2017年7月7日金曜日

巨人13回戦(マツダ)。


 ◇スタメン

【広島】
① 6 田中
② 4 菊池
③ 8 丸
④ 9 鈴木
⑤ 7 松山
⑥ 5 西川
⑦ 3 安部
⑧ 2 會澤
⑨ 1 岡田

【巨人】
① 9 長野
② 7 重信
③ 6 坂本
④ 3 阿部
⑤ 5 村田
⑥ 8 陽
⑦ 4 中井
⑧ 2 小林
⑨ 1 菅野


☆先発は、カープが岡田、巨人が菅野。先に点を取られると厳しいですが、岡田くんは2~3点に抑えれば上等。今日は打線が頑張りましょう。左バッターに期待。


(G)1回表
先頭①長野 四球…(-_-;)
 無死1塁
②重信 送りバント失敗
 1死1塁
③坂本勇の時、重信盗塁
 1死2塁
③坂本勇 レフト前ヒット…カウント3-1から内角高めストレート。う~ん、ピンチ。
 1死1・3塁
④阿部 セカンドゴロゲッツー、この回無失点。…カウント2-2から外角低めチェンジアップ。凌ぎましたね。


(C)1回裏
①田中カウント1-0から真ん中低めカーブにレフトフライ、②菊池初球真ん中高めカットボールにライトフライ
 2死
③丸 四球
 2死1塁
④鈴木 サードゴロ、この回無得点。…カウント1-0から真ん中低めシュート。


(G)2回表
先頭⑤村田 ライトへツーベース…カウント0-1から外角高めストレート。
 無死2塁
⑥陽 ライト前ヒット…カウント1-2から内角低めボール球ストレート。これは進塁打に徹しましたね。
 無死1・3塁
⑦中井 セカンドゴロゲッツーの間に3塁ランナー先制のホームイン、巨人先制、広0-1巨。…カウント1-2から5球目、外角ストレート。
 2死
⑧小林 ファーストゴロ、この回1失点。…カウント1-2から外角高めストレート。


(C)2回裏
⑤松山 三振…フルカウントから外角スライダー。
 1死
⑥西川 センター前ヒット…初球外角高めストレート。
 1死1塁
⑦安部の時、西川牽制タッチアウト
 2死
⑦安部 センターフライ、この回無得点。…フルカウントから7球目、外角低めスライダー。


(G)3回表
先頭⑨菅野 四球…(-_-;)
 無死1塁
①長野カウント3-1から真ん中低めストレートにライトフライ、②重信カウント2-2から内角ストレートに見逃し三振、③坂本勇カウント2-0から真ん中低めストレートにサードゴロ、この回無失点。


(C)3回裏
⑧會澤初球ど真ん中ストレートにライトフライ、⑨岡田センターフライ、①田中カウント2-2から真ん中高めストレートにキャッチャーゴロ、この回三者凡退、無得点。


(G)4回表
先頭④阿部 ライト前ヒット…カウント2-2からど真ん中ストレート(-_-;)
 無死1塁
⑤村田カウント1-2から6球目、真ん中低め151㎞ストレートに見逃し三振、⑥陽カウント2-2から外角低めスライダーにショートゴロ、⑦中井カウント2-2からど真ん中ストレートにライトフライ、この回無失点。


(C)4回裏
②菊池カウント1-1から外角カットボールにショートフライ、③丸カウント2-1からど真ん中ストレートにセカンドゴロ、④鈴木フルカウントから7球目、真ん中低めカーブに三振、この回三者凡退、無得点。


(G)5回表
先頭⑧小林 ストレートの四球…出ました謎の、先頭⑧小林にストレートの四球(-_-;)
 無死1塁
⑨菅野の時、岡田ボーク
 無死2塁
⑨菅野 送りバント
 1死3塁
①長野カウント0-1から真ん中高めストレートにセカンドゴロ、②重信カウント1-2から外角ストレートに見逃し三振、この回無失点。…完全に大量失点につながるパターンでしたけどね(^^;


(C)5回裏
先頭⑤松山 センター前ヒット…カウント2-2から8球目、内角高めストレート。粘って松山が出ました。
 無死1塁
⑥西川 三振…カウント1-2から5球目、真ん中高めスライダー。う~ん(-_-;)
 1死1塁
⑦安部 ライト前ヒット…カウント2-2から6球目、外角低めボール球カーブ。さあチャンス。
 1死1・2塁
⑧會澤 セカンドゴロゲッツー、この回無得点。…カウント0-1から外角低めシュート。初球ど真ん中を見逃し。今度はカープが得点のパターンを逸しました(-_-;)


(G)6回表
③坂本勇 センターフライ…カウント2-1から外角ストレート。
 1死
④阿部 ファーストゴロを安部後逸…カウント0-1から外角低めカーブ。ミスが出ましたね。これも失点するパターン。
 1死1塁
⑤村田 レフト前ヒット…カウント0-2から6球目、真ん中高めストレート。こうなります(-_-;)
 1死1・2塁
⑥陽 レフト前ヒット…カウント1-2から内角ストレート。さらにこうなります。
 1死満塁、⑦中井に代打亀井。…由伸監督も勝負かけてきました。
⑦亀井 サードゴロゲッツー、この回無失点。…カウント1-1から外角高めストレート。いやいや、岡田くんがいいのか、巨人が悪いのか(^^;


(C)6回裏、セカンド寺内。⑨岡田に代打天谷。
⑨天谷カウント1-2から5球目、外角低めスライダーに見逃し三振、①田中初球内角スライダーにファーストゴロ、②菊池フルカウントから8球目、外角低め152㎞ストレートにファーストファウルフライ、この回三者凡退、無得点。


(G)7回表、投手中田(C)。
⑧小林カウント1-2から6球目、外角スライダーにサードライナー、⑨菅野の代打辻カウント0-1から外角低めスライダーにレフトフライ、レフト松山スライディングキャッチ
 2死
①長野 レフト前ヒット…カウント1-2から5球目、内角低めフォーク。外なら振ってくれたと思うんですが。
 2死1塁
②重信 レフト前ヒット…カウント2-1から真ん中高めストレート。
 2死1・2塁
③坂本勇 センターへ2点タイムリーツーベース、広0-3巨。…カウント1-1から内角ストレート。
 2死2塁
④阿部 ファーストライナー、この回2失点。…初球内角低めスライダー、安部ダイビングキャッチ。重い2点になりました。


(C)7回裏、④阿部に代わり投手マシソン(G)。⑨菅野の代打辻そのままファースト。
先頭③丸 四球…丸が出ました。
 無死1塁
④鈴木カウント0-2から内角フォークに見逃し三振、⑤松山カウント2-2から外角低めスライダーにサードゴロゲッツー、この回無得点。


(G)8回表、投手ジャクソン(C)。
⑤村田カウント1-2から外角スライダーにセンターフライ、⑥陽カウント1-2から外角低めボール球スライダーに三振、⑦寺内カウント1-2から外角低めボール球スライダーに三振、この回三者凡退、無失点。


(C)8回裏、投手西村(G)。
⑥西川カウント1-1から真ん中高めストレートにセカンドゴロ、⑦安部カウント2-2から外角低めストレートにサードゴロ、⑧會澤フルカウントから真ん中高め150㎞ストレートにショートゴロ、この回三者凡退、無得点。


(G)9回表、投手今井(C)。
先頭⑧小林 レフト前ヒット…カウント0-1から内角ツーシーム。
 無死1塁
⑨辻 センターフライ…カウント2-2から真ん中低めツーシーム。
 1死1塁
①長野 センターへ2ランホームラン、広0-5巨。…カウント2-2から10球目、真ん中高めストレート。今井って、フォークはなかったですっけ。
 1死
②重信 四球
 1死1塁
③坂本勇 サードゴロゲッツー、この回2失点。…初球真ん中高めストレート。


(C)9回裏、②重信に代わり投手カミネロ(G)。④西村に代わりレフト立岡。⑨今井に代打上本。
⑨上本 三振…カウント1-2から外角ワンバウンドのフォーク。
 1死
①田中 センター前ヒット…初球外角ストレート。
 1死1塁
②菊池カウント0-2から外角高めスライダーに見逃し三振、③丸カウント0-2から真ん中ワンバウンドのフォークに三振、この回無得点、ゲームセット。


広島 対 巨人 (13回戦 広10勝3敗0分 18時00分 マツダスタジアム 31136人)
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
G 0 1 0 0 0 0 2 0 2 5
C 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
勝 菅野 14試合8勝4敗
敗 岡田 14試合7勝3敗
ホームラン 長野4号②(今井)

【巨人】
     打 安 点 打率 本
① 9 長野 4 2 2 .272 4
② 7 重信 4 1 0 .167 0
  1 カミネロ
     0 0 0 .000 0
③6坂本勇5 2 2 .325 8
④ 3 阿部 4 1 0 .248 10
  1 マシソン
     0 0 0 ---- 0
  1 西村 0 0 0 ---- 0
  7 立岡 0 0 0 .211 0
⑤ 5 村田 4 2 0 .271 4
⑥ 8 陽  4 2 0 .280 2
⑦ 4 中井 2 0 0 .227 3
打 亀井 1 0 0 .198 1
  4 寺内 1 0 0 .143 0
⑧ 2 小林 3 1 0 .187 0
⑨ 1 菅野 0 0 0 .296 0
打 3 辻  2 0 0 .250 0
計    34 11 4 .241 43
残塁7、併殺2

【広島】
     打 安 点 打率 本
① 6 田中 4 1 0 .280 3
② 4 菊池 4 0 0 .270 5
③ 8 丸  2 0 0 .332 14
④ 9 鈴木 3 0 0 .296 16
⑤ 7 松山 3 1 0 .306 5
⑥ 5 西川 3 1 0 .299 2
⑦ 3 安部 3 1 0 .310 1
⑧ 2 会沢 3 0 0 .289 2
⑨ 1 岡田 1 0 0 .040 0
打 天谷 1 0 0 .227 0
  1 中田 0 0 0 ---- 0
  1 ジャクソン
     0 0 0 ---- 0
  1 今井 0 0 0 ---- 0
打 上本 1 0 0 .000 0
計    28 4 0 .275 83
残塁3、併殺4

【巨人】
    試 勝 敗 S 回 球 安 三 四 自 防御
菅野  14 8 4 0 6 82 3 4 1 0 2.34
マシソン
    31 2 0 1 1 14 0 1 1 0 1.75
西村  13 0 0 0 1 14 0 0 0 0 0.64
カミネロ
    28 0 3 16 1 11 1 3 0 0 2.61

【広島】
    試 勝 敗 S 回 球 安 三 四 自 防御
岡田  14 7 3 0 6 103 6 3 3 1 3.44
中田  31 2 1 0 1 21 3 0 0 2 2.08
ジャクソン
    35 1 2 1 1 12 0 2 0 0 2.62
今井  4 0 0 0 1 25 2 0 1 2 5.40

◇盗塁 重信(1回)
◇失策 安部(6回)
◇牽制死 西川(2回)
◇ボーク 岡田(5回)
◇試合時間 3時間03分


☆はい、昨日よりひどい負け(笑)。


◇【広島】4安打完封負け…2戦連続シャットアウトは2年ぶり 7/6(木) 7:04配信 スポーツ報知

◆広島0―5巨人(5日・マツダスタジアム)

 広島は4安打で完封負けした。2試合連続のシャットアウト負けは、優勝した昨季は一度もなく、2015年9月23~25日の3試合連続以来2年ぶり。

 緒方監督は「(菅野は)これから何度も対戦する投手。次は、1点1点という、しっかりとした攻撃ができれば」とリベンジを誓い、石井打撃コーチは「2つやられてすっきりしたところはある」と切り替えを強調した。


☆緒方監督のコメント。


◇緒方監督「みんなで戦っていくだけ」一問一答 7/5(水) 22:15配信 日刊スポーツ

<広島0-5巨人>◇5日◇マツダスタジアム

 広島が2戦連続の0封負け。先発岡田は6回1失点もテンポが悪く、攻撃にリズムを持って来ることが出来なかった。打線も巨人菅野の前に積極的に手を出すも、凡退。15年シーズン以来の2戦連続0封負けとなった。試合後の緒方孝市監督(48)の談話は以下の通り。

 -菅野相手の攻撃

 緒方監督 1点1点という攻撃をしっかりとしたかったけどね。

 -また対戦がある

 緒方監督 また後半戦何度も対戦する投手だろうし。次にしっかり1点1点という攻撃が出来るように。

 -岡田は結果は1失点だが

 緒方監督 こういう結果でね。岡田だけじゃなくて。攻撃、守りすべての面で反省すべき点は反省して。また次に生かせるようやってにいくだけです。

 -中田も打たれた

 緒方監督 逆球だから仕方ないでしょう。狙ったところと違うところにいってしまった。

 -鈴木の状態は

 緒方監督 結果だけで見てるわけじゃないよ。内容を含めたなかで。ただ今日はいい内容も少なかった。まあまた明日切り替えてね、しっかりと。誠也だけじゃなくてみんなで戦っていくだけです。


☆ふむ。緒方監督という人は、信念の強い人ですね。負けても勝つことしか考えてないし、次のことをもう考えてる。「1点1点取っていく野球が自分たちの野球」というのも、一貫してる。バディスタがミスしたとか、打てなかったとか、そんなことより、チーム状態を常に見てるし、「結果だけ見てる訳じゃない」ということは、先のこと、つまりシーズン終盤や、チームの将来に常に目が向いている、ということ。


◇広島・西川、菅野撃ちもけん制死「無理していく場面ではなかった」 7/5(水) 23:21配信 デイリースポーツ

 「広島0-5巨人」(5日、マツダスタジアム)

 広島・西川は「6番・三塁」で先発出場し、3打数1安打だった。

 二回の第1打席に菅野から痛烈な中前打を放ち「あそこで初球をヒットに出たのは良かった」と振り返ったが、直後に一塁けん制死。「いけたらいこうと思っていたけど、無理していく場面ではなかった」と悔やんでいた。


☆西川くんもスタメンで出ると冴えないことの方が多いのですが(笑)、いい経験をしてると思いますよ。昨年は安部がブレークしましたが、西川くんは経験を積めば、安部のライバルに十分なり得るだけの選手ですからね。


☆で、2戦連続完封負けの打線なんですが。


◇広島・石井コーチ 2戦連続完封負け「昨日のことを引きずった」 7/5(水) 22:51配信 デイリースポーツ

 「広島0-5巨人」(5日、マツダスタジアム)

 広島が、2年ぶりの2試合連続完封負けを喫した。菅野の前に六回まで3安打無得点。七回以降はマシソン、西村、カミネロのリレーに1安打に封じられた。緒方監督は「1点1点を(取る)、という攻撃をさせてもらえなかった」と振り返った。

 好投手攻略のため、ファーストストライクから積極的に仕掛けた。だが0-1の五回1死一、二塁で会沢が二ゴロ併殺打に倒れるなど、得点を奪うことはできなかった。田口と対戦した4日も完封負け。石井打撃コーチは「昨日のことを引きずったような気がした」と話した。

 18イニング連続無得点。それでもチームは誰一人として下を向くことはなかった。「長いシーズン、こういうことはある。逆にすっきりしたんじゃないかな」と石井コーチ。続けて「結果どうこうよりも、入り方は良かった。あとは結果なので。そこは、とやかく言うつもりはない」と力を込めた。

 首位快走の原動力は、リーグ最強を誇る攻撃陣だ。6日は連敗を止める。


☆タクローさんも、緒方監督と考え方は一緒。結果云々だけではなく、姿勢とか攻め方とか、内容も重視してる訳です。


☆もちろんそれは、結果というのは「今日負けた」というだけで、次につながる、という点では内容の方が遥かに大事ですからね。さしあたって3タテを食らう訳にはいかない訳ですから、もう明日のことを考えてると思いますよ。




☆岡田くんは、6回1失点。


◇【広島】岡田、6回1失点も…菅野との投げ合いに敗れる 7/5(水) 22:29配信 スポーツ報知

◆広島0―5巨人(5日・マツダスタジアム)

 広島・岡田明丈投手(23)が6回1失点で3敗目を喫した。

 唯一の失点は併殺の間。2回無死一、三塁で中井を直球で詰まらせ、注文通りに二ゴロ併殺打に打ち取ったが、この間に三塁走者が生還した。リーグトップの7勝で並んでいた菅野との投げ合いで、この失点が敗戦に直結してしまった。

 「先頭を出すイニングがほとんどだった。気をつけたいところができなかった。ただ、しっかりと投げ切れたところで、相手が打ち損じてくれた」

 粘りの投球だった。初回1死一、三塁のピンチで4番・阿部を迎えたが、外のチェンジアップをひっかけさせて二ゴロ併殺打。5回まで毎回先頭打者の出塁を許したが、後続を断ち切った。6回1死満塁では、代打の亀井を渾身の149キロで三ゴロ併殺。この日3度目の併殺打を打たせ、ピンチをしのいだ。しかし、相手投手が球界を代表するエースだけに、1点が命取りになった。


☆ま、微妙な調子でしたが、それでも大崩れせず1失点に抑えたのは、及第点。菅野は中4日ですから長いイニングは投げられず、リードして継投勝負になれば勝ち目もあったのですが、中田くん、今井くんの失点が響きました。中継ぎというのは大変な役割で、基本的には1点も失点できない役回り。こういう展開で出てきたピッチャーが無失点に抑えてくれれば、終盤勝負に持ち込めるのですが、中継ぎが失点した時点で、ジ・エンド。


☆今井くん、まだチャンスありますかね。ボール自体はそんなに悪くないのですが、長野との勝負に象徴されるように、打ち取れる球がない。スライダーなのかフォークなのかツーシームなのか。


☆長野や陽なんて、ボール球のスライダーで打ち取れると思いますけどね。




☆さて、ゲームについてはこれといって何もないので(笑)、今日はこんな話。


◇名打撃コーチが言う。「広島と阪神のバッターには決定的な差がある」 7/4(火) 8:00配信 webスポルティーバ


◆名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第3回

《現在、セ・リーグは昨年の覇者・広島が快調に首位を走っている。その広島を7.5ゲーム差で追っているのが、金本知憲監督率いる阪神だ。この両チームは交流戦明けの最初のカードで対戦。結果は雨天ノーゲームを挟んで、広島が連勝した。このカードを観戦した伊勢孝夫氏は、結果以上に、両チームの間にある決定的な差を指摘した》

 一昨年までヤクルトのコーチをしていたこともあり、この両チームの対戦をじっくり見るのは久しぶりだった。しかし、すぐに両チームの違い、より正確に言えば“差”を感じた。特に目についたのが、打席における打者の“意識の差”だ。

 たとえば、6月23日のカード初戦。広島打線は徹底した逆方向のバッティングで、阪神先発のランディ・メッセンジャーを打ち崩した。それに対して阪神打線は、広島先発のクリス・ジョンソンに何を仕掛けるわけでもなく、ただ打席に入ってバットを振っているだけに映った。チームとしてどう相手投手を攻略するのか。もちろん、試合前のミーティングはしているのだろうが、打席から攻略の意図がまったく見えてこなかった。

 逆方向という言葉はよく耳にすると思うが、これを意識することで強引なバッティングをしなくなり、ミートの確率も上がる。なにより、ボールをよく見ることにつながる。相手投手を攻略する基本的な攻め方なのだが、実はこれが簡単ではない。

 この試合、特に目立ったのが広島の菊池涼介だ。3回にメッセンジャーから追い込まれながらライトにヒットを放った場面があったが、あの打席、追い込まれるまで外角の真っすぐにピクリとも反応せず、いかにも「内角の変化球を待っています」という雰囲気を漂わせていた。

 ところが、2ボール2ストライクから外角に投じられた勝負球の真っすぐにコツッとバットを合わせ、ライト前に弾き返した。あれは2ストライクまでじっくり自分の打ちたい高さ、コースを待ち、最後に「そら来た」という感じでバットを出した打席だった。

 また、6月25日の試合で岩貞祐太からホームランを放った打席も興味深かった。菊池は内角に攻めてくる球を逆方向にファウルで逃げていたのだが、追い込まれると一転して引っ張り、レフトスタンドに運んだ。

 あれは菊池の名演技とも言えるが、それだけ打席できっちりとボールを見ているということにほかならない。もう“やりたい放題”といった感じだ(笑)。厳しい言い方になるが、阪神バッテリーが菊池の意識に追いつけていない。そんな印象を受けた打席だった。

 選球眼といっても、ただストライクとボールを見極めるだけではない。ストライクであっても、自分が打つべき球でなければ手を出さないことも、選球眼の大事な要素である。ただ、これが実に難しい。まず前提としてストライクのなかで自分が打てる球なのか、そうでないのかを瞬時に判断しなければならないからだ。よく打ち損じという言葉があるが、自分が打てる球に手を出し、それを捉える技術があれば必然的に打ち損じは減る。いい成績を残す打者に打ち損じが少ないのは、技術が優れているだけではなく、しっかりボールを見極めることができているからだ。

 ちなみに、打ち損じかそうでないのかはタイミングでわかる。タイミングが合っていての凡打なら打ち損じだが、タイミングが合わずに凡打になるケースは、打者の選択ミスである。つまり、打ちにいくべき球種やコースでないのにバットを出した場合だ。

 またバッティングというのは、打順や試合の局面で大きく変わってくる。そうした状況をどこまで頭に入れて打席に入れているのかも重要な要素になってくる。

 阪神の打者を見て感じたことは、初球から積極的に振ってくることだ。もちろん、金本監督の方針だろうし、積極的に打ちにいくこと自体、悪いことではない。ただ、阪神の選手を見ていると、球種もコースもお構いなく、ただ振り回しているだけに映った。要するに、自分が打てる球なのかどうか、十分な認識に欠けているのだ。

 たとえば、カウント2-1や2-0といった打者有利のカウントでさえ、狙い球を絞りきれていないスイングの選手がいた。結果、中途半端なスイングとなってポップフライというシーンが何度かあった。これなど、まさに“意識”に欠けた打席と言えよう。

 雨でノーゲームになった6月26日の試合では、初回に先頭の高山俊がカウント3-2から薮田和樹の投じた、見送ればボールの高めの球を空振りして三振。続く上本博紀は3-1から、やはり高めのボール球に手を出してレフトフライ。このふたりの打席を見て、いかに状況判断ができていないかがわかった。

 というのも、前日、阪神は1対13の大敗を喫していた。その翌日の試合となると、いかに先取点を取るかが重要になる。そう考えると、1、2番打者の役割はいかに出塁するか、である。それに広島先発の薮田の制球は不安定だった。「これなら無死一、二塁のチャンスがつくれるな」と思っていたのに、結果は二死走者なしである。

 このふたりに限らず、阪神の選手、特に若手には広島の選手たちと比べて大きな差を感じてしまった。打ちにいくのはいいが、それならせめてもっとしっかりしたスイングをしてほしいものだ。どんな練習をしているのか、疑問に思ってしまう。


《広島といえば、かつてはキャンプからトスやティー打撃と言われる練習で他チームと大きな違いがあった。たとえば、野村謙二郎、江藤智、前田智徳らが主力の時代。彼らが率先して、まるでボールを叩きつぶすのではないかと思うほどのスイングでネットに突き刺していた。その練習だけで足がフラフラになる光景は、カープの名物となっていた》

 私も広島には阿南準郎監督時代の2年間(1987~88年)、打撃コーチとしてお世話になった。高橋慶彦や正田耕三、小早川毅彦らが主力で活躍していた時代だ。

 その当時の広島の選手がバットを振る量たるや、他球団とは比べものにならないほど多かった。なかでも凄かったのが高橋慶彦だ。全体練習終了後、彼につかまると1000球ぐらい打ち込みの相手をさせられる。そうなると夜まで何もできない(笑)。とにかく「バットを振りすぎて死んだ者はおらん」というのが、当時の広島にはあった。その“伝統”は、スイングの量こそ多少は減ったかもしれないが、今もしっかりと受け継がれている。

 その象徴的な選手が鈴木誠也だ。6月27日の試合で、鈴木は初回に外角球を引っかける形で三遊間にゴロを放った。たまたま飛んだコースがよくレフト前にヒットになったが、次の2打席目も同じようなバッティングで、今度はショートゴロに倒れてしまった。このときの鈴木の悔しがり方はハンパなかった。

 おそらく鈴木は「また引っかけてしまった。わかっていたのに……」と思ったのではないだろうか。結果云々より、自分のスイングができず同じような不本意なバッティングをしてしまったことが腹立たしかったのだろう。

 だが、8回の打席では外角の球をしっかりライトに弾き返した。それまでの力任せの強引なバッティングとは違い、素直に強く叩く彼本来のバッティングを見せた。前までの打席の反省を、しっかりその試合で修正した。決して「ヒットを打ったからいいや」では終わらせない。それが鈴木の良さだろう。

 昨年“神ってる”でブレイクした鈴木だが、彼の活躍は決してまぐれとは思わないし、勢いだけでもない。しっかりとした技術があり、打席のなかでも高い意識を持っているからこそ、あれだけのプレーができたのだ。

 ペナントレースはまだ続く。もちろんこの先、広島、阪神とも「勝った、負けた」が繰り返されるだろうし、ゲーム差が一気に縮まることもあるかもしれない。だが現状を見る限り、両チームには順位以上に間違いなく大きな差があると感じた。それは“意識”という大きな差だ。


☆K.Oはよく「打席の作り方」という言い方をするのですが、「積極的に打つ」というのは、何でも手を出す、ということではなく、甘い球なら早いカウントでも逃さずに打つ、ということ。「打てる球」というのも、「ヒットを確実に打てる」、つまり確率の高い球を打つ、ということであって、手を出すのなら高い確率でヒットにしなければ、手を出す意味がそもそもありません。


☆そして菊池の「駆け引き」は、その確率をより高くしよう、ということ。投げてくれなければ、「投げさせる」しかない(笑)。


☆単純に、ボール球を見極め、カウントをバッター有利にすれば、ピッチャーはストライクを投げざるを得ず、甘い球の来る確率も高くなる。その前に早いカウントで打ち損じてくれると、ピッチャーにとってこれほど楽なことはない訳です。


☆そりゃ毎回打てればそれに越したことはないのですが、そうそう打てる訳じゃない。阪神の金本監督は、選手に「打つこと」「決めること」を期待してるように見えますが、カープの場合、打てなくても点は取れるはず、またより確率を上げるためにはどうしたらいいのか、を考えて選手がバッティングしてるように見えます。田中くん、丸も逆方向のバッティングは目立ちますし、新井さん然り、誠也くん然り、主力でさえ時にチームバッティングを見せる。そしてつなぎを重視し、「みんなで1点ずつ取る」攻めをする。


☆誰かに頼り、誰かが決めなきゃ点の取れない打線は、決める人にプレッシャーがかかり、決めるべき人が打てなければ、点は取れない。野球はせっかく「団体競技」なんですから、足や小技も絡めながら、みんなで攻撃した方が効率のいい攻めができるに決まってるんですよ。


☆さて、第3戦、打線がどんなバッティングを見せてくれるのか。さすがに3連敗はできませんからね。




◇セ・リーグ

▽DeNA 4 - 1 阪神 (10回戦 De4-6 横浜)
 DeNAが5連勝。DeNAは1点を追う4回裏、梶谷の適時二塁打で2点を挙げ、逆転に成功する。その後は5回に石川のソロ、8回には宮崎の適時二塁打でリードを広げた。投げては、先発・濱口が7回途中1失点の好投で今季6勝目。敗れた阪神は、打線がつながりを欠いた。
勝 濱口 6勝3敗0S
敗 メッセンジャー 7勝5敗0S
S 山崎康 1勝1敗11S
本塁打 【De】石川2号(5回裏ソロ)


▽中日 3 - 0 ヤクルト (12回戦 D8-4 ナゴヤドーム)
 中日は2回裏、1死二三塁の好機から福田の適時二塁打で2点を先制する。その後は6回に、藤井の犠飛で追加点を挙げた。投げては、先発・ジョーダンが6回無失点の好投で今季6勝目。敗れたヤクルトは、先発・星が試合をつくるも、打線が2安打無得点と沈黙した。
勝 ジョーダン 6勝2敗0S
敗 星 3勝3敗0S
S 田島 1勝4敗22S


☆ランナーは出しても、点が取れない。打てば勝つけど、打てなければ勝てない。DeNAは、打ってますからね。中日は相変わらず、らしい勝ち方、そしてヤクルトは…踏ん張りどころですね。


順 チーム  試 勝 負 分 勝率 差
① 広島   76 47 28 1 .627 ー
② 阪神   73 39 34 0 .534 7.0
③ DeNA 75 38 35 2 .521 1.0
④ 中日   78 35 40 3 .467 4.0
⑤ 巨人   75 33 42 0 .440 2.0
⑥ ヤクルト 75 28 46 1 .378 4.5


☆第3戦は、勝ちたいですね。


◇7月6日(木)の予告先発投手

○横浜DeNAベイスターズ
飯塚 悟史
1試合0勝0敗 防御率0.00 WHIP0.80
対T 0試合0勝0敗 防御率 - WHIP -
 VS (横浜 18:00)
○阪神タイガース
秋山 拓巳
12試合6勝4敗 防御率2.91 WHIP1.18
対DB 2試合1勝1敗 防御率3.29 WHIP124.44

○中日ドラゴンズ
R.バルデス
15試合4勝5敗 防御率2.65 WHIP1.14
対S 2試合0勝1敗 防御率2.00 WHIP -
 VS (ナゴヤドーム 18:00)
○東京ヤクルトスワローズ
D.ブキャナン
14試合5勝4敗 防御率2.55 WHIP1.25
対D 2試合0勝0敗 防御率4.15 WHIP -

○広島東洋カープ
K.ジョンソン
5試合3勝2敗 防御率4.71 WHIP1.64
対G 0試合0勝0敗 防御率 - WHIP -
 VS (マツダ 18:00)
○読売ジャイアンツ
畠 世周
0試合0勝0敗 防御率0.00 WHIP-
対C 0試合0勝0敗 防御率 - WHIP -


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source : K.Oのカープ・ブログ。