2017年1月1日日曜日

【年末企画】2016年のカープを振り返り。


☆ってもう明けちゃってるんですけど(笑)。ま、新年の御挨拶は、また改めて、ってことで、今日は今年のカープを振り返り、まずはNumberWebから。


◇勝つことを知り、優勝の重みを得た。V2狙う広島に黒田の蒔いた種、育つ。 Number Web 12/31(土) 7:01配信

 日本一こそ逃したが、2016年は広島のシーズンだった。新井貴浩の2000安打と黒田博樹の200勝という大記録が同時に誕生し、25年ぶりの戴冠で2人が涙した。レジェンドの1人黒田が現役を引退し、背番号15は永久欠番となることも決まった。オフには野球ネタにとどまらず、流行語大賞まで受賞する、まさに「神ってる」1年だった。

 シーズン中盤から見せた驚異的な強さは偶然生まれたものではない。

 黒田と新井という投打の両輪に引っ張られるように、試合を重ねるごとに力をつけていった。89個積み重ねたものは、白星だけでなく、広島ナインの自信でもあった。勝つことで自信をつけ、勝つことで形ができていった。シーズン中盤は勢いだけではない、本物の強さがあった。


◆チームの成功体験が、若手選手を急激に成長させた。

 意識の変化を生む要因は、チーム内にもあった。

 '16年、「ビッグレッドマシンガン」とも呼ばれた強力な打撃陣。684得点という数字だけで表されるものだけでない。安定した得点力は、間接的に投手陣を助けることにも繋がった。

 好調な打線と精神的な成長がうまくかみ合い、飛躍したのが野村祐輔と言える。

 シーズン中は何度も「1点を取られても、次の1点を与えないように切り替えようとしてきた」。言うは易しも行うは難しだろうが、実際にシーズン序盤は打線の援護で得た勝ち星も多かった。

 成功体験が野村の精神的成長を後押ししたと言える。


◆強力な打撃陣は相手打線にも影響を与えていた。

 強力な攻撃陣による影響は自チームだけでなく、対戦相手にも与えることがある。

 石井琢朗打撃コーチは、6月3日ソフトバンク戦の試合後にこう振り返った。

 「ソフトバンクとの試合で、うちの打線は先発投手だけでなく、ソフトバンクの打線を見ながら攻撃していたようだった。打者は投手との対戦なんだけど、攻撃陣は自然と相手打線も見ている」

 黒田が3者連続本塁打を浴びたソフトバンク打線を前に、広島の選手たちは本来の打撃ができていなかったように感じた。

 自チームで起きていたことが、シーズン途中からは相手球団に起きるようになった。

 「今年の広島打線は破壊力があって、粘り強い。強力だ」

 そんな印象を強く与えたことで、対戦相手は1点でも不安になる。リードしていても不安になる。当然タイスコアなら焦る。心理的なプレッシャーを多く与えていた。

 目に見える快進撃は、目に見えないものに支えられていたのかもしれない。


◆打撃コーチ3人体制が、このチームの英断だった。

 打撃コーチ3人体制が英断だった。3人の功績は計り知れない。

 日本球界に名を残すバットマンの石井打撃コーチ、選手とともに長く一緒にプレーした経験から選手の性格を熟知したアドバイスを送る東出輝裕打撃コーチ、そして選手の兄貴分的な存在でときに叱責する厳しさを併せ持つ迎祐一郎打撃コーチ補佐の、絶妙なトライアングルが広島打線を変えた。

 さまざまなアプローチで技術力を上げたところに自信という水が加わり、優勝という名の花を咲かせた。

 大きな花も、散って終わりではない。花を咲かせるとともに、つぼみがいくつもできた。

 広島はまだ発展途上。チームの主力となったキクマルコンビの菊池涼介、丸佳浩を始め、野村祐輔や田中広輔、安部友裕の同世代はまだ27歳。今村猛や中崎翔太、鈴木誠也らは彼らよりもまだ若い。


◆「勝つこと」の重要性を本当に学んだ'16年。

 優勝決定試合となった9月10日の巨人戦のスターティングメンバーには外国人選手がいなかった。投手3人、野手1人を基本線に起用した外国人枠にもまだ選択の余地がある。'16年秋季キャンプで打撃コーチ3人衆が鍛え上げた新戦力候補の堂林翔太や野間峻祥の成長も注目されるところだろう。

 優勝した'16年で最も学んだことは、勝つことの重要性だった。

 24年間優勝から遠ざかり、そのうち20年近くBクラスだった。どこかで確固たる自信が持てなかったのかもしれない。

 優勝を決めた直後、黒田は「僕たちはずっと優勝経験がないと常に言われていた。若い選手がこうやって優勝を味わって、野球人生の中で大きな経験になればいいなと思う」と願った。

 優勝というゴールは、黄金期を築くためのスタートでもある。

 絶対的な存在だった黒田が抜ける'17年は不安要素がつきまとう。

 '17年は'16年に得た自信をどうつなげるか。若いチームの真価が試されているシーズンとなる。

(「炎の一筆入魂」前原淳 = 文)


☆とにかく優勝という経験を、とK.Oも言い続けて来ましたが、いやいやまさか、ほんとにするとはね(笑)。昨日も昨年の10大ニュースにあったように、とにかく昨年は打てなかった。一昨年のCSファイナルでも、まあとにかく点が入らない。そこを何とかしなきゃ、ということで、秋から取り組んでいった訳です。


☆で、特に大きな補強をした訳でもなく、ドラフトのルーキーと、新外国人だけ。ま、これを見て開幕前には「たったこれだけの補強で優勝する気があるのか」なんて批判してる人もいましたねぇ。思えば昨年、チーム史上最高年俸でグスマンを獲得、さらにそれを越える金額でシアーホルツを獲得。前年にはロサリオ・ヒースも台頭して、言わば外国人は史上最高の体制で臨んだ訳です。


☆で、結果、どうだったか。「戦力」だけ見れば、今年とそんなに大差はない。なのに昨年は4位、今年はぶっちぎりの優勝。監督も同じです。


☆お次は、ベースボールチャンネル。


◇カープ、25年ぶりセリーグ制覇。黒田引退も投打に戦力充実、来季こそ33年ぶり日本一へ【2016年通信簿】 ベースボールチャンネル 12/31(土) 11:00配信


◆黒田に触発、野村の才能開花

【投手4点】
 黒田博樹の日本球界復帰2年目、もっとも大きな好影響を受けたのが、16勝をマークし最多勝に輝いた野村祐輔であろう。

 「ストライクゾーンで勝負する姿は目からウロコ」と語ったこともあるように、黒田のスタイルから多大な影響を受けた。プレートの一塁側を踏むことで右打者へのシュートの効果が倍増。持ち前のアウトコースへの制球との相乗効果でシーズンを通しての活躍が可能となった。

 また5勝のジェイ・ジャクソンや黒田博樹らを軸とした先発陣はリーグ屈指の充実ぶりだった。今村猛の67試合のフル回転もあり、勝利の方程式も確固たるものとなった。先発の陣容が主力の故障などで苦しい時期も、戸田隆矢や中村恭平らがチームを救った。来季は、黒田が抜けるが、福井優也の存在が頼もしい。彼がフル回転すれば、投手陣に不安要素はない。


◆ベテラン、伸び盛りの選手が噛み合って強力打線を形成

【野手5点】
 まさにチーム一丸の攻撃陣であった。不動のトップバッター田中広輔がフルイニング出場を果たせば、2番の菊池涼介は打率.315の大活躍、しかも粘り強さとつなぐ意識で打線に一体感をもたらした。

 さらに3番の丸佳浩へとつながる上位打線は幅の広い攻撃が可能となった。4番こそ固定ではなかったが、ブラッド・エルドレッドが長打でゲームを決めることもあれば、エクトル・ルナはつなぐ打撃で持ち味を発揮。首脳陣の起用も巧みだった。何よりベテラン新井貴浩の存在である。39歳にして打率3割、2000本安打を達成してからもヒットを量産し続けた。また、その技術のみならず、献身的なプレースタイルはチームの精神的支柱であった。

 そこに打率.335、29本塁打の鈴木誠也である。長打力はもちろんスピードも豊富でカープの攻撃のバリエーションを大いに豊かにし、勢いも与えた。首脳陣による意識改革と若手の成長、そこにベテランの献身が見事にマッチした。


◆ローテーションを崩さず、ヘーゲンズの先発起用も吉

【ベンチワーク5点】
 先発ローテーションは中6日をできる限り崩さず、1年を戦い抜いた。主力に故障があっても、二軍からのタイムリーな補強で大崩れしなかった。
 また、シーズン終盤に中継ぎのブレイディン・ヘーゲンズを先発にまわした策も的中した。

 野手陣では、河田雄祐コーチによる意識改革もあり、盗塁数以上のアグレッシブさが生まれた。打線も、エルドレッド、ルナを見事に使い分け、ベテランの新井にもタイミングよく休養を与えた。また、松山竜平らがことごとく起用に応え、得点力は大幅にアップした。ベテランから若手、一軍から二軍、全てが一体となったのは首脳陣の手腕によるところが大きいだろう。


◆広島に感動を与えた1年、来季こそ33年ぶり日本一へ

【総合5点】
 25年ぶりのリーグ優勝。盛り上がる広島の熱気を見れば、満点以外考えられない。

 スピードに溢れ、緻密な攻撃。先発から抑えまで、スペシャリストの揃った投手陣。なにより、黒田博樹と新井貴浩のベテランコンビの抱擁が全てを物語る。来季は33年ぶりの日本一へチームのムードは高まるばかりである。


☆ま、単純に数字だけ見れば、打線はキクマル・新井さん・誠也くんと軒並み成績を飛躍的に伸ばし、田中くんは1番の役割を果たし、エルさんにルナ、安部や下水流と活躍。そりゃ強いわい、って感じ。この中で新しく入ったメンバーは、ルナだけ。


☆問題は、なぜ打てるようになったか。技術的に、たった1年で急激にチーム全体が向上する、などということはあり得ません。そして打撃は、技術の向上だけが全てではない。明らかに、実力や技術以外の何かの力が、そこには働いている訳です。


☆そしてその「何かの力」を、一体誰が働かせたのか。単純に考えれば、上の記事にあるように、首脳陣、そして黒田さん新井さんらのベテラン、ということになります。


☆お次は、日刊さん。


◇黒田引退で穴 黄金時代へ新たな軸必要/広島回顧録 日刊スポーツ 12/30(金) 13:00配信

<担当記者が振り返る2016年:広島>

 25年ぶりのリーグ優勝を飾った広島。2位巨人に17・5ゲーム差をつけるぶっちぎりの優勝だった。6月には球団32年ぶりの11連勝。流行語大賞にもなった鈴木の3戦連続決勝弾「神ってる」も生まれた。優勝するまで3連敗以上は1度だけ。シーズンで45度の逆転勝利を飾るなど緒方監督の目指す野球が形になった。

 15年は不振にあえいだ菊池、丸のキクマルコンビが復活。2人と同学年の田中も1番に定着し、上位打線を形成した。2番菊池はリーグで最多犠打と最多安打を同時に獲得。シーズン序盤はバントのサインは少なく、タナキクマルで塁上を駆け回った。2000安打を放った4番新井、軽打も身につけたエルドレッドも好調。最後まで諦めることのない気持ちが加わり、「逆転のカープ」を呼んだ。

 だが打ち勝った印象が強いが、奮闘したのはむしろ投手陣だろう。前田健太が抜けた穴を全員でカバーした。ジョンソン、最多勝の野村はもちろん、先発以外で29勝。ジャクソンと復活した今村が守護神中崎につなげた。ルナの故障にともなって4月22日から昇格させたヘーゲンズの中継ぎ起用もピタリ。その後の先発起用も含め、2年目緒方采配が光った形となった。

 来季は真価が問われる1年になる。年内の外国人の補強は中継ぎ投手1人のみ。連覇へは現有戦力の底上げが絶対条件となる。勢いで勝ち続けた印象が強いが、16年シーズンの後半には明るい材料も多かった。福井、故障明けの大瀬良、新人岡田がマウンドで躍動。塹江の初登板もあった。黒田が引退し2年連続で投手陣の軸が抜ける。新たな軸の登場が待たれる。

 野手陣もルナが退団し三塁は安部、堂林らがしのぎを削る。外野の野間も秋季キャンプで輝いた。「神ってる」で終わるのか、黄金時代到来か。重要な1年が始まる。【広島担当=池本泰尚】


☆ま、K.Oがあーだこーだ言うより、事実として、数字を見てもらいましょう。


◇2015年 カープ投手成績
※勝ち星を挙げた投手のみ

名 前   防御 試 勝 敗 S
前田 健太 2.09 29 15 8 0
ジョンソン 1.85 28 14 7 0
黒田 博樹 2.55 26 11 8 0
福井 優也 3.56 21 9 6 0
野村 祐輔 4.64 15 5 8 0
大瀬良大地 3.13 51 3 8 2
中崎 翔太 2.34 69 0 6 29
戸田 隆矢 3.63 34 3 3 0
ヒース   2.36 43 3 6 4
一岡 竜司 4.14 38 2 4 1
永川 勝浩 4.78 26 1 1 0
今村 猛  3.46 21 1 1 0
薮田 和樹 5.76 6 1 2 0
中田 廉  0.00 5 1 0 0

先発 57勝51敗 防御率2.96
救援 12勝20敗 防御率2.81


◇2016年 カープ投手成績
※勝ち星を挙げた投手のみ

名 前   防御 試 勝 敗 S
ジョンソン 2.15 26 15 7 0
野村 祐輔 2.71 25 16 3 0
黒田 博樹 3.09 24 10 8 0
岡田 明丈 3.02 18 4 3 0
福井 優也 4.34 13 5 4 0
戸田 隆矢 2.80 17 4 0 1
中村 恭平 5.40 8 1 1 0
横山 弘樹 5.47 6 2 2 0
九里 亜蓮 4.50 27 2 2 0
ヘーゲンズ 2.92 50 7 5 0
今村 猛  2.44 67 3 4 2
ジャクソン 1.71 67 5 4 0
中﨑 翔太 1.32 61 3 4 34
一岡 竜司 1.82 27 1 1 0
オスカル  6.35 23 2 0 0
大瀬良大地 3.32 17 3 1 0
永川 勝浩 6.30 11 2 0 0
中田 廉 16.62 8 1 1 0

先発 60勝34敗 防御率3.29
救援 29勝18敗 防御率3.04


☆実は防御率は去年の方が良く、いかに打てなかったか、ということ。逆に言うと今年は「逆転のカープ」だった訳ですが、先発は勝ちは3つしか変わらず、負けが減ってる。対照的に救援は負けは2つしか変わらず、勝ちが増えてる。つまり先発が打たれても打線がひっくり返し、救援に勝ちのつく試合がいかに多かったか、ということ。


☆その、先発。昨年はマエケン・ジョンソン・黒田・福井の4本柱で49勝、今年は野村くん・ジョンソン・黒田さん・福井くんで46勝。3つしか変わらない。そう、昨年は4本柱以外で8勝しかできなかったのに対して、今年は14勝、6勝増えてる。加えて救援の勝ちが17勝増え、この23勝がそのまま昨年からの上積みになってる訳です。


☆主力投手がしっかりしていることがもちろん大前提ですが、先発が降りた時、また5番手・6番手の先発の時、いかにして勝つか。それには中継ぎが踏ん張ってる間に打線が点を取るしかない訳で、昨年まではそれが出来なかった訳です。あるいは先発が先に点を取られたら、ずるずると負けてた訳です。


☆そんな訳で外国人の取り方も、「大きいのが欲しいから大砲を」などという取り方ではなく、サードのポジションにつなぎの野球ができるルナ、後ろにジャクソン、という取り方。ヘーゲンズはうれしい誤算で、最後まで1軍で貢献してくれました。先発が足りない時は先発に回ってくれて、彼の貢献度はほんとに高い。


☆と、継投がどうだのと、選手としての実績がないというだけでやたらと批判される畝コーチですが、1年間を通した投手陣のマネージメントは、見事でした。それも優勝の大きな一因。それは、優勝という事実とともに、上に挙げた数字が表していると思います。


☆戦力を整えることももちろん必要ですが、その戦力をどう使っていくのかは、もっと大事なこと。うまく使えるようなチーム編成にしておかなきゃいけないし、あれこれ知恵を絞って、現有戦力をうまく配置しなきゃいけない。そのことで、10ある戦力が、20にも30にもなる訳です。


☆さて、来年は来年で、知恵を絞らなきゃいけません。ケガ人が出たり、外国人が計算できなかったりしたチームは、来季は巻き返してくる可能性は十分にあります。それもこれも、チームをうまくまとめ上げ、選手を生かせるようなチーム構成にしたところが、そうなる可能性がある、ということ。来季はカープ以外のチームも、ちょっとそういう目で見ていこうかな、なんて思ってます。


P.S. 今日もたくさんアクセス・クリックを頂きました。本当にありがとうございます。加えて今年1年、「K.Oのカープ・ブログ」を御愛顧頂き、本当にありがとうございました。コメントを下さった皆さん、御覧下さった皆さんに、心から感謝します。

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source : K.Oのカープ・ブログ。