2017年3月5日日曜日

【特集】6球団ドラ1の10年、カープ外国人の5年。


☆先日セ・リーグ6球団のドラ1を、里崎さんが分析した記事があったので、それを見てみると同時に、カープのここ5年の外国人選手を眺めることによって、ここ最近のカープが、ドラフト戦略と外国人の獲得でいかにチーム作りをしてきたか、ということを語ろうかと。


◇過去10年ドラ1選手から見たセ球団/里崎コラム上 日刊スポーツ 2/8(水) 11:16配信

 元ロッテの里崎智也氏(野球評論家)の「ウェブ特別評論」を掲載中。2017年1回目のコラム(31回目)は「過去10年ドラフト1位選手の活躍に見る考察~セ・リーグ編」です。

  ◇  ◇  ◇

 今月末からWBCに向けた侍ジャパンの合宿が始まる。球界を代表する28選手のうち16選手、57%超がドラフト1位(希望枠含む)入団だった。「ドラ1」という響きがそうさせるのか、チームの顔、球界を代表する選手としての期待値も大きい。今回は12球団をセ・パ2回に分けて「過去10年ドラフト1位選手」の入団時と直近成績をチェック、そこから各球団のドラフト戦略、育成状況がどうかを見る。もちろん、2位以下でも偉業を成し遂げた選手はいるが、今回は「ドラ1」にフォーカスする。

   ◇   ◇   ◇

【広島】

 06年高1位 前田健太(10年MVP、最多勝2回、防御率3回、奪三振2回、沢村賞2回)
 06年希望枠 宮崎充登(11年オフに現役引退)
 07年高1位 安部友裕
 07年社1位 篠田純平(15年オフに現役引退)
 08年大1位 岩本貴裕
 09年高1位 今村猛
 10年大1位 福井優也
 11年大1位 野村祐輔(12年新人王、16年最多勝、最高勝率)
 12年高1位 高橋大樹
 13年大1位 大瀬良大地(14年新人王)
 14年大1位 野間峻祥
 15年大1位 岡田明丈

 10年の1位の顔ぶれを見る。マエケン、今村、福井、野村、岡田、大瀬良、野間とチームの戦力になっている選手が多い。ドラフト戦略はここまで成功と言えるのではないだろうか。12選手のうち大瀬良は3球団競合の激戦をくじで制したが、マエケンを含めくじを引かない“1本釣り”が7人。昨年16勝を挙げ、セの最多勝、最高勝率の2冠に輝いた野村も単独指名だった。相手球団の狙いをしっかり把握し、実力選手を競合せずに競り落とす「単独路線」のドラフト戦略が印象的だ。情報を上げるスカウト陣も汗をかいているのだろう。

【巨人】

 06年高1位 坂本勇人(12年最多安打、16年首位打者、最高出塁率)
 06年希望枠 金刃憲人(現楽天)
 07年高1位 藤村大介(11年盗塁王)
 07年大1位 村田透(10年から米マイナー、今季から日本ハムへ)
 08年高1位 大田泰示(16年オフに日本ハムへトレード)
 09年社1位 長野久義(10年新人王、11年首位打者、12年最多安打)
 10年大1位 沢村拓一(11年新人王、16年最多セーブ)
 11年高1位 松本竜也(除籍処分)
 12年大1位 菅野智之(14年MVP、最優秀防御率、16年防御率、奪三振) 
 13年社1位 小林誠司
 14年高1位 岡本和真
 15年大1位 桜井俊貴

 菅野、沢村、小林、長野、坂本ら野手、投手のバランスがいい。タイトルホルダーも多く、ドラフト戦略は一定の成果を見せているのではないだろうか。今回の侍ジャパンにも坂本、菅野、小林が選ばれた。沢村、長野も代表クラスの実力の持ち主で、球界を代表する顔ぶれが多いという印象がある。16年オフのFAで大型補強したせいか、外部から選手を獲得するイメージがあったが、そればかりではない。内部からも育成は順調なことがうかがえる。

【DeNA】

 06年希望枠 高崎健太郎
 06年高1位 北篤(現巨人)
 07年社1位 小林太志(14年オフに引退)
 07年高1位 田中健二朗
 08年大1位 松本啓二朗
 09年高1位 筒香嘉智(16年本塁打、打点)
 10年社1位 須田幸太
 11年高1位 北方悠誠(現愛媛マンダリンパイレーツ)
 12年大1位 白崎浩之
 13年社1位 柿田裕太
 14年大1位 山崎康晃(15年新人王)
 15年大1位 今永昇太

 新人イヤーで8勝の今永、山崎康、須田、田中健、筒香が育っており、まずまず。ご存じの通り昨季2冠の筒香がズバ抜けている。高崎がもう一つ。小林も期待に応えられなかった。06年から数年ドラ1選手がくすぶっていた時代はDeNAの低迷期と重なっている。

【阪神】

 06年高1位 野原将志(13年引退)
 06年希望枠 小嶋達也(16年引退)
 07年高1位 高浜卓也(現ロッテ)
 07年大1位 白仁田寛和(16年オリックスで引退)
 08年大1位 蕭一傑(現在は台湾でプレー)
 09年大1位 二神一人(16年引退)
 10年社1位 榎田大樹
 11年大1位 伊藤隼太
 12年高1位 藤浪晋太郎(15年奪三振)
 13年大1位 岩貞祐太
 14年社1位 横山雄哉
 15年大1位 高山俊

 06~09年のドラ1が特に厳しかった。07年の高浜(ロッテ)は除いて09年までNPBから消えた選手が5人は少し多い。榎田も1年目62試合登板の活躍だったが、昨季は35試合とちょっぴり右肩下がりが気になるところ。11年に即戦力野手で獲得したはずの伊藤隼が物足りない結果となり、高山を再度即戦力野手でアタックする流れとなったのではないか。06~09年のドラ1が戦力となっていれば30歳前後の中心選手として回っていたはずだが、その影響が中堅どころ不在のチーム選手層に影響しているのではないだろうか。

【ヤクルト】

 06年高1位 増渕竜義(15年引退)
 06年希望枠 高市俊(10年引退)
 07年高1位 佐藤由規
 07年大1位 加藤幹典(12年引退)
 08年高1位 赤川克紀(15年引退)
 09年社1位 中沢雅人
 10年高1位 山田哲人
 11年高1位 川上竜平(16年戦力外)
 12年社1位 石山泰稚
 13年大1位 杉浦稔大
 14年社1位 竹下真吾
 15年大1位 原樹理

 12人中5人が引退。12年の石山も入団年は60試合で防御率2・78と活躍したが、昨年は13試合登板にとどまった。入団時と直近と比べ右肩上がりは、山田哲人ただ1人。山田を除きドラ1が活躍していないと言っても過言ではない。ここまでくると育成面の現場責任というより、むしろドラフト戦略に問題があるのではないかと思ってしまう。同情の余地もある。ここ数年はくじ負けしている。10年の山田は外れ(斎藤佑)外れ(塩見)1位で大当たりだったが、ここ5年を見ると15年高山俊×、14年安楽×、13年大瀬良×、12年藤浪×、11年高橋周平×と第1希望で獲得できない状況が続いた。16年は寺島を単独指名できただけに甲子園を沸かせた左腕に期待したい。

【中日】

 06年高1位 堂上直倫
 06年希望枠 田中大輔(16年オリックスで戦力外)
 07年高1位 赤坂和幸(11年から野手)
 07年大1位 山内壮馬(16年楽天で戦力外)
 08年社1位 野本圭
 09年高1位 岡田俊哉
 10年大1位 大野雄大
 11年高1位 高橋周平
 12年大1位 福谷浩司
 13年高1位 鈴木翔太
 14年社1位 野村亮介
 15年高1位 小笠原慎之介

 ともに3球団競合の末、獲得した堂上、高橋周の潜在能力が高いだけにこの2人には物足りなさを感じる。堂上も10年目の昨季ようやくキャリアハイの131試合に出場し打率2割5分4厘の成績を残したが、まだまだやれる。高橋周の4本塁打も少ない。野手のドラ1だけに奮起に期待したい。今回、侍ジャパンには岡田が選出され、2015年のプレミア12では大野も選ばれた。代表クラスが着実に育っている点は評価できる(過去11年間にドラ1の枠組みを変えると平田も侍入り)。ドラフト戦略は可もなく不可もなくといったところだが、高校、大学、社会人とバランスも考えた指名となっているようだ。ここ数年では13年鈴木、14年野村が目立たない点が気になるところ。

 ドラフト1位はご存知の通り、その時代のアマNO・1の実力選手だが、過去10年を見てもわかる通り、消えていく選手も多い。技術習得のために何千回、何万回と気の遠くなるような練習を繰り返すことのできる根気、けがの少ない肉体を持った者のみが生き残ることができる。そんな真摯に野球と向きあう後ろ姿をチームメートも見ている。そしてチームの大黒柱として野球の実力とともに信頼も得ていく。侍ジャパンの小久保監督が現役選手を引退する際だったか「自分には野球の才能はなかったが、努力する才能があった」と謙虚に話したコメントを耳にした。野球の才能に加え、10年以上プレーするためには常軌を逸するほど、努力し続ける才能を持っているかが、むしろ一番大事なのかも知れない。

9日はパ・リーグ編。

 ◆里崎智也(さとざき・ともや)1976年(昭51)5月20日、徳島県生まれ。鳴門工(現鳴門渦潮)-帝京大を経て98年にロッテを逆指名しドラフト2位で入団。06年第1回WBCでは優勝した王ジャパンの正捕手として活躍。08年北京五輪出場。06、07年ベストナインとゴールデングラブ賞。オールスター出場7度。05、09年盗塁阻止率リーグ1位。2014年のシーズン限りで引退。実働15年で通算1089試合、3476打数890安打(打率2割5分6厘)、108本塁打、458打点。現役時代は175センチ、94キロ。右投げ右打ち。

(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「サトのガチ話」)


☆カープでは、引退したのは6年の宮崎、7年の篠田の2人、またマエケンがメジャーへ。1軍で活躍していないのも6年の宮崎と12年の高橋大くらいで、というのも基本的にドラ1は、チームの中心となるピッチャーを指名しているから、というのはあります。マエケンに始まり、福井・野村・大瀬良・岡田と、いずれもエース候補のピッチャー。また今村くんも1軍で活躍。野手は、安部・岩本・高橋大・野間の4人。岩本は今頃、主軸のはずだったんですよね。


☆以前からお伝えしているように、野村監督の時代に丸がセンター、菊池がセカンドに定着し、緒方監督は田中くんをショートに固定。またドラフト戦略では基本的に、軸になり得るピッチャーを指名して、投手陣を整備しました。「投手を中心とした守りの野球」は何も緒方監督が言い出したことではなく、言えば黄金期からのカープの伝統であり、そこに戻そうとチーム再建に着手したのが、野村監督時代だった、という訳です。


☆ちなみに、12年のドラフトも1巡目は森(現楽天)、2巡目は増田(現西武)を指名、14年も1巡目は有原(現日本ハム)でした。ドラ1でまずいいピッチャーを獲る、という方針は、2009年以来ずっと続いています。




☆一方、ここ5年のカープの新外国人を見てみましょう。


◇ミコ、ジョンソン、エルド…最近5年間の広島の外国人は? ベースボールキング 2017.02.07. 10:00

 1日にプロ野球はキャンプイン。今季もカミネロ(巨人)、ジェンセン(ソフトバンク)、アラウホ(中日)など多くの新外国人選手が入団した。新外国人の活躍がチームの命運を分けることも少なくない。ここでは、最近5年間で広島の新外国人選手がどんな成績を残したのか見ていきたい。

【2012年】

 12年は投手がミコライオ、野手がニック、エルドレッド(途中加入)が入団した。

 ミコライオは入団当初はセットアッパーを任されていたが、シーズン途中から抑えに配置転換となり21セーブをマーク。

 野手ではニックが5月8日の阪神戦で3打席連続本塁打を放つなど、5月までの2カ月で9本塁打を記録。しかし、6月11日のオリックス戦で大怪我し離脱。

 ケガしたニックに代わる大砲として、シーズン途中からエルドレッドが入団。エルドレッドは、8月と9月の2カ月で11本塁打を放った。

<投手>
ミコライオ
12年成績:61試 3勝5敗21S 防2.79

<野手>
ニック
12年成績:52試 率.238 本9 点24

エルドレッド
12年成績:65試 率.262 本11 点35
☆途中加入

※2012年外国人…バリントン・ミコライオ・サファテ・バーデン・ニック・エルドレッド


【2013年】

 この年、球団初となるCSに出場した広島。シーズン途中に加入したキラが、打線の起爆剤となり、CS進出の立役者となった。

 キラは7月9日のDeNA戦でデビューを飾ると、同試合から3試合連続本塁打を記録。シーズン終盤には3番キラ、4番エルドレッドの大砲2人が打線を引っ張った。

 また、ルイスは開幕から1番打者として出場を続けていたが、日本の投手に対応できず、8月16日のDeNA戦を最後に一軍出場がなかった。

<投手>
ソコロビッチ
13年成績:11試 0勝2敗 防0.79

<野手>
ルイス
13年成績:79試 率.268 本4 点20

キラ
13年成績:66試 率.259 本14 点45
☆途中加入

※2013年外国人…バリントン・ミコライオ・ソコロビッチ・エルドレッド・ルイス・ニック・キラ


【2014年】

 この年は前年からプレーする助っ人外国人と、新助っ人で4つの外国人枠を巡った激しい争いが繰り広げられた。

 特にロサリオは、5月1日の阪神戦で4安打2打点の活躍を見せるも、外国人枠の関係で二軍落ちということもあった。シーズン序盤は一、二軍の往復が多かったが、9月2日の巨人戦でサイクル安打を記録するなど、シーズン終盤にはチームに欠かせない存在となっていた。

 投手は途中入団したヒースが、ナックルカーブを武器に7試合に登板して、3勝を挙げた。

<投手>
フィリップス
14年成績:9試 1勝0敗 防3.27

ヒース
14年成績:7試 3勝0敗 防2.38
☆途中加入

<野手>
ロサリオ
14年成績:69試 率.336 本14 点49

※2014年外国人…バリントン・ミコライオ・フィリップス・ヒース・エルドレッド・キラ・ロサリオ


【2015年】

 24年ぶりにリーグ優勝を目指したこの年、契約初年度の助っ人では球団史上最高額となる年俸1億円(推定)でグスマンを獲得するなど、球団の本気度が伺える補強を敢行。

 グスマンは打率.230、3本塁打、12打点と期待外れに終わったが、投手のジョンソンが素晴らしい働きを見せた。来日初登板となった3月28日のヤクルト戦、1安打完封で来日初勝利を挙げると、その後も安定した投球を見せ、リーグトップの防御率1.85、リーグ2位の14勝を挙げた。

<投手>
ジョンソン
15年成績:28試 14勝7敗 防1.85

ザガースキー
15年成績:19試 0勝0敗 防2.40

<野手>
グスマン
15年成績:34試 率.230 本3 点12

シアーホルツ
15年成績:65試 率.250 本10 点30
☆途中加入

※2015年外国人…ジョンソン・ザガースキー・ヒース・エルドレッド・グスマン・ロサリオ・シアーホルツ


【2016年】

 ジャクソン、ヘーゲンズ、ルナの3人はチームの中心として、25年ぶりのリーグ優勝に貢献した。

 ジャクソンは抑えの中崎翔太に繋ぐ、セットアッパーとして67試合に登板して、37ホールドをマーク。ヘーゲンズは先発、リリーフの両方をこなし、7勝を挙げた。

 中日から加入したルナは、広角に打ち分ける打撃で春先は4番打者としてチームを引っ張った。故障で離脱することが多く、シーズン通してプレーすることはできなかった。

<投手>
ジャクソン
16年成績:67試 5勝4敗 防1.71

ヘーゲンズ
16年成績:50試 7勝5敗 防2.92

デラバー
16年成績:2試 0勝0敗 防0.00

<野手>
ルナ
16年成績:67試 率.272 本5 点34
☆中日から加入

プライディ
16年成績:一軍出場なし

※2016年外国人…ジョンソン・ジャクソン・ヘーゲンズ・デラバー・エルドレッド・ルナ・プライディー


今季加入した外国人

【2017年】

ブレイシア
生年月日:1987年8月26日
出身地:アメリカ
ポジション:投手
身長/体重:183センチ/102キロ
投/打:右投/左打

ペーニャ
生年月日:1985年7月18日
出身地:メキシコ
ポジション:内野手
身長/体重:181センチ/91キロ
投/打:右投/両打

※2017年外国人…ジョンソン・ジャクソン・ヘーゲンズ・ブレイシア・エルドレッド・ペーニャ


当たり助っ人が多い広島

 この5年間をみると、投手ではミコライオ、ジョンソン、ジャクソン、ヘーゲンズ、野手ではエルドレッド、キラ、ロサリオなど当たりの助っ人が多い。

 ジョンソンは1年目の15年に最優秀防御率のタイトルを獲得する活躍を見せ、2年目の昨季も15勝、防御率2.15と抜群の安定感を披露した。広島の先発陣には欠かせない存在となっている。

 エルドレッドは12年に途中加入し、同年11本塁打を記録すると、翌13年は13本塁打。13年限りでの退団が濃厚となっていたが、野村謙二郎監督(当時)の強い要望により残留。14年には37本のアーチを描き、本塁打王のタイトルを獲得した。15年以降も、広島に数少ない長距離砲としてチームを支える。


☆ここで、外国人の編成を見てみましょう。


◇ここ6年のカープの外国人(○数字は年数)

▽2012年
先発 バリントン②
抑え ミコライオ・サファテ②

内野手 バーデン②・エルドレッド
外野手 ニック


▽2013年
先発 バリントン③
中継ぎ ソコロビッチ
抑え ミコライオ②

内野手 キラ・エルドレッド②
外野手 ルイス・ニック②


▽2014年

先発 バリントン④・ヒース
中継ぎ フィリップス
抑え ミコライオ③

内野手 エルドレッド③・キラ②
外野手 ロサリオ


▽2015年
先発 ジョンソン
中継ぎ ザガースキー
抑え ヒース②
内野手 エルドレッド④・グスマン
外野手 ロサリオ②・シアーホルツ


▽2016年
先発 ジョンソン②
中継ぎ ジャクソン・ヘーゲンズ・デラバー
内野手 ルナ
外野手 エルドレッド⑤・プライディー


▽2017年
先発 ジョンソン③・ヘーゲンズ②
中継ぎ ジャクソン②・ブレイシア
内野手 ペーニャ
外野手 エルドレッド⑥


☆基本的に投手は先発と抑え、または中継ぎ。野手は大砲、という流れでした。大砲として獲った野手は概ねクリーンナップを任される訳ですが、機能したのはホームラン王を獲得した時のエルさん、2014年のロサリオくらいでしょうか。2015年が象徴的な年で、1億をはたいてグスマンを獲得、さらに途中入団ながらそれを上回る額を積んでシアーホルツを獲得。先発にジョンソン、左の中継ぎにザガースキー、抑えにヒース、野手はエルさんにグスマン、前年活躍したロサリオにシアーホルツと、まあとにかく考え得る補強は全てしよう、という感じでしたが、ヒースは抑えを全うできず、グスマン・シアーホルツはケガがちだったこともあり、さらにグスマン・ロサリオは守備に問題があり、新井さんがファーストに入ると、外国人野手を同時に2人使えない、という状況に。結果的に、何ともバランスの悪い補強となりました。


☆で、2016年。どうしたかというと、まず投手陣は、セットアッパー・抑え候補として、ジャクソンを獲得。また先発・中継ぎ両方できるということで、言わば保険としてヘーゲンズを獲得。どちらも恐らく「シュール便」でしょうが、シュールさんの見立ては、間違いなかった、ということですね。


☆さらに野手は、懸案のサードに、ベテラン巧打のルナを獲得。また外野手でプライディーを獲りましたが、結局1軍で使うことはありませんでした。今までの補強の仕方だったら、まずプライディーをクリーンナップに据えていたでしょうね。


☆同時に、エルさんも4番には据えず、6番で起用。4番にはルナ、新井さんを起用しました。これは「ほら打てどんどん」のクリーンナップではなく、1・2番の出塁を生かし、なおかつ下位につなぐという、まさに打線を「線」として捉えて攻撃をしよう、という明確な方針の表れ。


☆プライディーではなくヘーゲンズを使い、4番にはエルさんではなく、ルナ。また今年は、ルナの代わりに、どこでも守れてスイッチヒッターの、ペーニャを獲得。サードはもちろん、菊池や田中くんを休ませる、なんて起用もできます。今年はWBCに2人が出場しますから、場合によっては開幕早々、そんなシーンが見られるかも知れません。




☆これまでの補強は、大きいのが足りないから大砲を、という、「外国人頼み」のような補強の仕方でした。でもそれだと、外国人がコケてしまうと、チームもコケてしまう。実際、2015年は、CS進出すら逃してしまいます。


☆でも2016年、つまり昨年の補強の仕方は、チームの形は出来上がっていて、そこに各選手がはまっていく、というもの。だから、足りないからとりあえず補う、という対症療法的な補強ではなく、最初から役割を明確にした形で、補強できる訳です。まただからこそ、誰が離脱しても、チーム全体にそんなに影響はない。ルナがいなければ安部がいるし、エルさんがいなければ松山や下水流が頑張る。ヘーゲンズが先発に回れば、今村くんが7回を抑える。新井さんが休んだって、チームは勝つ。


☆チームの形ができてなくて、それを取り繕うような補強の仕方では、チームは決して強くはなりません。巨人は今年マギーを獲りましたが、セカンドやるんですってよ、セカンド。あら、それでなくてもクルーズに片岡に山本に、重信も立岡もセカンド練習してるってのに。ルーキー吉川尚に吉川大、藤村もいまっせ。


☆1・2番は足を使えることが由伸監督の理想だそうですが、片岡も重信も立岡も藤村も、守るところがない。


① 9 長野
② 8 陽
③ 6 坂本
④ 3 阿部
⑤ 4 マギー
⑥ 5 村田
⑦ 7 ギャレット
⑧ 2 小林


☆あら、重量打線。この方が絶対に嫌ですけどね。


① 8 立岡(橋本・重信)
② 4 片岡(山本)
③ 6 坂本
④ 3 阿部
⑤ 5 村田
⑥ 9 長野
⑦ 7 ギャレット
⑧ 2 小林


☆1・2番は出塁率が問題な訳ですが、長野・陽ともに淡白な時は、外のボール球の変化球に手を出すので、ランナーなしでクリーンナップ、というパターンが増えそう。先頭で長野が出て、2番陽って、ほとんど仕掛けられない。点が入る時はメチャメチャ入るけど、入らない時はまるで入らない、という打線になりそうです。


☆それにしても長野って、打てる打順がない(笑)。1・2番じゃないし、3番でもない。5番でもないしなぁ。やっぱ下位なんですよね。ほんとはすごい選手のはずなんですけどね。


☆いずれにせよ、選手の方を基準にしてチームの形を変えてるようではダメですよ、由伸さん。「勝てるチーム」を作るにはどうしたらいいかを、考えなきゃ。今だに阿部におんぶに抱っこで、その「阿部依存」の構図からの脱却を考えるべき時期であるのなら、例えばマギーはやっぱり阿部のバックアップで使うべき。で、セカンドは山本なり吉川尚なりを使ったらどうですか。




☆さて、黒田さんが引退、ルナが去った、今年のカープ。ルーキーやペーニャ、ブレイシアが新しいメンバーとして加わり、大枠は変わらないものの、今年は今年でまた新たなチームとなります。先発は揃うのか、今村くん・ジャクソン・中崎くんの「勝利の方程式」は今年も抑えてくれるのか、ルナが抜けペーニャの加わった打線は、どうなるのか。新井さんは今年もやってくれるのか、若手の台頭はあるのか。


☆連覇は難しいことで、不安もあるのですが、K.O的には昨年同様、楽しみの方が大きいですかね。昨年、チームの形がある程度出来上がったのは、ほんとに大きいことだと思います。


☆今年のオープン戦は菊池・田中くん・誠也くんがいませんから、将来を見据えた戦い方もできると思います。まずはルーキーや若手、また昨年活躍できなかった人が、どれだけ出てくるか。オープン戦と言えど1軍という舞台で、しっかり自分のプレーが出せるようにしてほしいと思います。




☆さて、今日のカープ、あれこれ。


◇広島・岡田が5日阪神戦で登板「全力でアピール」 デイリースポーツ 3/4(土) 17:02配信

 広島・岡田明丈投手(23)が4日、マツダスタジアムで全体練習に参加し、5日の阪神とのオープン戦(甲子園)に備えて、キャッチボールなどで汗を流した。

 開幕ローテ入りが有力視される右腕は気合十分。「バッター一人一人という気持ちでやっていこうと思います。全力でアピールしないといけない」と力を込めた。


☆いやいや阪神、侍ジャパン・オーストラリアと撃破、1次リーグ突破ですわ(笑)。左バッターをしっかり抑えてほしいですね。


☆一方こちらは、侍ジャパンの、誠也くん。


◇【侍ジャパン】鈴木誠也、WBC本番へ準備万端!「楽しみです」 ベースボールキング 3/4(土) 18:00配信

 侍ジャパンの鈴木誠也(広島)が4日、大坂府内のグラウンドで行われた練習に参加した。

 発熱のため、福岡での壮行試合2試合を欠場した鈴木は「休んでいたので」とランニングや打撃練習などで約1時間半程度汗を流した。

 2日にチームに合流した青木宣親(アストロズ)と一緒に打撃練習を行った鈴木。時折、笑顔で話す姿も見受けられた。

 メジャーで活躍する大先輩から技術的な部分も教わったと話すが、具体的な内容は「秘密です」と口を閉ざした。

 実戦への不安はない。「試合勘もある程度戻ってきた。残り1試合、より本番に近い緊張感の中で準備していければ。集中してやっていきたい」と気持ちを高ぶらせる。

 「楽しみです。プレッシャーもないですし、早く本番になってほしい」。野手最年少22歳の若侍は声を弾ませた。


☆前回ノーヒットだった、誠也くん。本番前に、1本でいいんで、ヒットを打っておきたいですね。


☆おしまいは、待ってまっせ。


◇広島・赤松 マツダでナインと再会 胃がんから復帰へ決意新た「諦めたら終わり」 デイリースポーツ 3/4(土) 6:02配信

 胃がんからの復帰を目指す広島・赤松真人外野手(34)が3日、全体練習が行われたマツダスタジアムを訪れ、緒方監督やチームメートらにあいさつした。春季キャンプを終えたナインに刺激を受け、復帰に向けて誓いを新たにした。

 その目は、しっかりと前を向いていた。春季キャンプを終えたチームメートにあいさつした赤松は「みんな体は疲れていたけど、戦う目をしていた」と言った。久しぶりの再会を果たし、活力をもらった。胃がんからの復活をあらためて誓った瞬間でもあった。

 1月5日に切除手術を受け、現在は自宅から広島市内の病院に通院している。手術の影響で体重は約5キロ減の70キロになった。それでも既に腹筋や軽いジョギング、ストレッチを再開。できるだけ食事回数を増やし、体力の回復に努めている。

 入院中、自身の影響力の大きさを感じた。リハビリを兼ねて院内を歩く日々、ある変化に気が付いた。「歩く人が増えた。声を掛けてもらったし、ちょっとしたことでも勇気を与えられるんだと思った」。昨年末にがんを公表したとき、「前例になるようにしたい」と力を込めた。同じ境遇に立たされた選手の励みになりたい-。その思いは、さらに強くなった。

 日南や沖縄で汗を流すナインをテレビなどで見ると「うらやましかったな」とはにかんだ。抗がん剤治療は7月まで続く。この日も、あいさつ後に治療を受けるため、病院へ車を走らせた。「諦めたら終わりだからね」。自分を信じて一歩ずつ、前に進む。


☆転移さえなかったら、大丈夫。こればっかりは誰にも分からないのですが、元気にやってる人もたくさんいらっしゃいますから、きっと赤松も元気になってくれるはず。選手としての復帰云々は、それからですね。




◇3月4日のオープン戦

▽日本ハム 3 - 9 巨人 (1回戦 札幌ドーム)
 巨人は、重信、石川がともにマルチ安打。若手外野手2人が好アピールを見せた。対する日本ハムは、先発・エスコバーが3回途中6失点と振るわず。新助っ人が開幕ローテーション入りへ向け、不安を残した。

▽楽天 3 - 9 DeNA (1回戦 倉敷)
 DeNAは、佐野がオープン戦初のスタメン出場。2点適時打を放つなど、地元・岡山のファンに勇姿を見せた。対する楽天は、先発・森が6回途中5失点。開幕ローテーション入りへのアピールはならなかった。

▽ヤクルト 9 - 4 ソフトバンク (1回戦 鹿児島)
 ヤクルトは、大引と雄平がともに猛打賞の活躍。ベテラン勢が順調な仕上がりを見せた。一方のソフトバンクは、2番手・笠原が2回6失点の乱調。今季の一軍デビューを狙う左腕にとって、課題が残る結果となった。

▽中日 0 - 1 ロッテ (1回戦 ナゴヤドーム)
 ロッテは、佐々木、酒居、有吉がいずれも無失点。開幕一軍入りへ向けて、ルーキーがアピールに成功した。一方の中日は、吉見、山井、岩瀬、浅尾とベテラン勢がそろい踏み。1失点に抑えるリレーで、存在感を示した。


☆巨人は石川・宇佐見・吉川大の下位打線が4打点。立岡・重信の1・2番、いいじゃないですか。DeNAは佐野、いいですね~。楽天は、15四球もらいながら、3点(笑)。ヤクルト、今年は雄平がやりそうですね。ロッテは、オープン戦3連勝。…って、暴投でもらった1点ですけどね(笑)。


順 チーム 試 勝 敗 引 差
① 阪神  1 1 0 0 ー
  ロッテ 3 3 0 0 ー
 DeNA 2 2 0 0 ー
④ ヤク  2 1 1 0 1
  中日  4 2 2 0 0
⑥ 巨人  3 1 2 0 0.5
⑦ 日ハム 4 1 3 0 0.5
⑧ ソフバ 1 0 1 0 -0.5
  楽天  1 0 1 0 0
  西武  0 0 0 0 -0.5
  広島  1 0 1 0 0.5
  オリ  0 0 0 0 -0.5


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