2017年3月9日木曜日

'17 WBC 1次ラウンド B組 日本 対 キューバ(東京ドーム)。


 ◇スタメン

【日本】
① D 山田(S)
② 4 菊池(C)
③ 8 青木(A)
④ 7 筒香(De)
⑤ 3 中田(F)
⑥ 6 坂本(G)
⑦ 9 鈴木(C)
⑧ 5 松田(H)
⑨ 2 小林(G)
先発 石川(M)

【キューバ】
① 8 サントス
② 6 アヤラ
③ D セペダ
④ 7 デスパイネ
⑤ 3 サーベドラ
⑥ 5 グラシアル
⑦ 4 ベニテス
⑧ 2 モレホン
⑨ 9 セスペデス
先発 エンテンザ


(キ)1回表
先頭①R・サントス 4球目を打ってショート内野安打
 無死1塁
②A・アヤラ 5球目を打ってサードゴロ、しかしサードがファンブル
 無死1・2塁
③F・セペダ 4球目を打ってセカンドゴロゲッツー、2塁ランナー3塁へ。
 2死3塁
④A・デスパイネ カウント3-2から四球
 2死1・3塁
⑤W・サーベドラ 4球目を打ってサードゴロ、この回無失点。


(日)1回裏
①山田(S)セカンドフライ、②菊池(C)三振
 2死
③青木(A) 4球目を打ってレフトフェンス直撃のツーベース
 2死2塁
④筒香(De) ライト前先制タイムリーヒット 日本先制、日1-0キ。
 2死1塁
⑤中田(F) カウント3-2から四球
 2死1・2塁
⑥坂本(G) 3球目を打ってセンターフライ、この回1点。


(キ)2回表
⑥Y・グラシアル1球目を打ってセカンドゴロ、⑦C・ベニテス6球目を打ってセカンドゴロ、⑧F・モレホン2球目を打ってショートゴロ、この回三者凡退、無失点。


(日)2回裏
⑦鈴木(C) 7球目を打ってセカンドフライ
 1死
⑧松田(H) 2球目を打ってセンター前ヒット
 1死1塁
⑨小林(G)の時、松田盗塁
 1死2塁
⑨小林 6球目を打ってセンター前ヒット
 1死1・3塁、投手Y・イエラ(キ)。
①山田(S) 1球目を打ってサードゴロ、3塁ランナーアウト
 2死1・2塁
②菊池(C) カウント3-0から四球
 2死満塁
③青木(A) 4球目を打ってピッチャーゴロ、この回無得点。


(キ)3回表
先頭⑨Y・セスペデス 3球目を打ってレフトへツーベース
 無死2塁
①R・サントス 1球目をファーストへ送りバント
 1死3塁
②A・アヤラ 1球目をセンターへ同点の犠牲フライ、キューバ同点、日1-1キ。
 2死
③F・セペダ カウント3-2から三振、この回1失点。


(日)3回裏
④筒香(De)2球目を打ってファーストゴロ、⑤中田(F)1球目を打ってサードライナー、⑥坂本(G)6球目を打ってセカンドフライ、この回三者凡退、無得点。


(キ)4回表
④A・デスパイネ5球目を打ってセカンドゴロ、⑤W・サーベドラ4球目を打ってセンターフライ、⑥Y・グラシアル6球目を打ってレフトライナー、この回三者凡退、無失点。


(日)4回裏
⑦鈴木(C) 2球目を打ってライトフライ
 1死
⑧松田(H) 8球目を打ってセンター前ヒット
 1死1塁
⑨小林(G) 1球目をピッチャーへ送りバント
 2死2塁
①山田(S) 4球目を打ってレフトへの大飛球。ビデオ判定の結果、勝ち越しタイムリーツーベース 日本勝ち越し、日2-1キ。
 2死2塁
②菊池(C) 2球目を打ってサードゴロ、しかしサードが悪送球
 2死1・3塁
③青木(A) 1球目を打ってセンターフライ、この回1点。


(キ)5回表、投手則本(E)。
⑦C・ベニテス1球目を打ってセカンドライナー、⑧F・モレホンカウント3-2から見逃し三振、⑨Y・セスペデス3球目を打ってショートゴロ、この回三者凡退、無失点。


(日)5回裏
④筒香(De) 4球目を打ってレフトフライ
 1死
⑤中田(F) カウント3-0から四球
 1死1塁
⑥坂本の時、中田盗塁
 1死2塁
⑥坂本(G) 3球目を打ってレフト線へタイムリーツーベース 日3-1キ。
 1死2塁、投手J・ガルシア(キ)。
⑦鈴木(C) カウント3-1から四球
 1死1・2塁
⑧松田(H) 2球目を打ってレフトスタンドへ3ランホームラン 日6-1キ。
 1死、投手R・マルティネス(キ)。
⑨小林(G) 4球目を打ってサード内野安打、さらにサードの送球エラーによりバッターランナー小林は2塁へ。
 1死2塁
①山田(S) 3球目を打ってショートゴロ、2塁ランナー3塁へ。
 2死3塁
②菊池(C) 2球目を打ってライト前タイムリーヒット 日7-1キ。
 2死1塁
③青木(A) カウント3-0から四球
 2死1・2塁、投手J・マルティネス(キ)。
④筒香(De) カウント3-1から四球
 2死満塁
⑤中田(F) 5球目を打ってサードフライ、この回5点。


(キ)6回表
①R・サントス2球目を打ってピッチャーゴロ、②A・アヤラ2球目を打ってセカンドゴロ、③F・セペダ7球目を打ってピッチャーゴロ、この回三者凡退、無失点。


(日)6回裏
先頭⑥坂本(G) カウント3-2から四球
 無死1塁
⑦鈴木の時、坂本盗塁
 無死2塁
⑦鈴木(C)三振、⑧松田(H)カウント0-2から見逃し三振、⑨小林(G)6球目を打ってピッチャーゴロ、この回無得点。


(キ)7回表
先頭④A・デスパイネ 2球目を打ってライトスタンドへホームラン、日7-2キ。
 無死
⑤W・サーベドラ 2球目を打ってセンター前ヒット
 無死1塁
⑥Y・グラシアル 7球目を打ってセンターオーバーのツーベース
 無死2・3塁、⑦C・ベニテスに代打G・アービレイス。
⑦G・アービレイス 9球目を打ってセンターへ2点タイムリーヒット、日7-4キ。
 無死1塁、⑧F・モレホンに代打Y・アラルコン。
⑧Y・アラルコン 2球目を打ってショートゴロゲッツー
 2死
⑨Y・セスペデス 1球目を打ってセンター前ヒット
 2死1塁、投手岡田(D)。①R・サントスに代打J・デルガド。
①J・デルガド カウント1-2から三振、この回3失点。


(日)7回裏、①R・サントスの代打J・デルガドに代わりセカンドY・マンドゥレイ、⑦C・ベニテスの代打G・アービレイスそのままライト、⑧F・モレホンの代打Y・アラルコンそのままキャッチャー、ライトY・セスペデスがセンター。
①山田(S) 3球目を打ってライトフライ
 1死
②菊池(C) 2球目を打ってセンター前ヒット
 1死1塁
③青木(A) 2球目を打ってセンターフライ
 2死1塁
④筒香(De) 5球目を打ってライトスタンドへ2ランホームラン 日9-4キ。
 2死
⑤中田(F) 4球目を打ってセンターフライ、この回2点。


(キ)8回表、投手平野(B)。
②A・アヤラ 2球目を打ってショートゴロ
 1死
③F・セペダ カウント3-1から四球
 1死1塁
④A・デスパイネ 6球目を打ってセンター前ヒット
 1死1・2塁
⑤W・サーベドラ 2球目を打ってショートゴロ、ランナーそれぞれ進塁。
 2死2・3塁、投手秋吉(S)。
⑥Y・グラシアル 2球目を打ってセンターオーバーの2点タイムリーツーベース、日9-6キ。
 2死2塁
⑦G・アービレイス カウント0-2から見逃し三振、この回2失点。


(日)8回裏、投手A・サンチェス(キ)。
先頭⑥坂本(G) 2球目を打ってセンターオーバーのツーベース
 無死2塁、⑦鈴木に代打内川(H)。
⑦内川 1球目を打ってショートゴロ
 1死2塁
⑧松田(H) 2球目を打ってライト前タイムリーヒット 日10-6キ、さらにライトの送球エラーによりバッターランナーの松田は2塁へ。
 1死2塁
⑨小林の時、ピッチャー A・サンチェス ワイルドピッチ、2塁ランナー3塁へ
 1死3塁
⑨小林(G) 6球目を打ってセンターへ犠牲フライ 日11-6キ。
 2死
①山田(S) 4球目を打ってレフトフライ、この回2点。


(キ)9回表、投手牧田(L)。⑦鈴木の代打内川に代わりライト平田(D)。
先頭⑧Y・アラルコン 4球目を打ってレフト前ヒット
 無死1塁
⑨Y・セスペデス 2球目を打ってライト前ヒット
 無死1・2塁
①Y・マンドゥレイ 2球目を打ってセンターフライ
 1死1・2塁
②A・アヤラ 2球目を打ってセカンドゴロ、ランナーそれぞれ進塁。
 2死2・3塁
③F・セペダ カウント3-2から四球
 2死満塁
④A・デスパイネ カウント0-2から見逃し三振、この回無失点、ゲームセット(/--)/


3/7(火)19:00 1次ラウンド B組 東京ドーム
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 安
キ 0 0 1 0 0 0 3 2 0 6 11
日 1 0 0 1 5 0 2 2 X 11 14
勝 石川 1勝0敗0S
敗 イエラ 0勝1敗0S
本塁打 デスパイネ1号(7回表ソロ)松田1号(5回裏3ラン)、筒香1号(7回裏2ラン)
【キ】エンテンザ、イエラ、J・ガルシア、R・マルティネス、J・マルティネス、サンチェス - モレホン、アラルコン
【日】石川(M)、則本(E)、岡田(D)、平野(B)、秋吉(S)、牧田(L) - 小林(G)

【キューバ】
      打率 打 安 点
① 8 サントス
      .500 2 1 0
打 デルガド .000 1 0 0
  4 マンドゥレイ
      .000 1 0 0
② 6 アヤラ .000 4 0 1
③ D セペダ .000 3 0 0
走 D メサ  ---- 0 0 0
④ 7 デスパイネ
      .500 4 2 1
⑤ 3 サーベドラ
      .250 4 1 0
⑥ 5 グラシアル
      .500 4 2 2
⑦ 4 ベニテス
      .000 2 0 0
打 9 アービレイス
      .500 2 1 2
⑧ 2 モレホン
      .000 2 0 0
打 2 アラルコン
      .500 2 1 0
⑨98セスペデス
      .750 4 3 0
合計    .314 35 11 6

【日本】
       打率 打 安 点
① D 山田(S) .167 6 1 1
② 4 菊池(C) .500 4 2 1
③ 8 青木(A) .250 4 1 0
④7筒香(De) .500 4 2 3
⑤ 3 中田(F) .000 3 0 0
⑥ 6 坂本(G) .500 4 2 1
⑦ 9 鈴木(C) .000 3 0 0
打 内川(H) .000 1 0 0
  9 平田(D) ---- 0 0 0
⑧ 5 松田(H) .800 5 4 4
⑨ 2 小林(G) .667 3 2 1
合計     .378 37 14 11

【キューバ】
    回   球 安 三 四 失
エンテンザ
   11/3 43 4 1 1 1
イエラ 3   47 3 0 2 3
J・ガルシア
    0/3  7 1 0 1 2
R・マルティネス
    1/3  13 2 0 1 1
J・マルティネス
   21/3 44 2 2 2 2
サンチェス
    1   15 2 0 0 2

【日本】
      回   球 安 三 四 失
石川(M) 4   58 2 1 1 1
則本(E) 22/3 44 5 1 0 3
岡田(D) 1/3 4 0 1 0 0
平野(B) 2/3 15 1 0 1 2
秋吉(S) 1/3 5 1 1 0 0
牧田(L) 1   19 2 1 1 0


☆ま、まずは勝って何より。


◇日本がキューバとの乱打戦制す、3度目のWBC優勝へ白星発進 AFP=時事 3/8(水) 9:43配信

【AFP=時事】第4回ワールド・ベースボール・クラシック(2017 World Baseball Classic、WBC)は7日、東京で1次ラウンド・プールBの試合が行われ、3度目の優勝を目指す日本はキューバを11-6で下し、開幕戦を白星で飾った。

 5万4000人の観客が東京ドーム(Tokyo Dome stadium)に詰めかけたこの試合、日本は5回に松田宣浩(Nobuhiro Matsuda)の3点本塁打など、一挙5点を奪う猛攻を見せて主導権を奪ったが、7回に先頭のアルフレド・デスパイネ(Alfredo Despaigne)に一発を浴びると、ウィリアム・サーベドラ(William Saavedra)、ユリスベル・グラシアル(Yurisbel Gracial)、ギジェルモ・アービレイス(Guillermo Aviles)に3連打を許し、一時は7-4と3点差に詰め寄られる場面もあった。

 その裏の攻撃で筒香嘉智(Yoshitomo Tsutsugo)が2点本塁打をたたき込み再びリードを広げた侍ジャパンは、8回裏にも松田の適時打と小林誠司(Seiji Kobayashi)の犠飛が飛び出し、追いかけるキューバを突き放した。

 2006年の第1回大会と2009年の第2回大会に次ぐ3度目の栄冠へ向けて順調な船出を切った日本の小久保裕紀(Hiroki Kokubo)監督は、「序盤は緊張感があった」としたうえで、「選手が緊張するのはわかっていたので、落ち着きを保つことが重要だった。きょうはこれで終わり。われわれはすでに明日のことを考えているし、全試合に勝つつもりでいく」と語った。

 次戦、日本がオーストラリアと8日に激突する一方、巻き返しを図るキューバは中国と顔を合わせる。16か国がしのぎを削る今大会の決勝は、米ロサンゼルス(Los Angeles)のドジャースタジアム(Dodger Stadium)で22日に行われる。【翻訳編集】 AFPBB News


☆14安打と、よく打ちました。


◇キューバ戦勝利の侍J小久保監督「予想以上にプレッシャーがかかった」 ベースボールチャンネル 3/8(水) 11:09配信

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)プールBが、7日に東京ドームで開幕した。侍ジャパンは、初戦のキューバ戦を11対6で勝利。強化試合では阪神タイガース相手の負けを含む、2勝3敗で本番を迎えたが、小久保裕紀監督はかなりのプレッシャーを感じていたようだ。

「予想以上にプレッシャーはかかっていた。だが、選手は普段通りのプレーで入れていた」と小久保監督は試合後に語り、「初回、4番筒香のタイムリーはチームを落ち着かせてくれたし、追い上げられた後のダメ押しの2ラン。ここで一発打ってほしいなと思ったところで出た。そういう点でも、選手が地に足つけて、いい結果が出た試合だった」と、選手の落ち着きを評価した。

 一方で、「正直、こんなにプレッシャーかかるとは思ってなかった。僕が一番地に足がついてなかったんじゃないかなってくらい最初は緊張した。試合が始まってから5回くらいまではなかなか落ち着かなかった」と自身にかかる緊張も吐露した。

 8日にはオーストラリアとの試合が控えている。勝てば、2次ラウンド進出がぐっと近づくだけに、初戦とは違ったプレッシャーもかかるだろう。しかし、侍ジャパン全員がしっかり「地に足をつけて」プレーをすれば、結果はついてくるに違いない。


☆「打線は水物」とよく言いますが、キューバのピッチャーは制球力はあまりなく、きちんと攻めれば点の取れる投手陣、という感じ。で、大暴れしたのが、この人。


◇「悩んでごめんなさい」侍J小久保監督、4安打4打点の松田に脱帽 ベースボールチャンネル 3/8(水) 11:37配信

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)プールBが、7日に東京ドームで開幕した。侍ジャパンは、初戦のキューバ戦を11対6で勝利。三塁手として先発した松田宣浩の3ランを含む4安打4打点の活躍が光った。

 強化試合では田中広輔も三塁手として起用し、試合の前日はどちらを三塁手として起用するか悩んでいるとした小久保監督も、試合後の会見では「悩んでごめんなさい」と松田の活躍には脱帽だ。

 また、強化試合は11打数2安打だった松田は「強化試合のバッティング内容を見ると、あまりいい状態じゃなかったので自分でもまずいと思っていた」と話し、「今日はスタメンに使っていただいたので、今日から(リセット)と思って1打席目から初球から集中した。それがいい結果になった」と自身の活躍を冷静に分析した。

 初戦の活躍で侍ジャパンの三塁のスタメンの座が一気に近づいた松田。「独特の雰囲気の中で試合というのは進んでいくので、また明日も打席に入ったら超積極的に、バットを振って、チームの勝利のために全力で戦っていきたい」と8日のオーストラリア戦でも自身の持ち味を発揮してくれそうだ。


☆元々松田は、波のあるバッターですからね。ほとんど本能的に「決め」で打つバッターなので、それがはまれば爆発するのですが、ちょっとズレると、どツボにはまる(笑)。


☆で、8番松田が4安打4打点、9番小林が2安打に、送りバントに、犠牲フライ。この2人で5安打5打点、さらに上位へのつながりも出ました。


☆で、5回の5点を生んだのは、中田の「足」(笑)。


◇キューバ撃破!侍J 5回の猛攻生んだ中田の盗塁 東スポWeb 3/8(水) 16:44配信

【伊勢孝夫「新IDアナライザー」】日本代表がキューバを打力で圧倒した。試合は5回の松田の3ランで決まったようなもんだ。日本の打線は松田を8番に組むことで厚みが出ている。本来、打線は8番、9番になると弱くなるもの。まして9番は打撃にそこまで大きな期待のできない小林。しかし松田がいることで、その弱さを感じない。弱さを消している。8番・松田の組み方は見事だった。

 もちろん、松田の3ランも立派だが、その前の中田の盗塁が日本の勝利の一番のポイントだったと思う。5回、一死から四球を選んだ中田が果敢に盗塁を決めた。キューバからしたら「あの中田が…。なんでやねん」と思ったろうね。中田の盗塁は昨年が2つで、一昨年は1つ。3年間でわずかに3つしか成功していない。中田が走れること自体が大きかった。あの中田の盗塁が、(坂本)勇人のタイムリー二塁打、松田の3ランにつながった。

 おそらくスコアラーからの報告があったのだろう。日本代表のスコアラーにはヤクルトの志田がいる。同じチームで一緒にやっていたが、独特な見方を持って分析する一級品のスコアラーだ。

 彼がキューバの試合を偵察していたという話は聞いていた。スコアラーは変化球の癖、けん制の癖、クイックのスピードなど徹底して調べている。例えばクイックが1・2~1・3秒以内で、捕手のスローイングが2秒だとすれば、これはそう簡単には走れない。あのカウントでは変化球を投げてくるなど、走れる確実なポイントがあったと思う。各国の代表は各チームの寄せ集め。球威や球種はチェックできても、フィールディングやクイックなどは自軍のチームでもなかなか修正できない。だからこそスコアラーの観察力が重要になる。

 WBCなどの大会は、ペナントレースのような何試合も同じ相手と行うリーグ戦と違って、ほぼ初めて戦う相手。選手はビデオなどは見ていても、何も分からないまま戦うことになる。そんな時にスコアラーからの情報は、ものすごく頼りになる。例えばスライダーにしても1人ずつ違う。カウントを稼ぐ場合と勝負するとき。そうした細かな情報をうまく活用できる技術者の集まりが日本代表だろう。スコアは11―6。数字だけを見れば大味な試合だが、11得点は日本の野球の緻密さと、情報合戦の勝利の結果だった。

 投手陣には一抹の不安が残った。先発の石川はそこそこの投球をしたが、則本、秋吉、牧田など打ち込まれるケースがあった。それぞれ真っすぐに力があったり、変則であったりはするが、それだけでは通用しない。日本人らしい、きめの細かいコントロールが大事になってくるだろう。ただ、初戦の緊張感を差し引いて、次戦からは落ち着いてできるんじゃないかと期待したい。(本紙評論家)


☆里崎さんがあるWBCの特番で、第1回大会に出場した時、「メキシコにはガルシアが3人いた、違いなんて分からなかった」と言ってましたが(笑)、中田の盗塁は間違いなくデータを元にしたベンチの仕掛けでしょうね。で、こういうプレーが試合を動かす、というのは、特に国際大会では、よくあること。


☆その、里崎さんのコメント。


◇キューバ戦6失点も侍ジャパンに不安なし!? ベースボールキング 3/8(水) 11:45配信


◆里崎氏「次戦に向けて良い材料になった」

 侍ジャパンは7日、『第4回ワールドベースボールクラシック』(WBC)の1次ラウンド初戦、キューバに11-6で勝利した。『ショウアップナイタースペシャル2017 WORD BASEBALL CLASSIC 1次ラウンド日本×キューバ実況中継』で解説を務めた里崎智也氏が、侍ジャパンについて語った。


師岡アナ キューバ戦は、里崎さんがずっとおっしゃっていたキャッチャーのリード、配球。そのあたりが課題に残りました。

里崎 逆に勝てたというのがありますし、次戦に向けていい材料になった。キューバ戦の材料を活かして、2次ラウンド完璧に抑えてくれれば、キューバ戦の失点は良かったということになりますから、そういったことを期待したい。

師岡アナ 強化試合で不振だった坂本、松田が戻ってきた。

里崎 らしいバッティングしましたからね。

師岡アナ 山田にもいい当たりがでてきました。打つべき人が打ち始めて、後、中田がノーヒットでした。

里崎 (中田は)四球を2つ選んでいる。9番の小林が2本打っていますから、打順の巡りがよくなってきた。次戦以降、キャッチャーの小林にも期待したい。

師岡アナ 侍ジャパンにエールをお願いします。

里崎 打撃陣は2戦目以降も、打ち続けることを期待しています。投手陣は少し修正すれば大丈夫。1次ラウンドの2試合で、しっかり調整してもらいましょう。

(提供=ニッポン放送ショウアップナイター)


☆投手陣の話は、後程。


☆で、攻撃のきっかけを作ったのが足なら、試合の流れを作ったのは、守備。


◇侍菊池の好守「どれだけ投手うれしいか」黒田氏 日刊スポーツ 3/8(水) 12:02配信

<黒田博樹氏の侍ジャパン随行記>

<WBC:日本11-6キューバ>◇1次ラウンドB組◇7日◇東京ドーム

 広島とドジャース、ヤンキースで日米通算203勝を挙げ、昨季限りで現役を引退した黒田博樹氏(42)が東京ドームでキューバ戦勝利を見届けた。日刊スポーツに独占掲載する「侍ジャパン随行記」も開幕。いきなり1回、昨季までのチームメート菊池涼介内野手(26)がピンチ拡大を防ぐ二塁での好守をみせたことにうなずいた。終盤の打ち合いを制したことで、チーム一丸の姿勢が深まると期待を膨らませた。

 長い試合となったけれど、勝てたことがこれ以上ない結果だと思う。短期決戦の国際試合の初戦が持つ意味はとても大きい。勝たないことには次へ向けた反省もできない。投手陣は失点を重ねたものの、初登板という難しさがあった。加えてイニングの間合いの長さや点差など、目立たない難しさもあっただろう。

 だからこそ、先発石川が1回に23球を要しながら、4回1失点と試合を作ったことが大きい。もっとシンカーを使う印象があった。レギュラーシーズンであれば、決め球が本来の精度ではなければ長いイニングを考えて修正できるが、WBCは球数制限がある。その中で、きっちり4回を投げ切ったことに価値がある。個人的に初戦の先発が日本ラウンドの流れを占うと思っていた。初戦から早期降板となると、投手の使い方が繰り上げられる。石川が投手陣全体にいい流れを生んだ。

 試合の中で大きなポイントとなったのは、1回のキク(菊池)のプレー。投手が浮足だっているところで難しい打球を簡単にゲッツーに取ってくれると、どれだけ投手はうれしいことか。あの守備が試合を締めた。あれがなければ試合はもっともつれていたかもしれない。9回の二ゴロも簡単なように見えるのもキクだからだろう。抜けていたら嫌な展開になっていた。ところどころで彼の守備がポイントになった。

 1回の併殺がフォースプレーであれば、デスパイネと勝負しなければいけない状況だった。併殺になったことで投手心理、消耗度は全く違ったものとなった。ポジショニングだけでなく、集中力が持続している。常に1歩目が早い。マウンドではなく、外から見るとよりそう感じる。

 また、日本代表の特長でもあるチーム一丸という姿勢も感じられた。特に青木の存在が大きい。初ヒットは、出ないと、なかなか出ない。それを1回に簡単に打って得点につなげた。外野守備もだが、ただ1人参加している大リーガーの存在感が違った。

 また、4番の筒香も見ていて熱くなるものがあった。1回の先制打は彼らしい会心の当たりではなかったが、詰まりながら先制打となった場面からも伝わってくるものがあった。短期決戦ではそういう姿勢が重要だとあらためて感じた。

 今後の試合で打線がここまで打てるとは限らない。一方で投手陣もこれだけ毎回打たれるわけじゃない。今日は結果的に打線が打って投手陣を助けた。今後は逆の試合も出てくる。よりチーム一丸となって頑張ってほしい。


☆いやいやさすが黒田さん、見るとこ見てますね~。青木の存在は、カープで言う黒田さんや新井さんの存在に当たります。


◇菊池、中田、青木の守備で勝った。WBC初戦、打線爆発より嬉しい事。 Number Web 3/8(水) 11:51配信

 実は守り勝った試合だった。

 1回に青木宣親(アストロズ)の二塁打から4番・筒香嘉智(DeNA)の先制適時打に始まり、同点に追いつかれた後の4回には山田哲人(ヤクルト)の勝ち越し二塁打、5回には松田宣浩(ソフトバンク)の3ランと打線が爆発した。終盤にはキューバの反撃を受けたが、そこも筒香の2ランなど合計14安打11点を奪う猛攻での圧勝。侍ジャパンが世界一奪回に好スタートを切った。

 11対6という点数は、一見、打撃戦のようにも感じるが、実は勝負の分岐点となったのは序盤から一度もキューバに追い抜かれなかったこと、勝ち越しを許さなかったことにあり、そのカギを握ったのが侍ジャパンの守りだった。

 「独特の緊張感でスタートしたけれど、初回の菊池のプレーが大きかったですね」

 試合後の会見で小久保裕紀監督が開口一番に挙げたのが、立ち上がりの1回のピンチを凌いだ菊池涼介(広島)の守備だった。


◆菊池、坂本、中田へと繋がったビッグプレー。

 先発の石川歩(ロッテ)がいきなり先頭のサントスに足元を抜かれる内野安打を許すと、2番のアヤラのゴロを三塁手の松田がファンブルして無死一、二塁のピンチ。そこで飛び出したのが菊池のビッグプレーだ。

 3番・セペタの一、二塁間へのゴロを倒れこんで捕球すると、そのまま菊池独特の身のこなしで反転しながら二塁に送球。ボールはベースカバーに入った遊撃手の坂本勇人(巨人)から一塁に転送されて併殺が成立した。

 「とりあえず打球を止めようと。自分のプレーができたし、あれで僕自身も乗っていけた」

 菊池はこう振り返った。

 目立たなかったが、坂本からの低くライト寄りに逸れた送球を、身を挺して止めてアウトにした一塁手の中田翔(日本ハム)のプレーも大きかった。


◆勝ち越しを阻止した、青木のファインプレー。

 菊池のビッグプレーの直後に筒香のタイムリーで1回裏に先制すると、3回の守りでは青木のファインプレーが飛び出す。

 9番・セスペデス(ニューヨーク・メッツで活躍するヨエニス・セスペデスの異母弟)の二塁打と送りバントで1死三塁という場面。

 2番のアヤラの右中間寄りを襲った打球を、最後はフェンスに激突しながらジャンプ一番で好捕した。

 この一打が犠飛となり同点に追いつかれたが、もし抜けていれば同点でなお1死二塁か三塁に走者を背負うピンチが広がるところだった。

 それだけに勝ち越しを阻止したという点で、大きな意味を持つプレーだったわけである。


◆「守り勝ったという部分もあったと思う」

 青木は続く4回にも、センター後方への強烈なライナーを背走して、最後は逆シングルでグラブを差し出してキャッチする好守を披露した。

 「守り勝ったという部分もあったと思う」

 唯一のメジャーリーガーとして侍ジャパンに参加し、チームの牽引車的な役割も担っている青木は試合を振り返ってこう語った。

 「全てが先手、先手でいけたし、向こうに行きそうな流れも食い止めることができた。要所要所でそういうビッグプレーが多くあった試合だったし、その辺が堅くいった試合だったと思う」


◆キューバの猛反撃をキッチリ抑えた日本の守備陣。

 4番・デスパイネ(ソフトバンク)の本塁打を口火にキューバの猛反撃を受けた7回には、3点差とされてなお無死一塁で迎えた代打のアラルコンの痛烈なゴロを、坂本から6-4-3ときっちり併殺に仕留めてピンチを切り抜けた。

 9回1死一、二塁でも菊池が一、二塁間のゴロを横っ飛びで好捕して、勝利へと最後の一歩を前進させた。


◆今のキューバには153キロ以上を投げる投手は皆無。

 野球では守備にスランプはないと言われ、同時に打線は水ものとも言われる。

 今大会でキューバチームを追いかけているインターネットサイト「ベースボールキューバ」のピーター・ビヨークマン記者によると「今のキューバ代表は多くの選手がアメリカに亡命して、投手は第1回、第2回の大会に比べるとかなりレベルが落ちている。特にパワーピッチャー不足で、95マイル(約153キロ)を超える速球を投げる投手は皆無になった」と投手陣の質が低下していると証言する。

 強化試合で低迷していた打線が爆発したのは日本代表にとっては朗報だし、もちろん打たないより、打った方がいいには決まっている。ただ、そういうキューバ投手陣相手という現実を冷静に判断すれば、決してこの試合での猛打爆発を手放しで喜べないというのも、偽らざるもう1つの真実なのだ。

 きょう8日に対戦するオーストラリア代表戦で先発する右腕のティム・アサートンは長身のパワーピッチャーだけに、この投手をどう打ち崩すかに、侍打線の真価が問われることになるだろう。

 そして初戦勝利を振り返って、青木はこう語っている。

 「粘り強く戦うということがどれだけ大事かということをみんなが分かっていると思うし、粘って、粘って最後に突き放したというのが良かったと思いますね」


◆青木が伝えた「prove youreself right」。

 青木は試合前のミィーティングで、昨年シアトル・マリナーズで同僚だったロビンソン・カノー内野手がよく口にしていた「prove youreself right(自分が正しいことを証明しろ)」という言葉をナインに伝えた。

 「マイナーに降格したときに、この言葉に救われた。自信を持ってプレーすることが大切だ、とみんなに伝えたかった」

 きちっと要所を守り切ってムダな点を与えない。結局はそういう日本的な野球が正しいことを証明した開幕戦でもあった。

 「緊張するのでその中で冷静にやれるように選手には話した。守りでいいプレーがあったし、これを続けていきたい。(初戦勝利を収めたが)今日は終わりでまたあした。全部勝って2次ラウンドに行きたい」(小久保監督)

 世界一奪回に向けて、大きな最初の1勝が刻まれた。


☆強化試合がちょっと心配な感じだったんで、いろんな人がいろんなことを言う訳ですが、ま、それくらいプレッシャーがあった方が、引き締まっていいかも知れませんねぇ。今回のWBCのメンバーにはちょっと期待できない、なんてことを言う人が多いし、小久保監督の采配は何かと批判されがちですが、キューバ戦を見る限り、「走攻守」に渡って、昨年のカープが体現したような野球を、侍ジャパンはきっちりやってると思いますよ。


☆日本も、メジャー組は青木だけ、ダルビッシュもマーくんもマエケンも参加していない。ってんで、投手陣はかなり心配されてる訳です。


◇【WBC】侍ジャパン、白星発進も継投に課題 いまだ「勝利の方程式」決まらず Full-Count 3/8(水) 9:57配信


◆キューバ戦は救援陣が5失点、クローザーに「第一候補」の秋吉ではなく牧田を起用

 野球日本代表「侍ジャパン」は7日、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド初戦でキューバ(東京ドーム)と対戦し、11-6で勝利した。打線が14安打11得点と爆発する一方、投手陣は11安打6失点。先発の石川歩投手(ロッテ)は4回1失点と好投したが、救援陣がつかまり、「勝利の方程式」の確立へ課題を残した。

 先発の石川がゲームを作り、5回から登板した則本は2イニング連続3者凡退と快投。打線は1点リードの5回に一挙5点を奪って6点差と楽勝ムードになりかけたが、救援陣はここからキューバ打線に何度もヒヤリとさせられた。

 7回には3イニング目の則本が先頭デスパイネにソロ本塁打を浴びると、計5安打を浴びて3失点。3点差に迫られた。それでも、2死一塁で登板した岡田が代打デルガドを空振り三振に仕留めて流れを切ると、その裏に筒香の2ランが飛び出して5点差。再び日本ペースになったと思われた。

 だが、違った。小久保監督は言う。「強化試合を見る限り、(救援陣は)みんな調子が上がっていた。ただ、(救援陣は)本番での初めての投球で、相手がイケイケになっているので、止めるのは難しかったと思う」。8回から登板した平野は2死二、三塁とされ、ここで守護神「第1候補」の秋吉がマウンドへ。しかし、グラシアルのセンターオーバーの2点二塁打を浴びてしまう。5点差の9回は前回大会でもクローザーを務めた牧田が登板し、2死満塁のピンチを招きながら無失点に抑えた。


◆「勝利の方程式」確立へ「早めに(継投の)形を見つけられれば」

 打線が爆発したことで、最終的には逃げ切った。だが、継投が後手、後手に回ってしまった印象は否めない。WBC前の強化試合で、現在の調子や滑るとされるWBC球への適応の具合などを見るはずだったが、本番になれば、緊張感などでまた状況は変わってくる。小久保監督はそのことに触れつつ、盤石の継投策をこれから戦いながら決めていくことになるとした。

 開幕前には秋吉をクローザーの「第1候補」と明言していたが、この日は8回のピンチで投入。タイムリーを浴びた。そして、最後は牧田に任せるという形を取った。牧田のクローザー起用について指揮官は「そう決めていた」と振り返っている。また、権藤投手コーチは「誰がどのくらい通用するか試したい。最後は。それだけ決め手がない。これから戦っていく上で誰を抑えにするかも、これからの私の決断でもある」と言う。

 小久保監督は今後へ向けて「早めに(継投の)形を見つけられればいいんですけど、その時その時で判断していくことになりますね」と話した。この日のように打線が元気ならいいが、少ない点差のリードを守らなければいけない試合になった時に、「勝利の方程式」が必ず必要になる。とにかく早く、最高の形を決めたいところだ。


☆ま、批判する人なんてのは、「あー言えばこー言う」で、オリンピックでしたか、星野監督が岩瀬と半ば心中したのは随分叩かれたし、例えば昨年の日本シリーズでも、ジャクソン・今村くんの連投は批判されました。結局批判する人というのは、結果を見てしか批判しない。国際大会は短期決戦、その時々の調子に合わせて柔軟にオーダーを組むべきだ、と言ったかと思えば、抑えは早く決めるべき、と言う。


☆国際大会、特に決勝ラウンドでは、失敗は許されない。好不調の波の激しいピッチャーは、固定して使いづらい。秋吉や牧田など、変則ピッチャーは基本的に打ちづらいので、彼らを後ろで使うというのは、いい案だと思うし、どちらも抑えで行けるようにしておくのがベストだと思います。


◇V戦士・岩村明憲氏がWBC侍J初戦に見た課題と収穫「あらためて足は大事」 Full-Count 3/8(水) 12:08配信


◆捕手・小林に期待込めて檄「学びながら次の試合で成長を」

 待望の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が、ついに開幕した。野球日本代表「侍ジャパン」は7日、1次ラウンド初戦でキューバと対戦。両軍合わせて25安打17得点の乱打戦を11-6で制し、白星スタートを切った。

 本番に向けての強化試合で懸念されていた打線が目覚め、松田宣浩内野手(ソフトバンク)が今大会の侍ジャパン1号3ランを含む4安打4打点、4番・筒香嘉智外野手(DeNA)は先制点でチームを勢いづけ、7回にはダメ押しの2ランを右中間席に叩き込んだ。一方、盤石かと思われた投手陣は、初戦の緊張もあってか高めにボールが浮くことが多く、キューバ打線に6点を奪われる結果に。

 2大会ぶりの優勝を目指す小久保ジャパンは初戦勝利を飾ったが、第1回、第2回WBC優勝メンバーで、現在はルートインBCリーグ福島ホープスで選手兼監督を務める岩村明憲氏は、どう見るのか。WBCの持つ計り知れないプレッシャー、初戦が持つ独特の雰囲気を知る岩村氏は「まずは勝ってよかった。初戦を勝てたら、これほど気持ち的に楽なことはない。これはデカイね」と切り出した。

「初回に先制点を奪われそうな場面で、菊池(涼介)が見事な守備で防いでくれた。あのゲッツー(併殺プレー)はチームだけじゃなくて日本の野球ファンを勇気づけてくれたよ。あのプレーがあったから、1回裏の青木(宣親)、筒香の先制点につながったね」

 戦前は打線の得点力不足を心配する声が上がっていたが、岩村氏は「強化試合と本番は気持ちの入り方が違う。大丈夫。本番になれば打線は心配ない」と繰り返していた。その言葉通り、キューバ戦では先発野手全員が出塁し、山田哲人内野手(ヤクルト)を除く8人が生還を果たしている。ようやくつながった打線の中で、岩村氏が一番のポイントに挙げるのが、5回に中田翔内野手(日本ハム)が決めた盗塁だ。

「隙あらば1つ先を狙う姿勢は、今後の試合でもカギになる」

 5回1死からストレートの四球を選んで出塁した中田は、続く坂本勇人内野手(巨人)の2球目でスタート。ボールは大きくワンバウンドし、中田は楽々と二塁を陥れた。1死二塁と得点機を作ると、坂本が3球目を左翼線への二塁打とし、中田は一気にホームへ生還。この回合計5得点の猛攻を呼んだ。小久保裕紀監督も「思い切ったスタートだった」と褒めた。

「やっぱり中田翔だね(笑)。安打こそなかったけど、フォアボールを2つ選んで盗塁も決めた。あの二盗は大きかったね。翔は走らないだろう、と相手が思っている隙を見事に突いたプレー。もし盗塁せずに一塁にいたままだったら、勇人の二塁打でホームまで戻れたか分からないよ。あの回に一気にリードを広げられたのはデカイ。

 過去のWBCを見ても、日本は06年は13個、09年は11個、13年は7個の盗塁を決めている。初対戦の外国人投手を相手に打線が苦戦をするであろうことを想定したら、盗塁の非常に大切。あらためて足は大事だってことを知らされたプレーだったよね。走ることで得点チャンスを増やすだけじゃなく、相手の投手や守備にプレッシャーを掛けることができる。隙あらば1つ先(の塁)を狙う姿勢は、今後の試合でもカギになるよ」

 WBC王座奪還の道は始まったばかり。1次ラウンド、2次ラウンド、決勝ラウンドと勝ち進む上で、克服するべきポイントも見えた。伸びしろは無限大にある。そんな期待を込めながら檄を送るのが、小林誠司捕手(巨人)だ。

「小林君の配球とリードが少し心配になった。初回に石川(歩)が内野安打とエラーで無死一、二塁のピンチを迎えた時、打者がシンカーを待っているカウントでシンカーを投げさせていた。確かに石川の持ち味はシンカー。でも、その武器を生かす配球ができていたか。ちょっと疑問だな。

 それと球が高めに浮いた時、低めを要求する時にもっと大きなジェスチャーで投手に意識付けさせてもいいと思う。もちろん『低めに投げよう』って話をして言葉で伝えているんだろうけど、ピッチャーが投球モーションに入った時に、低めに投げろって大きくジェスチャーしてあげることも大事。マウンドで集中する投手には、大げさなくらいのアクションで示さないと届かない。

 今までの使われ方を見ても、小林君を中心にキャッチャーは起用していくんだと思う。だからこそ、実戦の中で学び、次の試合では成長した姿を見せてほしいね」


◆エース菅野に期待する投球は…「完全シャットアウト」

 実際に試合で指揮を執る人、プレーする人の大変さを分かりつつも「見る立場になると、どうしても完璧を求めてしまう」と笑う岩村氏。7回に則本昂大投手(楽天)がデスパイネにソロ弾を浴びた後に気持ちを切り替えるフォローはできなかったのか、控え野手を1イニングだけでも出場させて独特の雰囲気を感じさせた方がよかったのでは、と鋭い指摘は続くが、それができるのも白星スタートが切れたからこそ。初戦を取った勢いに乗り、8日に迎え撃つのはオーストラリア代表だ。ここでは日本のエース、菅野智之投手(巨人)がマウンドに上がる。

「期待するのは、完全シャットアウト。オーストラリアの息の根を止めるようなピッチングを見せてほしいね。65球という球数制限はあるけど、そこは気にせずに『俺がゼロに抑えてやる!』っていう気持ちを全面に押し出していい。

 オーストラリアは夏が終わったところで、選手の体の動きはいいかもしれない。でも、国内リーグを比べたら、NPBの方が断然レベルが高いんだから。そこはジタバタする必要はない。菅野に限らず、選手はみんな自分がするべきことに集中しさえすれば、必ず勝利を手にすることができる。期待してるよ」

 2勝すれば、1次ラウンド通過に大きく近づく。打線は好調を維持できるのか。エース菅野はどんな投球を見せてくれるのか。オーストラリア戦は8日午後7時に火ぶたが切って落とされる。


☆そのシンカーについて、こんな話。


◇侍ジャパンを「正常運転」にさせた石川歩の強心臓と7本の内野ゴロ webスポルティーバ 3/8(水) 12:44配信

 地に足がつかない── 。まさにそんな立ち上がりだった。

 先頭のロエル・サントスに内野安打で出塁を許すと、続くアレキサンダー・アヤラのサードゴロを松田宣浩が弾く。いきなりの無死一、二塁。今まさに”赤い稲妻”に打たれようとしている”侍”は、明らかに地に足がついていなかった。

 そして、それは戦いを見ている観衆も同じだったのかもしれない。4回目となるWBC、侍ジャパンに向けられる視線は「期待」というよりも、常に「懐疑」という色が強かったように感じる。それは大谷翔平の出場辞退が伝えられ、大会前の強化試合で苦戦するたびに、より色濃くなっていった。

 侍ジャパンは本当に大丈夫なの── ?

 不安が渦巻く落ち着かない雰囲気のなか、飛び出したのは菊池涼介のビッグプレーだった。フレデリク・セペダが二塁横に放った強烈な打球を半身で抑え、すぐさま反転して二塁キャンバスの坂本勇人に送球。ダブルプレーが完成した瞬間、一瞬にして雷雲が消え去ったかのような爽快感があった。試合後、小久保裕紀監督は「菊池のプレーが大きかったですね」と讃えている。

 結果的に日本はキューバを相手に11対6で勝利し、大事な初戦で白星を得た。「ヒーロー」は菊池以外にもたくさんいた。3ラン本塁打を含む4安打4打点を放った松田、2度の美技で大量失点の危機を防いだ青木宣親、主砲らしい先制タイムリーと豪快な本塁打を放った筒香嘉智。

 だが、これらの活躍の裏には、先発投手である石川歩の奮闘があったように感じられてならない。

 立ち上がり2イニングの守りを終えた時点で、気づいたことがある。「全部、内野ゴロだな……」と。初回のサントスの内野安打もアヤラの三塁ゴロ失策も含めれば、2イニングで実に7本のゴロが内野に転がっていた。

 試合後、捕手の小林誠司はこう明かしている。

「リズムを意識してやっていたので、結果的にゴロが増えて良かったと思います」

 いくら百戦錬磨のメンバーが集まっているとはいえ、代表選手とて人間。気持ちよく試合に入っていくためには、小林の言う「リズム」がほしくなる。立ち上がりに多くの内野ゴロをさばいたことで、日本の野手陣が徐々にほぐれていった……とは考えられないだろうか。

 石川は本格派投手ではあるが、奪三振を量産できるタイプではない。カーブで緩急をつけ、得意のシンカーでゴロを打たせるのが持ち味だ。当初は「大事なオープニングゲームを石川に任せて大丈夫か?」という声も耳にしたが、石川のゴロを打たせて野手を動かす投球は、大会を戦っていくための導入として最適だったのかもしれない。

 石川本人に聞いてみると、「『打ち取った』という打球は少なかったし、ボールは高かったし、まだまだですね」と反省を口にした。事実、この試合では本来ウイニングショットであるはずのシンカーがあまり機能せず、途中からスライダー中心の配球に切り替えていた。変化球の精度には不満が残ったようだ。

 リードした小林に聞くと、シンカーはコントロールよりも「スピード」に問題があったと明かしていた。

「(シンカーは)今日は空振りを取るというより、バットに当たってファウルになっていました。ベンチで(炭谷)銀二朗さんも言っていたんですけど、『いつもよりシンカーが速いな』って。僕も『やっぱり、そうか』と。緩急とかいろんなことを考えて、今日はシンカーよりスライダーを多く使いました」

 シンカーが本来の変化をしなかった理由について、石川は「メンタルの問題ではない」と言い、暗にWBC公式球との相性を示唆した。ただ、シンカーという片翼をもがれた状態でも、石川は先発投手として4回58球を投げきり、被安打2、失点1と大役をまっとうした。

 それにしても驚くべきは、石川の強心臓ぶりである。小久保監督は「僕がいちばん地に足がついてなかったんじゃないか」と言い、小林は「ものすごく緊張しました」と言った。4年に1度の大一番だけに、ごく当然の感想のように思えるが、石川は「まったく緊張しなかった」と言い切った。

「雰囲気はいつもと違いましたけど、普段通り投げられました」

 東京ガス時代にも石川のことを取材しているが、ここまで豪胆な投手だとは思いもしなかった。

 キューバ戦ではリリーフ陣が打ち込まれ、まだまだ前途多難な侍ジャパン。それでも不安視された野手陣が本来の実力を発揮したことは大いなる前進と言えるだろう。大会が終わるその時、「石川が開幕投手で良かった」と思える結末が待っているのか。戦いはまだ、始まったばかりだ。


☆いやね、石川はドラフトの時にもK.O、カープに欲しいな、と思っていたピッチャー。実は150㎞のストレートもありながら、制球力があり、シンカーのキレは抜群。マエケンのようなピッチャーだと思います。


☆初回はまだシンカーが速い、ということが、分かってない。セペダは甘い球なら球種に関わらず逃さず打つでしょう。シンカーを狙ってたというより、シンカーが速かった分、外に落ちなかったんで、セペダは打ったんだと思います。で、それを見た小林が試合中に修正して、スライダー中心にした。この辺は、小林がうまく対応したと思います。


☆打線では、山田や松田、誠也くんなど、クリーンナップの前後を打つバッターが、どれだけ機能するか。そしてピッチャーでは、この石川と、秋吉、牧田、宮西。この辺が、ポイントになる選手になると思います。




◇1次ラウンド
【A組】
▽3/6(月)18:30 高尺スカイドーム
韓国 1 - 2 イスラエル (延長10回)

▽3/7(火)12:00 高尺スカイドーム
台湾 7 - 15 イスラエル

▽3/7(火)18:30 高尺スカイドーム
オランダ 5 - 0 韓国



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source : K.Oのカープ・ブログ。