
・NPBパートナー 大正製薬株式会社 賞金100万円
・NPBパートナー 日本生命保険相互会社 賞金100万円
・NPBパートナー マツダ株式会社 賞金100万円
・NPBパートナー 株式会社ローソン 賞金100万円
【優秀選手賞】 (3名)
A.バース(北海道日本ハムファイターズ)
西川 遥輝(北海道日本ハムファイターズ)
中田 翔(北海道日本ハムファイターズ)
・日本野球機構 トロフィー
・J SPORTS 賞金各10万円
・ニッポン放送 賞金各10万円
・文化放送 賞金各10万円
・株式会社ベースボール・マガジン社 賞金各10万円
・御幸毛織グループ 高級オーダースーツ(各30万円相当)
【敢闘選手賞】 (1名)
B.エルドレッド(広島東洋カープ)
・日本野球機構 トロフィー
・J SPORTS 賞金25万円
・ミズノ株式会社 商品券30万円
・株式会社ベースボール・マガジン社 シャープ 60型4K液晶テレビ AQUOS LC-60US40(30万円相当)
・JA夢みなみ 白河産 無農薬米 「ひとめぼれ」、季節の野菜・果物詰合せ 「四季の味」 一年分(25万円相当)
【SMBCデビットホームラン賞】
▽松山 竜平 広島東洋カープ 1号 [第1戦] 4回裏・ソロ
▽B.エルドレッド 広島東洋カープ 1号 [第1戦] 4回裏・ソロ
▽B.レアード 北海道日本ハムファイターズ 1号 [第1戦] 7回表・ソロ
▽B.エルドレッド 広島東洋カープ 2号 [第2戦] 6回裏・ソロ
▽B.エルドレッド 広島東洋カープ 3号 [第3戦] 2回表・2ラン
▽中田 翔 北海道日本ハムファイターズ 1号 [第4戦] 6回裏・ソロ
▽B.レアード 北海道日本ハムファイターズ 2号 [第4戦] 8回裏・2ラン
▽西川 遥輝 北海道日本ハムファイターズ 1号 [第5戦] 9回裏・満塁
▽丸 佳浩 広島東洋カープ 1号 [第6戦] 5回裏・ソロ
▽B.レアード 北海道日本ハムファイターズ 3号 [第6戦] 8回表・満塁
・株式会社三井住友銀行 賞金 3万円
☆MVPって、600万ももらえんの!?
☆お次は、カープの個人成績。
◇2016年度 広島東洋カープ
個人打撃成績(日本シリーズ)
試 打 安 本 点 打率
會澤 2 2 0 0 0 .000
赤松 5 1 0 0 0 .000
安部 5 12 4 0 1 .333
新井 5 12 2 0 0 .167
石原 6 16 0 0 0 .000
エルドレッド
6 22 7 3 5 .318
菊池 6 24 7 0 1 .292
小窪 4 7 1 0 1 .143
下水流 4 6 2 0 1 .333
鈴木 6 18 4 0 2 .222
田中 6 25 4 0 0 .160
西川 2 2 1 0 0 .500
野間 2 0 0 0 0 .000
松山 5 15 3 1 1 .200
丸 6 21 7 1 2 .333
計 6 183 42 5 14 .230
◇2016年度 広島東洋カープ
個人投手成績(日本シリーズ)
試 勝 敗 S 回 安 三 自 防御
今村 6 0 0 0 51/3 1 6 1 1.69
大瀬良 2 0 1 0 3 1 4 1 3.00
岡田 1 0 0 0 6 4 6 1 1.50
黒田 1 0 0 0 52/3 4 1 1 1.59
ジャクソン
6 0 2 0 52/3 8 6 10 15.88
ジョンソン
2 1 0 0 122/3 13 8 1 0.71
中﨑 3 0 1 0 22/3 4 4 4 13.50
野村 2 1 0 0 10 9 11 1 0.90
ヘーゲンズ
2 0 0 0 21/3 0 2 0 0.00
計 6 2 4 0 531/3 44 48 20 3.38
☆ま、中継ぎに差が出ましたわな。
◇カープ勝利の方程式が崩れた日本シリーズ。今村とジャクソン、60年ぶりの記録が意味する来季への宿題 ベースボールチャンネル 10/30(日) 11:00配信
◆6試合で3度リリーフ失敗
2016年の「カープ旋風」は屈辱の形で幕引きを迎えた。
10月29日にマツダスタジアムで行われた日本シリーズ第6戦で広島は日本ハムに4-10で大敗。2連勝から4連敗を喫し、32年ぶりの日本一は夢と消えた。
中盤の6回に2点差を追い付き、4-4としたものの8回に一挙6得点のビッグイニングを作られて涙を飲んだ。
広島にとっては、来季に向けて課題が残った日本シリーズとも言えるのではないか。
この日の8回に6失点を喫したのは、チームの不動のセットアッパーのジャクソン。
8回2死から3連打を浴びて全ての塁を埋めてしまうと、続く中田は押し出しの四球。さらに相手中継ぎ投手のバースにまで中前適時打を許し、最後はレアードのグランドスラムによって試合を決められた。
2死満塁で中田翔に押し出し四球を与えて勝ち越された時、ジャクソンの交代を検討すべきではなかっただろうか。同点で迎えた試合終盤においてもう1点たりとも与えられない状況の中、「勝利の方程式」にこだわりすぎたように映った。
日本シリーズでジャクソンのリリーフ失敗はこの第6戦で3度目。連戦による蓄積疲労だろうか、明らかに不調だった。シーズン同様に8回の男・ジャクソンをベンチが信頼したのだろうが、動かなかったことが完全に裏目に出てしまった。
おそらく「それを結果論だ」と指摘する人もいるだろう。だが、このジャクソン、そして今村を起用しすぎだった点は否めない。
◆33年ぶりの日本一へのリスタート
レギュラーシーズンでもフル回転したことに加え、日本シリーズでも両者は初戦から全戦、6試合連続登板だった。
実に1956年の稲尾和久氏(元西鉄ライオンズ)以来、60年ぶりの記録となった。
しかし常識的に「登板過多」が懸念材料となった現代野球において、いくら短期決戦とはいえ、60年も前の連続試合登板記録に2人の投手が一気に並んでしまうことはどうしても違和感がある。
当然ながらブルペンには、勝利の方程式の3人と大瀬良以外にも投手が待機していた。
一方、栗山監督が「うちは中継ぎのチーム、と話していた」日本ハムは、クロ―ザーのマーティンと、最後は大谷翔平を欠きながらも、先発から小刻みに継投で勝利へつないだ。今シリーズを通して完璧とは言えないが、ブルペン待機の投手を惜しみなくつぎ込んだ。
期待された日本シリーズは不完全燃焼で終わり、やや後味の悪い終戦を迎えてしまったカープ。
もちろんセリーグを制した過程が色あせることはないが、来季こそは33年ぶりの日本一を――2017年に残された『宿題』を鯉党のためにも必ずや解いてほしい。
臼北信行
☆ま、実はジャクソンは第5戦が一番調子が良く、155㎞を出してます。第6戦もランナーを出すまでは150㎞近くを投げていたので、単純に酷使が原因、とは考えにくい。ただ、セットアッパー・抑えというのは大変なポジションであり、毎試合一定のパフォーマンスを維持するのは難しい。日本ハムではバースが5試合に投げてる訳ですが、第3戦1イニング、第4戦・第5戦は2イニングと、3連投で回跨ぎを2回。そして第6戦も、2イニング。それで無失点ですから、これは影のMVP、と言われる訳です。
☆攻撃面では、こんな話が。
◇“仕掛けずバント”の広島は怖くない。崖っぷちの今こそ赤ヘル野球を貫け。 Number Web 10/28(金) 13:31配信
「自分たちの野球」という言葉を、監督からも選手たちからもよく聞く。
シリーズ第5戦は日本ハム・西川遥輝の劇的サヨナラ満塁本塁打で決着。連敗スタートの日本ハムが本拠地で3連勝して、シリーズに王手をかけた。
一方、後がなくなった広島は再び地元に戻って赤に染まったスタジアムでの巻き返しを狙うことになるが、そこでもう一度、思い出して欲しいのが冒頭の「自分たちの野球」という言葉である。
今季の広島は強かった。
何が強さの秘密だったかといえば、そのベースにあったのは、単なる組織力ではなかったはずだ。投打に才能溢れる個の力をベンチが束ね、それを前面に押し出した攻撃的野球だったはずである。特に打線はシーズンを通して貫かれていたのがタナキクマルに“神っている”鈴木誠也らを軸に、エンドランや機動力を多用して、どんどん仕掛けていく積極的な野球だったはずだ。
ところがクライマックスシリーズ(CS)から日本シリーズと、緒方孝市監督のタクトから、その積極野球が影を潜めてしまっているように見えるのだ。
◆「奪う場面」で代打・松山竜平を使わず。
1つのサンプルが第5戦の同点で迎えた9回の攻撃である。
先頭の新井貴浩が右前安打で出塁すると、緒方監督はすかさず代走に足のスペシャリスト・赤松真人を送る。続く小窪哲也が送りバントを決めて1点を取りにいく形を作った。ここまではいつも通りだ。
ベンチには代打の切り札である松山竜平がいた。だがこのいつもなら積極的に代打攻勢をかけていたはずの場面で、緒方監督は動かなかった。
8番の下水流昂にそのまま打たせて中飛。そしてこのシリーズ無安打の9番・石原慶幸もそのまま打席に立たせると空振り三振に倒れて、せっかく作った「奪う場面」でその1点を奪えなかったのである。
◆先頭打者が出た13回中、7回バントを選択している。
「(9回裏に)中崎をいかせることは決めていたし、長いイニングも考えていた。リードするところ(リード面を考えて)で、石原にそのままいってもらった。石原も全然打てないとは思っていない」(緒方監督)
要は守りを考えてのベンチワークだったのだ。ただ、点を取らなければ勝てない場面だった。1点をもぎ取るために走者を得点圏に進めながら、中途半端に守りに足をかけながらの采配は、シーズン中と違ってあまりに消極的ではなかったか。結果的には、ここで1点を奪いきれなかったことが、その裏のサヨナラ負けに繋がったともいえるわけだ。
実は今シリーズのここまで5試合で、広島は13回先頭打者が出塁している。そのうち第3戦の9回無死三塁以外、送りバントが選択肢になる12回のケースで犠打のサインが出たのは7度で成功は4回だった。
確実に送る野球はもちろん必要だが、今季の広島はここでエンドランや盗塁と仕掛けて勝ってきたチームである。
◆ホームスチールで大谷から点を奪った初戦を思い出せ。
「もう少し機動力を使った攻撃をしたかったですが、やっぱり短期決戦は1点、1点かなと思った」
こう語っていたのは、CSのときの緒方監督だった。序盤に送らなかったCSの第3戦で唯一の黒星を喫したのがトラウマになったのか、それ以降は日本シリーズでも手堅い作戦、送りバントを多用するケースが目立っている。
ただ、そういう「よそ行きの野球」に選手が戸惑い、それがチームのリズムを壊しているようにも映るのだ。
思い出して欲しい。
初戦は2回1死一、三塁からセーフティースクイズで揺さぶり、最後はダブルスチールを仕掛けた本盗で大谷翔平から先取点を奪った。第2戦も同点の6回無死二塁からバントのサインが出ていたにもかかわらず、菊池涼介が自分の判断でバスターに切り替えて勝ち越し点をもぎ取っている。
これが今季の赤ヘル野球なはずだ。
◆本拠地の応援を背に、いつもの赤ヘル野球を。
逆に第4戦では、シーズンで3度しか送りバントをしたことのない鈴木にバントのサインを出したが見落とすなど、普段と違う野球が選手を混乱させているようにも見えるのだ。
もちろん短期決戦は守りの勝負。攻撃も1点、1点、手堅く追加点を奪っていくというのが定石かもしれない。ただ、その定石にとらわれ過ぎて「自分たちの野球」を見失っては、これもまた決して日本一は手が届かないのではないだろうか。
「地元に帰ってもう1回ね。再度踏ん張らないとね。もう1回勝って繋げていかないと。その気持ちで……」
土俵際に追い込まれた指揮官は、こうマツダスタジアムでの反撃を誓った。
そこにはいつも通りの熱狂的な応援がある。だからこそそこでは再び、いつも通りの赤ヘル野球が見たい。
(「プロ野球亭日乗」鷲田康 = 文)
☆実はこれもですね、日本ハムの方がバントは多い訳です(カープ7、日本ハム9)。短期決戦でスコアリングポジションにランナーを置くことを重要視するのは、セオリー通り。ただ、日本ハムは打線がつながったけど、カープはつながらなかった。スコアリングポジションにランナーを置いた状況で、相手にプレッシャーをかけるような攻撃ができなかった、ということ。
☆問題はやはりバントがどうこうということではなく、1・2戦でできたような自分たちの野球が、3戦目以降できなかった、ということ。リリーフ陣にしてもシーズン中、僅差や同点の場面でことごとく抑えてきた、という訳ではなく、むしろセーフティーリードを保って、自分たちのペースを作っておいてそのまま勝ち切る、という野球でした。それはペナントレース自体も、同じ流れ。追い込まれた時に底力を発揮する、という程の強さはまだないので、追い込まれないよう、常に自分たちを優位な状況に置いておく、という野球でした。
☆「まずひとつ取る」という、ほとんど合い言葉のようになっていた言葉も、できるだけプレッシャーのかからない状況で戦う、という意味合いでした。
☆2位巨人が一時4.5ゲーム差まで迫ったものの、その後失速してぶっちぎりでカープが優勝したセ・リーグと、激闘の末、ソフトバンクを日本ハムがうっちゃったパ・リーグ。逞しさ、という点では、日本ハムに一日の長があったのかも知れません。
◇日本S全6戦先発マスクの広島・石原、日本一を逃し「悔しい」 サンスポ 2016.10.31 05:01
広島の正捕手・石原は30日、ロッカーの荷物を片付けた。日本一を逃し、「リーグ優勝できたけど悔しいです。最後は負けてしまったので」と正直に明かした。日本シリーズでは全6試合にスタメンし、投手陣を必死のリードで支えたものの、打席では16打数無安打3四球。37歳のベテランは悔しさも人一倍だった。(マツダ)
◇“男気継承”だ!広島・菊池、チームのまとめ役に名乗り「自分が引っ張る」 サンスポ 2016.10.31 05:01
広島は30日、日本シリーズ敗退から一夜明けて、球場駐車場に設営されていたビールかけ会場も、約3時間かけて撤去された。一方、荷物整理に訪れた菊池は、チームのまとめ役に名乗りを上げた。「(シーズン中)黒田さんから『お前たちが頑張っていけよ』と言われていた。来季はプロ6年目の中堅の立場。自分が引っ張っていかないといけない」。“男気継承”でさらなる飛躍を目指す。
☆そして、第6戦の、試合後。
◇これが広島!日本S敗戦後、深夜の打ち込み/コラム 日刊スポーツ 10/31(月) 7:38配信
日本シリーズの取材を終え帰京した。日本ハムが日本一を決めた第6戦の29日は、日をまたぐ直前の午後11時50分ころ原稿を終え、マツダスタジアムを離れた。
関係者入り口のすぐ左に、緑のシートで覆われた一角がある。そこから一定間隔で、フルスイングの打球音が響いてくる。2勝4敗で選手権を逃したカープの選手たちが、打ち込みをしていた。シートに耳を当てているカープ女子。隙間からのぞく少年。夢の時間が終わってもう、練習をしている。広島らしい光景があった。
普段は東日本を拠点に取材している。CSからマツダスタジアムを訪れる機会が多かったが、このチームが醸造してきた独特の文化に驚いた。新井貴浩内野手(39)に聞いてみた。
新井を取材するのは初めてだったが、彼は非常に礼儀正しく、人間性がプレーに反映されているのだとすぐに分かった。
-カープの選手、朝の球場入りが早くないですか?
言われてみれば確かに、早いかも知れません。昼前には全員、球場にいます。みんな、それぞれの練習をしています。主力の丸や菊池でも、朝10時ころには汗だくでマシン打撃をしてますよ。疑問に思ったことはないですね。若い頃から当たり前、カープの伝統です。1日の中で、野球に向き合っている時間が、他のチームよりも長いんじゃないかと。僕はいいと思いますね。
-車で通勤している選手がいないんですけど…
シーズン中にハンドルを握る機会はないですね。マイカーは使わないんです。オフは家族を乗せたりしますけど。移動は公共交通機関か、あとはタクシーチケットっていうんですか? 今、あまり使っている方って、いないと思うんですけど。どうして…昔からです。これも、朝早いのと一緒で、疑問に感じたことはないですねぇ。危ないからじゃないですか。別に不便を感じることもないです。選手から不満が出ることもないですよ。
高級車を吹かして球場入りする。プロ野球選手のステータスを象徴する絵は広島に存在しない。ナイターが長引いた翌朝も「早く来るのは変わらない」と新井は言い、逆にキョトンとしている。自分たちにとって当たり前の事に、なぜ興味を示しているのだろう。そんな顔をしていた。固定観念は害だ。
野球だけに没頭する毎日が力を蓄える。だから生え抜きの選手が絶えず芽吹いて、花開くのだろう。“カープの法則”にのっとり、あと2勝分の努力を上積みさせるために、もうバットを振り込んでいたのだろう。来季も強そうだ。
☆誠也くんが打っていたのは、テレビでも報道されてました。我々ファン以上に、そりゃあ選手は悔しいでしょう。打たずにはいられなかったのかも知れません。
☆で、日本シリーズも終わり、この結果を踏まえ、来季に向け、どうやっていくのか。今年の結果を顧みるまでもなく、春のキャンプまでが勝負なのは明らか。また知恵を絞って、どうやったら勝てるのか、そのためには何をすべきなのか。選手・監督・コーチ・スタッフが一丸となって、また新たにチームを作っていって下さい。
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source : K.Oのカープ・ブログ。