2018年11月29日木曜日
最近のカープ、あれこれ~'18.11.28、シュート完全習得・林の持ち味・阪神の話。
☆さてまずは、左の中継ぎとして期待のかかる、飯田くん。
◇サイドスロー転向のカープ・飯田、シュート完全習得へ意欲 丸の助言がきっかけ 11/28(水) 18:29配信 デイリースポーツ
昨秋からサイドスローに転向した広島・飯田哲矢投手(27)が28日、マツダスタジアムを訪れ、シュートの完全習得を誓った。
シーズン中に丸から「左投手は外だけじゃダメ。内角のボールがあれば左打者は意識する」と助言を受けたことがきっかけ。理想は今季限りで現役引退した巨人・山口鉄のようなスタイルだ。
もちろんスライダー、カーブなど持ち球も磨くつもりだ。飯田は「いいボールと悪いボールがある。ボールは毎日投げたい」と意欲的。今季14試合に登板した左腕が“左殺し”襲名を目指す。
☆6月・7月と9試合に登板して無失点だったのですが、その後立て続けに失点、終わってみれば防御率は6.23。結果を出していただけに、もっと起用されてもいいはず、という気持ちがどこかにあったのかも知れません。
☆自信を持つことは大事ですが、本当に自信を持っていれば、どんな場面に起用されても自分のピッチングをするだけ、と、邪念を払って、冷静にピッチングできるはず。来季はもう一回り大きくなって、「左殺し」になって下さい。
☆お次は、ドラ3林くん。
◇柳田、誠也らに引けを取らない広島ドラ3林の持ち味 11/28(水) 9:55配信 日刊スポーツ
<ニッカンスポーツ・コム/プロ野球番記者コラム>
広島に楽しみな逸材が加わる。ドラフト3位指名された智弁和歌山・林晃汰内野手(18)だ。仮契約の取材に出向き、まず目についたのが182センチ、88キロのどっしりとした体形だ。実家が農家を営んでおり、菜園で祖母や母が育てた野菜を食べて育ったという。
「長打を打てるのがアピールポイント。長所を生かして、ファンに愛される選手になりたい」。目標には本塁打王を掲げた。高校通算49本塁打。夏の甲子園で2本塁打を放ったが、その映像をあらためて見直すと、スイングに力強さを感じる。
これまで担当してきた球団の代表的な野手にソフトバンク柳田、オリックス吉田正、広島鈴木らがいた。共通するのは「振る力」にたけていること。林もその点では、彼らの後を追える素材であることは間違いない。
強打の智弁和歌山らしく、1日1000スイングを目安に打撃を磨いてきたという。「しっかり練習して早く1軍で活躍したい」とプロでも猛練習を誓う。背番号は今季まで松山が背負った44に決定。球団の期待もうかがえる。【広島担当 大池和幸】
☆甲子園で打った2本のホームランは、いずれも逆方向。映像で観ましたが、スイングは鋭いのですが、ボールの捉え方は柔らかく、自分のポイントまで呼び込んで打った感じでした。
☆いやいや、楽しみなバッターが入ってきました。守備もしっかり練習して、将来は「強打のサード」になって下さい。
☆さて、今日の丸さん。
◇巨人山口オーナー「結論まだ聞いていない」丸に言及 11/28(水) 19:42配信 日刊スポーツ
巨人山口寿一オーナー(61)が28日、都内で行われたオーナー会議後に広島からFA宣言し、獲得に向けて交渉中の丸について言及した。「丸選手は非常に素晴らしい選手ですよね。2年連続MVP、それだけチームに大きく貢献してきた選手。非常に尊敬すべき選手だと思っている。まだ、結論は出たという話は全く聞いていない。真剣に考えてもらえれば、本当にありがたいと思う」と話した。
丸の交渉と平行して今オフのさらなる大型補強を明言した。ここまで獲得が決まった中島宏之、炭谷銀仁朗については「それぞれ実績もあって、非常に意欲をもってジャイアンツに入ってきてくれるということなので、大いに期待をしています」と歓迎。その上で「今季は試合の終盤で苦労することが多かった。リリーフ、中でも抑えをどうするかという点は、これからまだまだ補強の努力が必要だと思っている」と守護神候補の獲得調査を示唆した。
☆ロッテにも、まだ連絡はなし。
◇ロッテの河合オーナー代行、丸からの連絡待ちを明かす「返事はまだ来ていません」 11/28(水) 15:59配信 デイリースポーツ
ロッテ・河合克美オーナー代行(66)は28日、広島からFA宣言した丸佳浩外野手(29)の獲得の進展状況について、「返事はまだ来ていません」と語った。この日、東京都内で開催された12球団オーナー会議に出席後、明かした。
河合代行は20日の納会後、「丸選手にはぜひ来ていただきたい。本社を挙げてバックアップする」と約束していた。
ロッテは丸サイドとの交渉を終えており、「井口監督を始め(出席の球団幹部が)誠実に対応したと聞いている。ぜひ、来ていただきたい」と再度のラブコールを送った。
ロッテは今年、球団経営の黒字額が5億円を超える見込みで、観客動員も過去最高だった。この勢いを“丸獲り”につなげている。
☆結局、本当に悩んでるんでしょうね。
☆その、丸。
◇セMVP・丸、来季はこだわりの「全試合出場」で受賞へ “持ち味”の四球と出塁率はシーズン歴代トップ10入り 11/28(水) 12:40配信 ベースボールチャンネル
広島東洋カープの丸佳浩外野手が27日、東京都内で行われた「NPB AWARDS 2018 supported by リポビタンD」で、2年連続のセ・リーグ最優秀選手賞(MVP)に輝いた。球団としては3年連続9度目(7人目)の受賞となる。
今季、リーグ3連覇を果たした広島は、今年も“タナキクマル”を中心とした攻守の万能プレーヤーが揃う。丸はその一角として主軸を担い、2年連続のMVPを手中に収めた。
昨季も同賞を手にした丸は、受賞後の記者会見で、「同じ賞を取ろうというよりは、しっかりといい数字を残せるように頑張っていこうと思って始まったシーズン」だったと振り返る。
今季は打率.306、39本塁打、97打点に加え、リーグトップの130四球(歴代4位)、出塁率.468(歴代8位)を記録。自身の持ち味であるという2項目については、「非常にいい数字が残せたかな」と胸を張った。
だが、今季は4月28日の阪神タイガース戦で、ダイビングキャッチを試みた際に、右太もも裏を痛めて戦列を離れた。自身の数少ないこだわりであるという「全試合出場」が達成できなかったことには、悔いが残るという。
「来シーズンは試合欠場せず1年間やったうえで、またこういう風に賞が取れたらいい」と全試合出場で3年連続受賞を目指す丸。「しっかりと全力プレーで、チームの勝利に貢献できるような選手目指して頑張りたいと思います」と来季の活躍を誓った。
取材・文:森田深志
☆四球、出塁率があってこその丸であって、終盤不振の時は、空振りが多く、打率も低い。もちろん四球も減り、出塁率も下がりました。丸自身は変化した、とは思ってないのかも知れませんが、逆方向への大きなホームランもなくなったし、スイング自体は変わっていたんだと思います。
☆さて今日は、阪神特集(笑)。
◇赤星憲広が残念がる阪神の実情。選手間の情報やりとりが「全然ない」 11/27(火) 7:22配信 webスポルティーバ
赤星憲広が語る阪神の現状【前編】
広島カープの強さが際立つ「1強5弱」の図式が明確になった2018年のセ・リーグ。広島以外の5チームがクライマックスシリーズ進出を争うなか、昨年2位の阪神タイガースにもチャンスはあったが、最終的には17年ぶりの最下位でシーズンを終えた。
「今年こそ」という思いを抱いていた阪神ファンも多かっただろうが、なぜチームはここまで苦しむことになったのか。かつて5回の盗塁王に輝くなど、阪神の絶対的なリードオフマンとして活躍し、現在は解説者を務める赤星憲広氏に、その原因を分析してもらった。
──今年、阪神タイガースはリーグ最下位となりましたが、この結果は予想されていましたか?
「開幕前に行なったセ・リーグ順位予想で、広島の優勝以外は悩みました。他の5チームは力の差がなく、どこがAクラスに入ってもおかしくなかったからです。僕はタイガースを2位と予想しましたが、球団のOBということで期待もあったかもしれません。他の解説者はBクラスと予想した方が多かったですし、評価は高くないと感じていました」
──昨年のリーグ2位でも、評価が高くなかった理由はどこにあったのでしょうか。
「昨年に登板が多かったリリーフ陣の疲労蓄積、(ウィリン・)ロサリオの出来次第という打線、それに、2年連続で活躍する若手の野手がいないこともマイナスポイントでした。2016年に活躍した高山(俊)と北條(史也)、2017年に開花したかと思われた中谷(将大)も次の年に大きく調子を落としています。今年活躍した原口(文仁)も昨季は不振でしたから、真価が問われるのは来年です」
──若手選手がなかなか伸びてこない原因は?
「原因は、『自覚』と『自己分析能力』が欠けていることにあると思っています。1年を通して結果を出した選手は、翌年に相手チームから徹底的にマークされます。チームを背負う責任感を持って、野手であれば相手チームの攻めを分析し、それに対応できるかが長く活躍できるかの分かれ道になるのですが、残念ながらそういった選手は見当たりません」
──首脳陣の責任も大きいと思うのですが。
「もちろん責任がないわけではありませんが、選手がスランプに陥った時には決まって指導者に批判が集中しますよね。少なくとも僕が現役だった頃から、タイガースには『成績が上がらないのは自分たちのせいではない』という風潮があって、マスコミや阪神ファンの方々もそう錯覚しているところがあるんじゃないかと思います。今年は責任を負う形で金本(知憲・前)監督と片岡(篤史・前)ヘッド兼打撃コーチが退任されました。しかし今年に限らず、指導者は短いスパンで代わる可能性があることを、選手たちはもっと意識しないといけません」
──赤星さんがタイガースにいた2001年からの9年間でも、監督が4回代わっていますね。
「そうですね。プロ野球では選手生命よりも指導者の任期が短いことも多いんです。人が代われば教え方や考え方も変わりますから、自分のスタイルを築いていないと、言われたことをすべて鵜呑みにするだけで上積みがなくなってしまう。経験豊富な首脳陣に頼ることは悪くはないのですが、試合に出た時は誰も助けてくれませんからね。そこを、カープの“タナキクマル“(田中広輔、菊池涼介、丸佳浩)や鈴木(誠也)などはわかっている。彼らは、自分たちの力で今の立場を不動のものにしたんです」
──具体的にどう克服していけばいいのでしょうか。
「自分で『同じ過ちを犯さないためにはどうするか』を考え、実行することです。僕の現役時代の話になりますが、ルーキーとして迎えた2001年は僕のデータがないので、相手の投手もいろいろ試しながら投げてきました。内角の球を何本かヒットにできて打率が上がりだすと外角中心の攻めに変わっていったので、外角の球を待つことが多くなった。それがハマり、2割9分2厘でシーズンを終えて新人王を獲得することができました。
しかし翌年は、『これでもか!』と言わんばかりに内角を攻められました。それを無理して打ちにいき、自打球を当てて足を骨折してしまい途中からシーズンを棒に振ることになります。そこで、内角のボールへの対処を必死に練習して克服すると、もともと得意だった外角にも球が来るようになり、3年目のシーズンは打率を3割に乗せることができました」
──データの活用が重要になりますね。
「そのとおりです。常にデータを見ることで、『苦手なコースがなくなったら、今度は緩急を使うようになってきたな』『四球を出したくないから、苦しいカウントになったらこれを投げてくるな』という発見があるんです。僕は自分がランナーに出た時の、後続の打者に対する配球データもスコアラーさんにリクエストしました。盗塁のためでもありますが、それが別の形でも生かせたんです」
──「別の形」とは?
「僕が出塁すると極端に配球が変わることを、当時のチームメイトである関本(賢太郎)に伝えていました。『あの投手は、俺がランナーに出た時はこういう配球になる。盗塁の素振りだけするから、関本はこの球を狙ってくれ』といったように。そういった選手間のやりとりがチームに波及し、勝利に繋がっていきました。現在はどうなのかと、球団の関係者に『今のタイガースはどう?』と聞いてみたことがありますが、『そういったことは全然ないですね』と言っていましたね」
──今季のタイガースの打線も、そういった“繋がり“が物足りないように感じました。
「上本(博紀)がケガで5月に登録を抹消されてから、機動力も使えなくなってしまいました。2塁からワンヒットでホームに帰ってくるのが難しい選手が多かったので、バントのサインが出ていない時でも進塁打を打つ意識が大切なのですが......。追い込まれてサードゴロを打ち、ランナーを進められない場面が目立ちましたよね。これは采配以前の問題ですから、来年は自分でゲームメイクしながらプレーすることをより意識してほしいです」
(後編に続く)
寺崎江月●取材・文
☆さて、この話に関連して、こんな記事。
◇矢野新体制で蘇る 阪神・高山自信の根拠 11/27(火) 16:40配信 東スポWeb
今季不振に泣いた阪神・高山俊外野手(25)が26日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改に臨み、600万円減の年俸3200万円でサインした。
高山は2016年に新人王を獲得するも出場機会は年々減少。3年目の今季はともに自己ワーストの45試合出場で打率1割7分2厘だった。大半が二軍暮らしとなった一年を「皆さんも分かっている通りの結果。僕自身が一番分かっているんでここで言わなくてもいいと思う」と振り返り、来季の巻き返しに向け「自信はある。目指していく方向性が固まっているからです。僕もこれで勝負できるかなというのがある」と豪語した。
普段から口数も少ない男が自信満々でいるのは初めて。理由の一つには矢野監督の新体制に代わったこともある。高山と親しい関係者は「前体制では、ああしろこうしろとやらされている感も強くて迷うしかなかった。でも、来年は今の首脳陣がキャンプでも『何をすべきか』と選手の自主性にかけた。それが高山にとって大きいものとなっている」と言う。
確かに矢野監督は選手との対話路線を重要視。選手に「どんなプレーヤーになりたいか」を求めて高山とも何度も話し合いをしてきた。もともとは他の選手からも「あれこれ言われるのを嫌う天才肌」と言われる高山にとってはまさに「最高の環境」が誕生した格好。今季の長い二軍暮らしの中で他球団の編成担当から「何で高山が二軍でいるのかが分からん。使い続けていけば結果は出る選手。もったいない」などと疑問の声が噴出していたのも自信の根拠となっている。
フロントからも「中心でやってくれなければいけない選手」(谷本球団本部長)とキーマンに指名された。「思うことはたくさんあるが、体制も代わってもう一回自分のスタイルで勝負する。そういう気持ちで今も練習できている。いい方向に行くと思う」。真価が問われる4年目の逆襲に注目だ。(金額は推定)
☆これはかなりストレートな首脳陣批判ですな(笑)。イチローさんや落合さんが打撃コーチの言うことを聞かなかったのは有名な話ですが、結局判断するのは自分で、人から言われたことは、いいかどうかを自分で判断し、いいものは取り入れていく、というスタンスでなければ、高山のようになってしまうんですよね。
☆で、これは、「間違った指導を首脳陣がしてしまった」ということではなく、むしろ選手がこういう状態に陥ってしまう今の阪神というチームの体質に問題があるんだと思います。金本監督は、ホームランを増やすような指導をしてたみたいですが、そもそも高山自身が、どんなバッターになりたいのか、というビジョンがあったのかどうか。その信念に基づくのなら、迷う必要はないはず。
☆もうひとつ。
◇【阪神】能見、若き内野陣に、マウンドに「声をかけにこい」 11/28(水) 6:11配信 スポーツ報知
阪神・能見篤史投手(39)が27日、「孤独なマウンド禁止令」を若手野手に出した。兵庫・三木市内のゴルフ場でテレビ番組の収録を終えた左腕の口調が熱を帯びた。「言わなかったら(マウンドに)遠慮して来ない。そうじゃない。グラウンド内で先輩、後輩は関係ない」。来季主将を務める糸原を始め、若き内野陣に「声をかけにこい」と、ゲキを飛ばした。
もちろん根拠はある。「間というか、野手が来てくれたら一人じゃないと投手は感じる」。来季プロ15年目が伝えたいのはその姿勢。グラウンド上で交わす、数秒のコミュニケーションが大切だと説いた。
矢野監督も「球児や能見が引っ張ってくれることは、俺らが言わなくてもやってくれる」と、肩書はなくとも左腕に全幅の信頼を寄せる。巨人の坂本勇も20代前半から積極的にマウンドへ向かい、年上選手にも声をかけて投手陣を陰ながら支えた。「まだまだ発展途上。チーム自体が若いから」と能見。阪神を変えたいからこその“禁止令”だった。(長尾 隆広)
☆これも結構重大な問題提起だと思うのですが、ベテランがいると、こういうところでもいい影響があるんですよね。カープの選手は選手同士でもよくやりとりをするし、内野陣もよく声をかけますが、こういうことは、練習ではなかなか学べないし、小さいことのように見えて、こういうことが結構大事なんですよね。
☆そもそも、ゲームの中で、何が大事なのか。意識の持ち方次第で、ピッチャーに声をかける、なんてのは、自然にそうなるはず。
◇赤星憲広が阪神の弱点を指摘。「投打を強化しても勝つことは難しい」 11/28(水) 7:20配信 webスポルティーバ
赤星憲広が語る阪神の現状【後編】
──前回は野手陣の話を中心に伺いましたが、投手陣についてはいかがでしょうか。
「昨年はリリーフ陣が頑張ったので、今年は先発の奮起に期待していましたが、最後まで苦しみました。11勝を挙げた(ランディ・)メッセンジャーは『よくやっている』としか言いようがありません。日米通算100勝に届かなかったのは残念でしたが、今年37歳になったベテランが毎年のようにローテーションを守り、2ケタ勝利を挙げているわけですからね」
──課題は野手と同じく、若手の伸び悩みにあると。
「そうですね。若手の投手は、秋山(拓己)の不調を引きずる形になってしまいました。開幕当初は高橋(遥人)が活躍の兆しを見せたものの、思うように結果が伸びず、後半に藤浪(晋太郎)が少し奮起した程度。結果として、昨年よりもリリーフ陣の負担が大きくなってしまった。能見(篤史)を後ろに回す起用もありましたが、持ちこたえることができない試合が多くなってしまいました」
──今年は首位のカープも投手陣が苦しんでいたように感じますが。
「確かに、2ケタ勝ったのは大瀬良(大地)と(クリス・)ジョンソンのみ。昨年15勝を挙げた薮田(和樹)は2勝にとどまり、野村(祐輔)も岡田(明丈)もそんなに調子はよくなかった。リリーフ陣も、(ヘロニモ・)フランスアがいなければ苦しかったでしょうね。その状況で勝てるのは、守備と走塁が圧倒的に優れているからです。
守備に関しては、センターラインがしっかりできていますよね。田中(広輔)と菊池(涼介)の二遊間、センターの丸(佳浩)はもちろん、會澤(翼)が捕手の核になったことも大きいと思います」
──対して、今年の阪神はセンターラインを固めることができませんでしたね。
「来年に向けてセンターラインを固めることが急務ですが、それだけの選手が揃っていないのが現状です。今年頑張ったセカンドの糸原(健斗)も、あくまで”第一候補”。ショートは北條(史也)と鳥谷(敬)が再挑戦すると言われていて、他の選手との競争は注目ですが、スタメンに固定される選手はすぐには出てこないでしょう。
捕手は梅野(隆太郎)がある程度の結果を残しました。盗塁阻止率を上げてゴールデングラブ賞を獲得したことに満足せず、レベルを上げていってほしいです。そして、僕も現役時代に守っていたセンターは、打撃よりも守備を重視するべきだと思います。現時点では中谷(将大)もしくは島田(海吏)になるでしょうか。いずれにせよ、現在はレフトが福留(孝介)、ライトが糸井(嘉男)とベテランが守っていますから、守備範囲の広い選手が必要なんです」
──センターは外野陣の要ということですね。
「センターの守備範囲は投手の配球にも関わってきますからね。ある先発投手は、以前に『センターが不安だと、外野に打たせてもいい配球ができなくなる』と言っていました。そうなると投球の幅が狭くなり、コントロールを重視するあまりに腕が思い切り振れなくなる。今の阪神はリリーフ陣が充実していますが、守備面の不安がなくなれば先発陣の成績もよくなり、リリーフ陣の負担が軽減されるという好循環ができるはずです」
──走塁に関してはいかがですか?
「これもカープから見ますと、四番の鈴木(誠也)まで足がありますし、打順の下位には野間(峻祥)、西川(龍馬)、安部(友裕)がいる、そうなると選手たちには、『繋げれば何とかなる』という意識が働きます。カープは盗塁数もリーグ1位(95個)ですが、あくまで”走塁力”が高いんです。エンドランや、内野ゴロでも常に次の塁を狙っていて、それを実現させる技術もある。
対する下位のチームはそこが弱点になっています。リーグ5位の中日は、大島(洋平)と京田(陽太)の2人がそこそこ盗塁できて、平田(良介)も走塁のセンスがある。しかし外国人選手以降は走力が落ちます。最下位の阪神も、走力があるのは糸井、上本(博紀)、植田(海)ぐらい。低迷するチームは走塁力の差を埋めない限り、いくら投打を強化しても勝つことは難しいでしょうね」
──あらゆる阪神の課題が出てきましたが、矢野燿大新監督に期待することは?
「今年から2軍監督として指揮を執り、”超改革”を実行して12年ぶりにファーム日本一に輝きました。ウエスタン・リーグの最多記録を樹立した盗塁数(163個)に目が行きがちですが、ファーストストライクを狙う積極的な野球が結果に表れたんだと思います。
今のタイガースは、すべてにおいて積極性に欠けています。簡単ではないでしょうが、1軍の選手たちにも”矢野イズム”を植え付けてもらいたいです。細かいところまで気を配れる監督なので、行けるところまで行ってダメでも、次の選択肢を考えて立て直すはずですから、期待して見守りたいです」
寺崎江月●取材・文
☆戦力としてはそんなに他球団と変わらないのに、なぜカープの得点力が高いのか。そして、そんなに強力な投手陣でもないのに、なぜリーグ優勝できたのか。それらの疑問に対する回答が、赤星さんの話には明確に示されていると思います。
☆つまりこういうことが「野球を知っている」ということで、進塁打や積極的な走塁、打線のつながりなど、数字や単純な戦力など形に表れる部分だけでなく、「無形の部分」も野球には大事な要素で、むしろその部分でカープと他球団とに差が出ている、ということなのです。
☆となると、そういうことができるチームを作ることが、まず首脳陣の仕事、ということになります。そこからスタメンなり起用なりを考える、ということになる。阪神の場合、チームのバランスを考えたら、センターには守備のいい、出塁率が高く足のある選手が入るのが理想的。高山や伊藤隼をセンターで使わざるを得ない陣容自体に、既に問題がある。となると、赤星さんのような選手をドラフトで獲ってない、あるいは、島田をセンターに据えようとしないから、チーム構成に歪みが出る。
☆簡単な話、糸井や福留がいる限り、高山や伊藤隼に守るところはない。で、糸井や福留を獲って、確かに主力として働いてますが、じゃあ阪神が強くなったかというと、今年は最下位だった訳です。ここが大事なポイントで、数年先を見据えて、優勝できるようなチーム作りを阪神がしてきたかというと、残念ながら答は「ノー」。FAで大物を獲れば戦力アップになる、という発想は、「競争」と言えば聞こえはいいのですが、はっきり言えば、現有戦力の否定になる。阪神を自由契約になった新井さんはカープで大活躍しましたし、そのバッティングはチームの勝利に貢献するものでした。また巨人にいた大田は、日本ハムに移籍して活躍します。逆に、もし由伸監督が阿部や外国人を優先して岡本くんを使っていなければ、今年の岡本くんの大活躍はなかった訳です。
☆もちろん岡本くんは、最初から計算されていた訳でも何でもない。監督が決断して、「若い実績のない選手」を、4番に据えたんですよ。
◇最下位だったのに…阪神、FA西など補強後手のウラに矢野監督 11/26(月) 16:56配信 夕刊フジ
【トラとら虎】
阪神は補強戦線で後れをとっている。具体的な動きといえば、オリックスからFA宣言した西勇輝投手(28)との交渉だけで、これもソフトバンク、DeNAとの争奪戦の最中にある。
最下位に転落したにも関わらず、大補強の気配すら見えないのは、監督交代劇の影響だろう。
「金本が留任していたら、西の交渉にも最初から直接出馬したはず。矢野は1軍を把握していない後ろめたさがあり、現有戦力の底上げ優先。2人の危機感の違いだ」と球団OBはみている。
巨人がこのほど獲得した前パドレスのビヤヌエバ内野手は今季20本塁打の大砲で、阪神も触手を伸ばしていた。“敗因”は条件面といわれるが、それだけではない。
「矢野は就任したばかりの遠慮があって強く要求しない。これが星野(元監督)だったら黙っていなかっただろう」と先のOBは指摘する。
巨人が前オリックス・中島を獲得し、広島からFAの丸の獲得にも乗り出しているのとは、あまりに対照的だ。
矢野監督は「来季の開幕スタメンは白紙」と競争心をあおるが、福留、糸井、鳥谷らに勝てそうな若手はまだ現れない。
目下物色中の新外国人が4番に座らなければ、Aクラス入りもおぼつかない。トレードしようにも、適当な交換要員がいない。この上、西と新外国人の獲得まで不発に終われば、お先真っ暗である。(スポーツライター・西本忠成)
☆…という発想なんですよね、巨人や阪神は。そういう発想だったからこそ、最下位になったんですよ、阪神は。K.Oは、補強なんてしなくても、やりようによって阪神は現有戦力で十分優勝を狙えると思いますよ。何なら外国人も要らない。4番候補には大山や陽川がいますし、ファーストとサードは彼らに任せればいい。北條は打撃でいいものを見せていましたし、上本を使わない手はない。島田を1番センターに据えられれば、大きな武器になります。
☆ドラフトが機能し、大物がFAで獲れない、となれば、戦力が均衡する中、他球団と差別化を図ろうとするなら、チーム力を上げていくしかない。目に見えない部分で、有機的にチームが機能して勝っていく、というチームを作り上げたところが、最終的に頂点に立つんだと思います。
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source : K.Oのカープ・ブログ。