2017年1月3日火曜日

【新春特集1】オーナーインタビュー「昭和61年のカープ」。


☆例によって「1」と言いながら、「2」があるかどうかは知りません(笑)。


◇【独占インタビュー】広島・松田オーナー 日本一へ理想は「61年のカープ」 デイリースポーツ 12/31(土) 9:00配信

 広島の松田元オーナー(65)がデイリースポーツ単独インタビューに応じ、25年ぶりのリーグ優勝でファンへの感謝と、連覇に挑む来季への展望を語った。カープの総帥が描く理想のチーム像とは…。33年ぶり日本一へのキーマンとは…。カープ愛に満ちた言葉をたっぷり語り尽くした。

  ◇  ◇

 -25年ぶりのリーグ優勝に沸いた1年だった。

 「肩の荷が下りた1年。ある意味では逆に苦しい1年でもあった。勝つチャンスがあっただけに“逃したら…”という気持ちもあって苦しかった。達成して肩の荷が下りたという思いが強いな」

 -終わってみれば17・5ゲーム差の独走。

 「それは全く関係ない。最後の最後まで安心はできなかった。とにかく1日でも早く、と。何が起こるか分からんわけだから」

 -41年ぶりの優勝パレードも実現。オーナーは初めて参加した。

 「本当のことを言えば、ああいった場所に出るのは苦手だが。喜んでいる方々の顔を見るのが一番うれしかった。遺影を掲げながら泣く人や、車いすの人たちも前の方におっちゃった。非常に感慨深いものがあった」

 -引退した黒田選手の15番を永久欠番に。

 「世の中の価値はお金の多寡が、全ての判断基準になっている。それは当然で仕方ないが、彼が帰ってきてくれたことでそれは違うんだというものを身をもって示してくれた。それを歴史の中に残しておかないといけない。10年、20年たった時にこの話が、人々の記録に残らないのではないか。だからこそ永久欠番にすることで、残しておいたほうがいいのではと思った」

 -将来的に再びユニホームを着る存在だ。

 「また、男気を出してもらわないといけないかもしれない。現時点ではなんとも言えないが、現場との関わりをずっと持ち続けてくれたら、それはありがたい話だと思う」

 -チームとしてのオーナーの理想像とは。

 「(昭和)54年、55年のチームは強かった。江夏さんがおっちゃって、パターンを確立させた。1人でチームを一変させたように思う。自分の感覚で言えば59年とか、61年が本当に強いチームだと思っている。ウチらしいというか、負けているのに粘って追い付いて、追い越してしまう強さ。あの強さがほしい。(61年は)日本一にはなれなかったが、我々としては相手がものすごく嫌なチームで、今後目指したいところだ」

 -来年に目を向けると、日本シリーズで敗退した悔しさが残る。

 「日本一というのを、みんなに見てもらいたい気持ちはあった。選手は立派だったと思う。ただ、申し訳ないと思っているのは外国人選手の補強。野手が十二分に行われていない。新人はある程度、補強できたが」

 -巨人、阪神など他球団が補強を進めた。

 「阪神は糸井を獲ったが、着々とチームを切り替えようとしている。巨人パターンの同じ繰り返しをするのではなく、一生懸命選手を作っていこうとする強い姿勢、思想を感じる。来年どうかと言えば分からないが、何年かすれば手を付けられないチームになる可能性を秘めているように思う。巨人は来年1年をみたら怖い」

 -これまでキーマンに掲げた選手が、翌年に活躍してきたが。

 「来年は堂林に期待する。本人も相当な覚悟でいるようだ。意を決して変わろうとしている。きっかけはどうしても必要だ。それはなんでもいいから、伸びていってほしい。投手は福井。これから3年はエースとして、もしくはエース格として頑張ってもらわないといけない」

 -着々と常勝への道を歩んでいるようだ。

 「いや、それはまだ甘い。勝つのが当たり前、見下せるだけの力を持っているわけではない。だからこそ、もう一段上に成長してほしい。Aクラスであり続けるための(他球団との)何か差を確立してほしい。そのために努力することはたくさんある」


☆その、昭和61年、1986年のカープ。


◇1986年 広島東洋カープ 優勝・73勝46敗11分 .613 監督・阿南準郎

投手  北別府 学 30登板 18勝4敗 防2.43 MVP 最多勝 最優秀防御率 沢村賞 最高勝率
    川口 和久 24登板 12勝9敗 防3.01
    金石 昭人 26登板 12勝6敗 防2.68
    長冨 浩志 30登板 10勝2敗2セーブ 防3.04 新人王
    大野 豊 15登板 6勝5敗 防2.74
    白武 佳久 24登板 4勝6敗 防3.78
    川端 順 32登板 3勝3敗2セーブ 防2.41
    小林 誠二 33登板 3勝1敗2セーブ 防3.77
    清川 栄治 50登板 0勝0敗1セーブ 防2.55
    津田 恒実 49登板 4勝6敗22セーブ 防2.08
捕手  達川 光男 率.274(416-114) 9本 46打点
一塁手 長内 孝 率.254(421-107) 19本 58打点
二塁手 正田 耕三 率.288(219-63) 1本 11打点
    小早川 毅彦 率.260(173-45) 12本 24打点
三塁手 衣笠 祥雄 率.205(477-98) 24本 59打点
    木下 富雄 率.208(144-30) 1本 9打点
遊撃手 高橋 慶彦 率.284(552-157) 21本 55打点
左翼手 山本 浩二 率.276(439-121) 27本 78打点
    小川 達明 率.323(65-21) 2本 12打点
中堅手 長嶋 清幸 率.268(482-129) 12本 54打点
右翼手 山崎 隆造 率.275(491-135) 7本 43打点

1986年

 阿南準郎が監督となり、阿南は「『山本浩二監督』実現までのつなぎ」と言われたが、就任1年目にリーグ優勝を果たす。レギュラーが固定され不動のオーダーと言われた。北別府が投手部門のタイトルを総なめ。長冨浩志が新人王。日本シリーズでは西武ライオンズと対戦し初戦引き分けの後3連勝するも、その後4連敗した。史上初の第8戦まで縺れ込んだが3勝4敗1引き分けで敗退となった。

 前年とこの年はチームに外国人選手は在籍しておらず、スターティングメンバーも「純国産打線」であった。またこの年限りで長年チームの4番を務めてきた山本が引退し、1990年代前半までチームは4番不足に悩まされるようになった。


☆投手陣は、北別府さんが最多勝、最優秀防御率、最高勝率に、沢村賞。川口・金石、新人王の長冨が2桁勝利、大野・白武に、中継ぎは左に清川、右に小林・川端、そして抑えは、津田。


☆野手陣は、こんな感じ。


① 6 高橋 (両)
② 9 山崎 (両)
③ 3 長内 (左)
④ 7 山本浩 (右)
⑤ 5 衣笠 (右)
⑥ 8 長嶋 (左)
⑦ 4 正田 (両)
⑧ 2 達川 (右)


☆高橋・山崎のスイッチコンビ、山本浩二・衣笠の主力、下位には勝負強い長嶋、粘りの正田。浩二さんは引退の年、また衣笠さんは絶不調だった訳ですが、それでもリーグ優勝、日本シリーズも後一歩でした。


☆結局、投手、走攻守とバランスの取れたチームがきちんと形として出来上がっていて、「勝つ野球」をすれば、強いチームになれる、ということ。個人の数字や、大物がいるかどうかなどということは、二の次、ということ。


☆K.Oは別に、補強そのものを否定している訳ではありません。大物がいて働けば、そりゃチームに貢献するでしょう。でも、チームそのものが出来上がってなければ、それは宝の持ち腐れ。大物補強は結構ですが、それではチーム作りはなかなか難しい、というだけのことです。


☆そもそも明確なチーム方針に則って、チーム編成が為されているのであれば、補強をする必要がない。昨年の巨人だって、開幕前は、「万全の準備」をして開幕に臨んだはず。ところがやってみていろいろ綻びが出た、ってんで、このオフ、補強をした。


◇巨人30億補強に篠塚和典、広澤克実、広岡達朗らOBが苦言 NEWS ポストセブン 1/2(月) 16:00配信

 2016年シーズンも優勝を逃した球界の盟主・巨人は、陽岱剛(29)や森福充彦(30)、山口俊(29)らのFA選手を獲得するなど、久しぶりの超大型補強を行った。総額30億円もの補強は、その金額も注目を集めているが、同じポジションに多数の有力選手が積み上がるおバカ補強としても話題だ。

 そうなると、巨額補強に走った挙げ句に優勝を逸してきた過去の記憶が蘇る。巨人はこれまで、オフにFAで2選手を獲得したことが7回あるが、翌年リーグ優勝に漕ぎつけたのはそのうち4回のみ。“成功率”は5割強でしかない。

 補強組と生え抜き組が噛み合わないこともあれば、大物同士のポジション争いなど、不毛な闘いにエネルギーが割かれるからだ。そんな悪習の繰り返しには、巨人OBからも苦言が呈される。生え抜きとして首位打者2度を誇る篠塚和典氏はこういう。

「ファンというのは、弱くても生え抜きが頑張れば応援してくれるもの。勝負事だから勝ちを目指す姿勢は必要です。ただ、先々のことを考えると、生え抜きからレギュラーを育てないといけない。年齢的な部分もあって、FAの選手は活躍できても数年ですから」

 1995年、ヤクルトから巨人にFA移籍し、その年は古巣・ヤクルトに優勝をさらわれた経験を持つ広澤克実氏も「どんなチームにしたいのか見えてこない。補強は、“自前の選手をどう育てるか”を考えてやらなきゃいけないのに、ビジョンがない」と手厳しい。

 そうした指摘を踏まえ、球界のご意見番・広岡達朗氏が直言する。

「監督もコーチも、補強をすればするほど手を抜くからダメになる。結局、今の巨人軍には若い逸材を育てる能力がないんです。

 これで日ハムにトレードに出した大田泰示が向こうで活躍したら大恥ですよ。大田は上背、肩、足とすべてが揃っている逸材でしたが、巨人は教え方が下手なうえ、根気がなさすぎた。育てられないから戦力に穴が空き、穴を埋めようとFAで選手を獲ってきて、それで平気な顔をしている。そんな考えで勝てるほど、プロ野球は甘くはない」

 納得の指摘である。

※週刊ポスト2017年1月1・6日号


☆陽の守るセンターには、橋本・立岡・松本と候補がいます。また先発には、名前だけ見れば腐るほど候補がいる。左は高木京がいなくなったのが大きく、山口鉄も下降気味。一番納得行く補強は、森福ですかね。


☆またマギーを獲りましたが、マイコラス・マシソン・ギャレット・クルーズといて、新外国人投手も獲りました。例えばクルーズの代わりにマギーを使うとして、どこを守らせるんでしょうか。村田を下げてサードか、阿部を下げてファーストか。それとも外野ですかねぇ。


☆原監督は別に監督として然程優れているとも思いませんが(笑)、印象としては、脇役が活躍する時は、巨人は強い。今年も確か脇谷に打たれて負けた試合がありましたが、橋本とか立岡とか、嫌なイメージしかない(笑)。CSでマエケンが寺内に一発打たれて負けた、なんてこともありました。強い時のヤクルトとかも、田中浩とか森岡、三輪、上田とか、嫌でしたね。日本ハムも、中島・西川・田中賢とか、嫌でしたね。中島なんて、顔も見たくない(笑)。


☆振り返って昭和61年のカープを見てみると、そりゃ相手にとっては、嫌なチームだったでしょう。スイッチヒッターで足もある、高橋・山崎の1・2番コンビ。慶彦さんには一発もありました。そしてクリーンナップの山本浩二・衣笠、長嶋・正田の小兵コンビ(笑)。この2人も守れて、足もある。息のつく暇もない打線だったと思います。外国人はおらず、大物補強もありませんが、チームは強かった。


☆もちろんそれぞれの球団にはチームカラーというものがあって、歴史というものがあるので、一概にこれがいい、ということはないのですが、去年のカープや日本ハムの成功、また巨人やオリックスの失敗を見ると、「失敗したから補強しよう」では、なかなかチームは強くならないんじゃないか、という気がします。


☆複数年契約やFA移籍した選手は、ケガや不振での離脱が多いのですが、例えばジョンソンは今年早々と3年契約を結びましたが、パフォーマンスは落ちなかった。また去年のカープは使った選手がことごとく活躍しましたが、これはつまり、半分は本人の努力、でももう半分は、チームがひとつにまとまってて、チーム状態がいいからなんだと思います。逆にチームがばらばらだと大物選手に頼る格好となり、プレッシャーもかかるでしょうし、自分ひとりが頑張っても「笛吹けど踊らず」みたいなことになる。挙げ句の果てにオリックスのように、T-岡田や金子、平野や佐藤達など、元々いた主力選手まで不振に陥る。金子なんて「どこも悪くない。原因があるとすれば精神的なこと」なんて言ってましたからね。


☆こうなるともう、人ひとりの力ではどうにもならない。森脇監督を福良監督に代えたところで、どうにもならんのです。


☆山口・吉川を獲ったことで、また杉内が復活したりすると、例えば昨年のルーキー桜井や今村始め、若手の先発する機会はなかなかない、ということになりそう。また野手も顔ぶれを見ると、打てばすごいけど打てなきゃ「はいサヨナラ」という野球になりそう。由伸監督の采配でどうこうできるメンツではありません。足も使えなきゃ、小技もできない。橋本・立岡や片岡・寺内とかがいた方が、よっぽど嫌だと思います。


☆さて、由伸監督がどんなチームを作って、どうチームをまとめるのか。意外に去年のオリックスみたいに、大物が離脱して仕方なく若手を使った方が、チームは勝ったりしたりして(笑)。


☆…あら、すっかり巨人の話(笑)。


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source : K.Oのカープ・ブログ。