2017年1月30日月曜日

最近のカープ、あれこれ~'17.1.29、侍入り・緩い球・なぜか筒香(笑)。


☆さて、侍入りが決まった、田中くん。


◇小久保監督「急で悪いが田中よ頼む」 ラストサムライに広島・田中で全28選手決定 スポーツ報知 1/29(日) 6:06配信

 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表は28日、広島の田中広輔内野手(27)を追加メンバーとして正式発表した。これで侍ジャパン全28選手が出そろった。

 ラスト侍は、リーグ王者のリードオフマンに決まった。24日に8選手が追加発表されたが、まだ1枠残されていた。発表直前になって中島(日本ハム)がコンディション不良で辞退し、主に遊撃を守ることができる内野のバックアッパーとしての選出となった。

 田中はこの日、マツダスタジアムでの練習後に取材に応じ、「光栄です。与えられたポジションでしっかりと仕事をしたい」と意気込んだ。小久保監督からは前日(27日)に電話で「急で悪いけど、よろしく頼む」と連絡を受けたという。小久保ジャパンは初参加となるが、社会人のJR東日本時代には13年東アジア大会(中国)など国際大会を経験。「楽しみですが、野球をやるのは一緒。気負わずにやりたい」と冷静だった。

 広島からは菊池、鈴木に続く3人目の選出。「僕にとっては心強い。早く溶け込めると思います」。この日は鈴木とWBC球でのキャッチボールも行った。内野の全ポジションの経験に加え、昨季リーグ2位の28盗塁をマークした足も大きな武器になる。


☆中島の代役の今宮の代役ですが(笑)、今回はバックアップ役になると思うので、守備・走塁で特に頑張ってほしいですね。レベルアップして帰ってきて下さい。


☆その、田中くんとは、こんな人。


◇ラストサムライは菅野の同級生、負けん気が強い苦労人…広島・田中という男 スポーツ報知 1/29(日) 6:07配信

 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表は28日、広島の田中広輔内野手(27)を追加メンバーとして正式発表した。

 プロ3年目の昨季、田中はセ・リーグでは唯一のフルイニング出場を果たし、CS最終Sでは12打数10安打と大暴れ。乗ると手がつけられない。

 アマ時代からよく知られた存在だった。東海大相模高から東海大と、経歴も球界のエリートそのもの。順風満帆な野球人生を送ってきたかに思われるが、実は苦労人でもある。

 大学時代には同級生の菅野(巨人)が大学ジャパン代表候補の合宿に参加する傍らで、田中は東海大の一学生として球拾いを務めたこともあった。プロ志望だったが、大学4年の春に不振に陥り、指名漏れの悔しさも味わっている。

 チーム屈指のイケメンでカープ女子からの支持も厚いが、顔に似合わず?負けん気の強さも人一倍。菅野に対して「球界でNO1の投手だと思うけど、負けたくない気持ちはもちろんある」ときっぱり。言葉通り、昨季は2本塁打を放った。物おじしない性格も国際大会向きだ。(広島担当・角野 敬介)


☆あら、フルイニング出場は、セ・リーグ唯一だったのね。


☆ま、多少波のある田中くんですが、大きいのも何気に打てるし、反応で打つタイプなので、スランプに入ると、ちょっと抜け出すのに苦労します。今年はその辺が課題ですかね。


☆で、田中くんの侍入りを、この人も歓迎。


◇鈴木誠也 田中侍入りに「心強い」菊池含む鯉戦士3人で世界一勝ち取る デイリースポーツ 2017.1.29

 3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表「侍ジャパン」は28日、広島・田中広輔内野手(27)を追加メンバーとして発表。全28選手が出そろった。すでに代表入りが決まっていた広島・鈴木誠也外野手(22)は「心強いです」と先輩の加入を喜んだ。菊池、田中、鈴木の広島勢3人が世界一奪還の力となる。

 日の丸を背負って戦う「28人の侍」が出そろった。鈴木はチームメートの田中が追加招集されたことを受け「先輩方が近くにいるのは安心感もありますが、心強い。うれしいです」と率直な思いを口にした。

 菊池、鈴木、田中が選出された広島。代表入り選手の数は、12球団最多となる日本ハムの5人に次いで、巨人、ソフトバンク、楽天に並ぶ3人となった。

 鈴木は26日まで行っていたソフトバンク・内川との合同自主トレを打ち上げ、マツダスタジアムでの自主トレを再開。2年連続で参加した合同トレでは多くを学んだ。

 「シーズン中の(打撃の)波の対処法など、昨年と体も考え方も変わってますし、また新しい引き出しを見つけにいきたいと思っていたので、いろいろ聞いたりしました。打撃に関しては、いろいろ変えながら、ゼロに崩してからやっていた。感覚的なことなので、説明するのは難しいです」

 昨季は、内川への弟子入りがきっかけとなり、打率・335、29本塁打、95打点と大きく飛躍した。新たに得た知識を存分に発揮し、WBCだけでなく、シーズンでも存在感を見せつけてチームを勢いづかせる。

 マツダスタジアムに隣接する室内練習場で行った自主トレでは、田中とWBC公認球でキャッチボールや打撃練習などを行い、決戦に向けて調整した。他の選手が引き揚げても、鈴木は一人残って打撃マシンと対峙(たいじ)。遅い山なりのボールを約1時間、黙々と打ち込んだ。

 「間を取ったり、タイミングを取ったりするのが下手なので。しっかり間を取って、タイミングを取って打つということを大事にしている。速い球というのは感覚なので、目さえ慣れれば対応できる」

 2月1日から始まる春季キャンプ。昨年はキャンプ中に右太もも裏を痛めて離脱。大きく出遅れ、開幕に間に合わなかった。「けがもないですし、全然問題ない。順調にきています」と手応えを口にした鈴木。一丸野球で昨季セ界制覇した広島の三人衆が侍の力となり、世界制覇を目指す。


☆誠也くんの技術の高さは、他のブロガーの方、何なら他球団のファンのブログでも認められているところ。今回のWBCで主力級の働きができれば、シーズンでの活躍もさらに期待できます。


☆その、誠也くん。


◇誠也 いきなり居残り特打「緩い球を打つ方が難しい」 スポニチアネックス 1/29(日) 7:00配信

 広島の鈴木が、マツダスタジアムでの合同自主トレに合流し、いきなり60分間の居残り特打を敢行した。

 26日まで宮崎でソフトバンク・内川と自主トレを行い、打撃理論を吸収。「緩い球を打つ方が難しい。タイミングを取るのが、僕は下手なので」と、山なりのスローボールに上体が突っ込まないように右足で引きつけ一気に振り抜くことを繰り返した。打ち損ねると、怒りの絶叫が室内練習場に響き渡った。


☆落合さんも「緩い球が打てれば大丈夫」と言っていましたが、タイミングはもちろん、緩い球をスタンドに運ぶことができれば、状態がいいということ。ボールの反動を利用するのではなく、自分の力と技術で、まさにボールを「運ぶ」感じなんでしょうね。




☆さて、各選手、フォーム改造や新球のマスターなど、「底上げ」に貢献しようと頑張ってる訳ですが。


◇薮田 新球「縦スラ」で圧倒だ“ポスト黒田”ローテ入り狙う デイリースポーツ 2017.1.29

 広島・薮田和樹投手(24)が28日、キャンプ地・日南での先乗り自主トレに参加。今季のテーマに「圧倒」を掲げ、縦に変化するスライダーの習得に励んでいることを明かした。ブルペンでは同球種を交えて、123球の熱投。プロ初の1軍キャンプ、開幕ローテ入りへ向けて、仕上がりは上々だ。

 ズドン!という衝撃音がブルペンに響く。仕上がりの早さは決意の表れ。プロ入り3年目で初となる1軍キャンプへ向け、薮田が早くも本番モードだ。

 「(キャンプ)初日からゲームで投げられるように仕上げていきたい。勝負の年なのでここからだと思う」

 物静かな男の覚悟が見て取れた。27日のスタッフ会議で、プロ初の1軍キャンプ参加が決定。1、2年目はコンディションが万全ではなく、2軍スタートを余儀なくされたが、今春は状態の良さをアピール。オフの間もネットスローやキャッチボール、遠投などで可動域を保った成果だ。

 直球とカットボール主体の投球にアクセントをつける。ブルペンでは123球を投じ、縦に落ちる新球のスライダーを試投。「まだコントロールできていない」と課題を口にしつつも、「軌道は問題なかったです」と一定の手応えをつかんだ。

 昨季は16試合に登板して3勝1敗、防御率2・61だった。能力の高さは折り紙付き。ケガさえなければ“ポスト黒田”として、ローテ入りを狙える素材だ。

 薮田も「先発ローテに入っていかないといけない。仕上がりの早さで圧倒していきたい」と自覚十分。3年目に訪れた大チャンス。新球を武器にロケットスタートを決め、先発争いから頭一つ抜け出す。


☆大学時代もケガでほとんど投げてなかった薮田くんを、隠し球的にドラフト2位指名。昨年はその片鱗を見せました。カットボールとともに、ツーシームが効果的で、試合を作ることができるようになったんですよね。


☆で、たまにカーブも投げるんですが、落ちるボールなど「縦の変化」もあると、投球の幅がグッと広がります。後は薮田くんの場合、ケガをしないことですね。


☆一方、左の中継ぎとして、是非とも出てきてほしい人。


◇広島・飯田、キャンプ地先乗り自主トレに参加 デイリースポーツ 1/29(日) 18:20配信

 広島・飯田哲矢投手(25)が29日、宮崎県日南市・天福球場でのキャンプ地先乗り自主トレに参加した。

 ブルペンでキレのいいボールを投じ、仕上がりの早さを披露。「精度が上がっている。すごくいいと思います」と納得の表情を浮かべた。

 昨季は2試合登板に終わり、15年の16試合から出番を減らした。今季はチームの課題でもある左の中継ぎ枠をオスカルらと争う。プロ3年目を迎えた飯田は「左の中継ぎの1枚になりたい。大事なところで使ってもらえるようにしたい」と真剣なまなざしで誓った。


☆昨年終盤1軍で2試合に登板、2試合、3回1/3で、4安打4奪三振、無失点。オスカルくんに活躍の場を奪われた格好ですが、左は2枚いてもいい。


☆まずは、左バッターを確実に抑えられるようにすること。内角を攻めるボールと、外に逃げるボールの精度ですね。その上で、右バッターも抑えられるようになると、使える範囲も広がるし、1軍のベンチにいられるようになります。




☆さて、この人の記事を見るのは久しぶりのような気がします。


◇【球界ここだけの話(801)】
広島・梵、食事に行く間柄の稀勢の里の横綱昇進に刺激 「自分も流れに乗っていけるようにしたい」 サンスポ 2017.1.29 12:59

 シーンと静まり返った室内練習場で黙々とバットを振っていた。その人物は梵英心内野手(36)。広島・三次出身の生え抜きのスターが、復活に燃えている。

 「とにかく試合に出場することだけを考えている。そのために結果を残すしかないですし、残せると思っている」

 1年目の2006年には新人王を受賞し、10年には盗塁王(43)と遊撃手部門でゴールデングラブ賞に選出。07年にエース黒田が米大リーグ、ドジャース、主砲新井が阪神へFA移籍した後、低迷するチームで奮闘していたが…。

 近年は年齢による体力の低下や古傷の両膝の影響などで成績は急降下。2015年は96試合で打率・237、6本塁打、27打点。25年ぶりのリーグ優勝した昨季は出場わずか7試合でプロ入り後初のノーヒットに終わった。

 オフの契約更改交渉では制限を超える5000万円ダウンの年俸4000万円(推定)でサイン。崖っぷちのところまで追い込まれたベテランだが、年明けに友人が頑張る姿を見て、奮い立った。

 数年前に知人を通じて知り合って、食事に行く間柄の大関(当時)稀勢の里が初場所で優勝。千秋楽での横綱白鵬との激闘、涙の優勝インタビューをテレビで見て胸が熱くなった。すぐにお祝いの花束を贈って「お気遣いありがとうございます」とメッセージが届いた。

 「自分のことのように感動しました。新年早々、いい知らせが届いたので自分も流れに乗っていけるようにしたいです」

 復活のシーズンに向けて、年始は沖縄市内で自主トレ。同じく自主トレ先が沖縄だった小窪、安部、上本と空港で出会って、急きょ合同で自主トレすることとなった。打撃練習のときにはお互いにフォームを動画撮影して、フォームを微調整するなど充実した時間を過ごした。

 「自分は人をみる余裕はなかったですけど、しっかりやりたいことができました」

 堅実なプレーと機敏な動きで広島の低迷期を支えたベテラン。あの頃の輝きを取り戻すため、並々ならぬ思いでオフシーズンを過ごしている。(柏村翔)


☆どうでしょう、サードか、右の代打か。自分のプレーができれば復活は十分にあり得ると思いますが、体がどうか、ですね。それともうひとつポイントになるのは、今のカープの野球に、フィットできるかどうか。昨年全くといっていい程1軍の野球には関わっていなかった訳ですから、ルーキーのつもりで、今のチームに溶け込んでいかなきゃいけません。


☆右にも打てるし、たまに大きいのも打つ(笑)。復活すれば、嫌なバッターなんですけどね。




☆さておしまいはなぜか、筒香の話。


◇筒香嘉智が野球教育に本気で参戦。「答えを与えすぎず、考える習慣を」 Number Web 1/29(日) 8:01配信

 「日本の野球が悪いというわけではない」

 このオフの取材で少なくとも3回はその言葉を聞いた。

 口にしたのは青木宣親(アストロズ)、中後悠平(ダイヤモンドバックス)、筒香嘉智(DeNA)である。

 メジャーリーガーである青木、マイナー生活を経験している中後は日米の球団に所属したことで指導アプローチに違いを感じ、また、オフにアメリカやドミニカ共和国に渡った経験がある筒香も他国から学ぶことがあったようだ。

 他国の指導方法に関心を示す一方、あまり言いすぎると日本の批判になりかねない。彼らはそう慮り、そんな言葉を口にしたのだろう。

 ただ実際、指導に関して、日本の野球界は発想を転換する時期に来ているのではないかと思う。競技人口が減少の一途をたどる昨今の大きな要因に、指導の問題があると感じるからだ。


◆「将来どうなるか」より「こうすれば勝てる」に偏重。

 体罰こそ減ったとはいえ、怒号・罵声を響かせる指導スタイルは、今でも日本の野球界から姿を消していない。選手のパフォーマンスの良さを褒めるよりも、まずはあら捜しから始める。それが野球の育成、ひいては日本の教育に少なからず存在する空気感であろう。

 その遠因には、甲子園など目先の成果を要求される度合いが強いからだ。

 短期で結果を残すためには、選手が将来にどうなっていくべきか云々より「こうすれば勝てる」と大人が子どもを操る手段が有効なケースがある。

 そうした指導のアプローチが子どもたちを苦しめ、野球そのものの価値を下げているという事実に目を向けなければならない。野球を魅力あるスポーツとして、人生を懸ける価値があるものにしていく必要がある。


◆筒香が、現役では異例のスーパーバイザーに就任。

 1月15日、大阪・河内長野市のグラウンドで行われた「アグレシーボ体験会」は、まさに野球界に一石を投じるイベントだった。

 主催したのは硬式クラブチーム「堺ビッグボーイズ」の指導・運営をサポートするNPO法人BBフューチャー。参加したのプロ選手はDeNAの筒香嘉智、高城俊人、乙坂智である。

 当日、会場には子どもたちとともに楽しむ3人の姿があった。

 堺ビッグボーイズは、筒香が中学時代に在籍したチームだ。

 この日は体験会と同時に、筒香自身が堺ビッグボーイズの小学部のスーパーバイザーに就任することも発表されている。現役選手がクラブチームのアドバイザー的な役職に付くのは極めて異例のことだが、このアクションには深い意義がある。

 クラブが筒香の名を借りたように感じる人もいるかもしれないが、筒香にはしっかりとしたビジョンがあるのだ。


◆筒香「日本は子どもに答えを与えすぎ」

 「自分自身、シーズンオフにアメリカやドミニカ共和国を訪問する中で、ジュニアの指導に関して感じることがある」

 筒香が挙げたのは、日本の野球界が短期的な成果を上げる指導に陥っている点だ。日本では、指導者が子どもに1から10まで教えるきらいがある。筒香はそのことが与える影響を危惧し、こう力説する。

 「海外の指導の様子を見て、日本とは対極的な指導法だなという印象がありました。日本が悪いとか、野球界が悪いというのはないんですけど、日本は子どもたちに対して答えを与えすぎているように思いました。そのことが子どもたちから創造力を奪い、指示待ちの行動をしている子が多くなっているのでは。大人になっても、自ら動けない選手がいます。

 答えは自分で探す。指示を待たずに、自分で動く。ジュニアの頃から、子ども自身が考える時間を作らないとダメなんだと思うんです。大人が答えを与えたら、確かにその時は早く成長するように感じるかもしれません。でもそれは短期的なものであって、小さいころから自分で考えている人の方が、大人になった時に差をつけられるのかなと思います」


◆試してみる、やってみる心を習慣づける。

 選手が起こすミス・失敗に対して注意するのではなく、じっと見守ることによって、選手個々がチャレンジできるよう促す。そして、その結果を選手が自分で考え、創造力を働かせて、次のプレーにつなげる。

 たとえば、ある遊撃手が三遊間のゴロを逆シングルで捕ろうとしてはじいた際、「そうじゃない、下からグラブを出せ」と言ってしまいがちなのが日本の指導だ。声色に怒気が混じることもあるだろう。

 そういった指導を受ければ、選手はグラブを下から出すようになり、一時的にミスは減るかもしれない。しかし、失敗を繰り返していくなかで選手自身が考え、グラブの出し方を探し当てるアプローチもある。それが考える力であり、創造力になるというわけである。

 まずは自分で試してみる、やってみる心を育む。そのことをジュニアの頃から習慣づけていくことで、大人になったとき、自ら考えて動ける人間を形成できると筒香は考えている。


◆「言わない勇気ってすごく大事だなと思います」

 「言わない勇気ってすごく大事だなと思います。教えている人はすぐ良くなってほしいという想いの方が多いと思うんです。でも子どもたちのことを考えたら、いま、勝ったとか、負けたとか、すぐ良くなることよりも、将来にどうなっているかの方が圧倒的に大事になってくると思う。観察力、忍耐力を大事にして、一歩引いたところから見てほしいと思います」

 これらの考えは、堺ビッグボーイズ中学部がこの7年間で積み上げてきた指導のあり方でもある。たくさんの人物がこのクラブに関わり、チームを進歩・成長させてきた。2学年で80人超の部員が所属しているのは、その方針に野球の楽しさを感じていることと無縁ではないはずだ。

 筒香は自身の経験と、堺ビッグボーイズが目指していることを重ね合わせ、ひいては野球界のためと考え、自らの経験を下の世代に還元する意味でアドバイザーの役に就いたのである。


◆「野球が将来に繋がらないなら、なくなればいい」

 代表を務める瀬野竜之介は言う。

 「野球をやることによって、自分で考えることが出来ない人を生んだり、将来に繋がらないのなら、(競技人口が減少している)野球はこのままなくなったらいいと思う。でも、野球には魅力的なものがある。競技人口を増やすためというだけではなくて、もっともっといい野球をしていきましょう、社会に出たときに役立つ人を生み出せるものにしていきましょう。そして、それを広げていきましょう。筒香はそれをやろうとしているんです」


◆大人たちが率先してチャレンジする姿を見せる。

 このアクションは、野球協約においても画期的なものがあった。野球協約第38・39条には「保護地域」というものがある。

 12球団にはそれぞれ管轄区域があり、管轄区域の球団の許可なしに、野球教室のイベントなどを開催してはいけない。横浜に本拠があるDeNAの筒香が、いくら出身クラブとはいえ大阪のチームでアクションを起こすのは簡単ではないのだ。

 今回の取り組みの裏には、堺ビッグボーイズの関係者たちが大阪が保護地域のオリックスと交渉して実現させた経緯がある。昨年3月、この協約という壁にぶつかった瀬野代表がふと漏らしていたことがあった。

 「僕らは、チームにいる子どもたちに失敗を恐れずチャレンジしなさいと伝えています。そうであるのに、われわれ大人たちがチャレンジしていなかったら、それはダメですよね。これからどうなっていくか分かりませんけど、実現すれば、プロ野球選手が経験を還元していく前例になるんじゃないかと思います」


◆「野球界に還元できることに強い勇気を持って」

 筒香たちが起こしたチャレンジは、歴史的な第一歩である。果たして、このアクションがどのようなうねりとなって、野球界に押し寄せてるのか。

 「人って前例がないことを嫌うところがあります。でも、誰かが変えていかないと、よくなっていかない。野球界に自分の経験を還元できることに、強い勇気を持っていきたい」

 筒香はそう決意を口にしている。

 WBCでの活躍、シーズンのパフォーマンスとともに、こちらの活動にも注目していきたい。


☆これはですね、いろいろと大事なことがたくさん含まれている記事なんですね。で、カープのことではありませんが、敢えて取り上げました。


☆まず、「こうすれば勝てる」の話。プロではもちろん、勝つための方法論は重要で、選手もそれを身に付けなきゃいけないのですが、こと少年野球に関しては、まず本人の力を伸ばすことを考えなきゃいけないんですね。例えば学校や塾の勉強でも、どうしても「点を取るための勉強」になってしまう。思考力や感受性を伸ばすことより、「どうやって選択肢を選ぶか」とか、問題を解くためのテクニックを教える訳です。実際、そういうことが得意な子は、いい点を取る。


☆ところがですねぇ、例えば国語だと、「選択肢を選べる」子どもが、その問題文そのものを理解しているかというと、答は「NO」。言葉というのは抽象的なものですが、その「それを言葉で言っちゃあダメでしょ」ってことを言葉にしてるのが、選択肢(笑)。抽象的な思考ができなくなるのは、当たり前なんですね。


☆これは野球で言うと、例えば例に出ていた「逆シングル」ですが、指導者の方で「下からグラブを出せ」という「正解の選択肢」を出してしまうと、なぜ逆シングルはダメなのか、子どもは考えない。ただ単に「逆シングルはダメ、グラブは下から」という「知識」だけが身につく訳です。意味が分からないから、それを他のプレーに応用する、ということはできない。もちろん自分で考えて「下からグラブを出す」という技術を自分のものにする、なんてことも、まずない訳です。


☆で、このことは「子どもに答を与えすぎ」の話につながっていく訳ですが、残念ながら今の学校や塾のいわゆる「いい先生」というのは、こういう「1から10まで教えてくれる先生」なんですね。理由は簡単で、子どもというのは、勉強したくない(笑)。考えるというのは面倒臭い訳で、その面倒臭い作業をしてくれる先生は、子どもにとって「いい先生」。


☆子どもが「~が分からない」と質問に来て、「それはね、」と説明を始める先生は、その時点で、はい、ダメ(笑)。何が分かってないのかをまず確認する必要がある訳で、最初から分からなければ、最初のきっかけを与えて「で、次はどうする?」と考えさせる。途中から分からなければ、そこのきっかけを与えて、後を考えさせる。子どもに考えさせ、「導く」のが、「指導者」。


☆親が子どもの勉強を見てやる、なんてのはもっての他で、学校で教わる、塾で教わる、家に帰ってからも親に教わる、では、子どもが自分で勉強する機会がない。受験本番の時に先生や親が隣で一緒に解いてやる訳にはいかんのです。


☆子どもというのは、依存心が強い。用意されれば、それに依存するのは当たり前。いつかは自分でやらなきゃいけない訳で、子どもの時に依存ばかりしている子というのは、いざひとりになった時に、何もできない。そりゃそうです、ひとりでやったことないんだから。


☆プロ野球でも、やれ監督がどうだのコーチがどうだのという話をよく聞きますが、選手の方にコーチの話を理解する力、それを吸収して自分で考え、工夫する力がなければ、いくら指導者が「正論」を言ったところで、モノにはならない。だとすれば指導者のまずやるべきことは、人の話を理解し、自分で考え、工夫するということが大事なんだ、ということを教えること。


☆簡単には答は言わない、子どもに問いかけて、考えさせる。まずは何を考えるべきかを教えるのが、指導者の仕事だと思います。


☆そして筒香のような、野球界全体のことを考えている人は、絶対に必要。そして、ある程度大人になってからではなく、子どもの頃から自立心を持たせる、というのも、大事なこと。野球を辞めてしまうとダメになる、野球のことしか分からない、ではなく、野球を通じていろんなことを学んで、より成長した人間になる、というような野球への接し方が、本来の姿であって、指導者は、そういう選手になるよう、子どもたちを導いていくべき。


☆筒香の話はまた折を見てしようと思いますが、彼が打てるのは、何も素質や技術があるからだけではありません。人間としてきちんとしているし、何より考えがしっかりあるから。自分で考え、自分なりの考え方がしっかりあるから、なのです。


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source : K.Oのカープ・ブログ。