2018年8月3日金曜日

ヤクルト学園:流れ星

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初日夜10時頃、
食事も済ませ沙耶香はテレビを観て
寝ようかと思って
ふと外を見てみると、
何やら夏美と川端が楽しそうに話している
沙耶香としては夏美など眼中にないと
肥を大にして言いたいところだが
川端と夏美は以前に
恋人同士だったことを考えると
無性に嫉妬心と苛立ちを感じ、
たまらなくなって沙耶香も外に出た。

沙耶香「2人で何を話してるの?」
川 端「沙耶香さんのことを話しとったんよ」
夏 美「沙耶香さんてチャレンジャーなんですね!」
沙耶香「どういうこと?」
川 端「夏美が留学してる間にあった武勇伝を
    教えとったんですわ」
沙耶香「余計なこと言ってないでしょうね!」
夏 美「日曜に間違えて出勤したって本当ですか?」
沙耶香「忘れ物を取りにきたの!」
夏 美「酔っ払って吐いてる
    川端さんを介抱してたら
    沙耶香さんがもらいゲロしたのは?」
沙耶香「まあそういうこともあったかも…」
夏 美「アイスを食べた後にそのまま寝ちゃって
    起きたら口の周りに蟻が群がってたのは?」
沙耶香「覚えてないねえ♪」
夏 美「酔っ払って伊勢校長に説教したのは?」
沙耶香「分かんな〜い」
夏 美「沙耶香先生、川端さんが好きなんでしょ?」
沙耶香「じょ、冗談じゃないわよ!」

沙耶香の心の中は
この九官鳥のようによく喋る、
川端に対して製鉄所のような熱い怒りが
猛烈に湧き上がってきた。
怒りを抑えるために沙耶香が
ふと空を見上げると流れ星が流れている。
(沙耶香「早くお願いことしなきゃだわ!
    どうしよ、どうしよ、早くしなきゃ!
    あ〜何か言わなきゃ!」)
生レバー食べたい
あまりにも急な流れ星の出現に
どうでもいいようなことを願ってしまい
愕然とする沙耶香……

夏 美「沙耶香先生、どうしたんですか?」
沙耶香「いや、なんでもないの。
    ちょっと考え事してただけだよ♪」
川 端「ほんまか〜〜?」

すると夏美がいきなり

夏 美「きゃ〜〜〜〜っ!!」

と叫び声をあげた、
川端も沙耶香も驚き身構えると
そこにはゾンビも真っ青の
顔面が原型を留めない人間らしきものが立っている。

沙耶香「なによ! あんたら!」
川 端「誰や! お前ら!?」

よく見ると先ほどまで過激バトルを
繰り返していた西田と中村が笑顔で立っていた。

西 田「さっきね、ホテルの人に頼んで
    生レバーを入手したんですよ、
    ゴマ油と醤油も頂いたんで
    一緒に食べましょうよ!」
中 村「新鮮なんで美味しいっすよ、川端さん!」

それを聞いてうなだれる沙耶香がいた、
本当に実現するなら
もっとマトモなことをお願いすれば良かったと、
後悔先っぽ勃たずとはこのことね、
ワタシも30過ぎたんだから
もっと落ち着かなきゃね。
はぁ〜〜〜残念……
少々の悲しみを味わいながら
もう既に心を切り替え生レバーを食す沙耶香、
ため息をつきながら
沙耶香はもう一度空を見上げたら
そこにはなんとまた流れ星が!
今度は失敗しないわよ、
川端くんと結婚って願わなきゃ! 急げ!
すると沙耶香がつぶやこうとした寸前に
夏美が流れ星を見ながら一言、
おろしニンニクが欲しいなあ…
するといきなりなぜか宮本が走ってきて

宮 本「生にんにく忘れとるやん!
    持ってきたったわ!」
夏 美「宮本先生、すごいいいタイミング♪」

沙耶香の心の中は土砂降り状態、
あまりにも衝撃的な出来事に放心状態。
それから流れ星を探すものの
まったく出現することはなかった。
完全にふてくされた沙耶香は
明日は5時起きなのにもかかわらず、
缶ビールの500mlをあたかも水のように喰らい、
若手教員の首を絞めながら心の傷を癒すのだった。

沙耶香の横にいた館山が
彼女の泥酔愚痴を聞きながら空を見上げると
まさかの流れ星がひとつ、
館山は瞬時に願い事をつぶやいた。

由くんなんか
由くんなんかさ、
こんにゃくの角に
頭をぶつけて痛い目に
合えばいいんだよ。
由くんなんか、
由くんなんか、
ボクは大嫌いなんだよっ!


流れ星は消えた、
するとホテル3階のある部屋から
宮城弁らしき言葉で
「ぎゃ〜〜〜っ」と悲鳴が上がったそうだ。

沙耶香は絶好調に酔っ払って野獣化し、
軽量の三輪をジャーマンで投げ飛ばしたり
巨漢の畠山にはパワーボム、
山田には三角絞め、
山田は苦しいというより
これ以上ない悦びという表情でギブアップ♡
最後の闘いは、
なんと夏美を選び睨みつけた。
麦わら帽子と白いワンピースの
コンビネーションが抜群の夏美が
沙耶香に今まさに襲われようとしている。
顔面蒼白で怯えて逃げる夏美、
野獣化した沙耶香、
川端はまったく気付いてないぞ、かなりヤバイ!
するとまたここで流れ星が!

沙耶香「なに?」
夏 美「ウソ!」

すると流れ星にも気付きもせず
見かけによらず結構酒飲みの
秋田出身の石山がここで一言、

石 山「きりだんぽ食いでえなあ…」

するとまさかの…

ツバメ「ツバメ急便です、
    お急ぎのお荷物をお届けに参りました!」

なんだこれはと石山が
クールツバメ便の箱を開けるとそこには
地元秋田では大ブレーク中の「耳ダンボ」が入っていた。

石 山「これなんだが?」

それを耳にした沙耶香は、
太陽のコロナに相当する熱を帯び、
石山をスリーパーで眠らせた。

もう午前1時だ、
早く寝なければ明日がキツいぞ。
ヘベレケに酔っ払った野獣沙耶香は
夏美の麦わら帽子にゲロをした。
沙耶香曰く、

沙耶香「ちっきしょ〜、夏美な、
    麦わら帽子は洗ってけえすからよ、
    ひんぱいすんな、ばーか」

と言うと寝てしまい、
川端と夏美に引きずられて
部屋に戻っていく沙耶香だった……
砂浜に虚しく残る沙耶香の足の2筋の線、
ああ〜明日はかなりまずいなと。

追伸:本物の尾形沙耶香様は、
2015年に結婚して今年の6月18日に
男子を出産したそうです、おめでとう。
陰ながら応援しています。


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source : 梅造イズム