気がつけば優勝の可能性も完全になくなったようである。時間の問題であったとは言え、完全消滅というのは大変寂しい。最後までささやかながら応援を続けたいとは思うが、実質的には5位争いが残っているだけであり、また長いオフが始まるかと思うと大変寂しい思いである。
朝倉も引退するようで、岩瀬と山本は残留という報道も出ているものの、朝倉も含めて数多くの有名選手、偉大な実績を残してきた選手達が今年で引退するのは間違いなさそうである。他に類を見ないシーズンと言っていいだろう。小笠原はさておき、これだけ実績を残した選手が多くいるというのは黄金時代の遺産であり、その思い出との決別という意味もあるだろう。大変寂しい限りである。
就任時には井端の移籍や大幅な減俸があり、昨年は小林正人の引退があり、今年は満を持して一気にベテラン勢がチームを去ろうとしている。僅か2年のうちにこのような大幅な再構築が行われるのを見ると、落合GMはCRO、すなわち最高再構築責任者としてチームに招かれたのかと思ってしまう。CROといえばジャッキーのイメージが強く、一時には評価が難しい仕事ではあるだろうが、しかし落合GMにおいては仮に再構築が1つの命題であったとしても、勝ちながらというのは当然の期待であったに違いない。その意味で最も大きく期待されたいた部分に対して期待を裏切る結果になったと評価せざるを得まい。
原因としては、戦力というのはどこまでもあればあるほどいいというものであるが、しかしまずまずの選手が多くいた今季においては、うまく起用すればもう少し勝てていたのではないかという印象である。それが監督のせいなのか、コーチのせいなのか、組み合わせのせいなのかは分からないが、落合GMという視点で見れば、戦力の充実よりも首脳陣の組閣に失敗したのではないかと感じている。
落合GMは監督時代、「選手に俺のレベルを求めることはできない」というような発言をしていたように記憶している。そこから推測すれば、「谷繁監督に落合監督のレベルを求めることはできない」と達観した目線で監督の采配を見ていたのかもしれない。頼ってくるまでは教えないということも言っていたことがあり、基本的にあまり口出しをしてはこなかったのだろう。
しかし、監督と選手である場合、選手が落合監督よりも下ということはなく、あくまでかつての落合選手よりも下であるというだけのことであって、落合監督がプレーした方がいいということではないのは自明である。すなわち、選手にプレーさせるしかなく、それが最善の手段であったのだろう。
一方で監督については話は全く異なり、落合GMが監督をすることも可能である。GMという立場で最善手を考える際、誰を監督に据えるのが一番良いのか。落合GMが自分自身を監督としてアサインするのが最善なのではないか。改めて考えて貰いたい。
体力的に大変だったり、拘束時間が長かったり、年俸面で折り合わなかったりといろいろ問題はあるのだろう。しかしGMとして結果を出せなかったというのは事実であり、その責任として監督をやって貰いたいものである。谷繁監督の成長を期待するのであれば、総監督として就任したり、谷繁助監督とする手もある。GMとして、ファンに2期連続のBクラスという辛い思いをさせた責任を取って、条件面で妥協してもう一度監督をやって貰いたい。
「責任を取れ!」と言うと穏やかではないが、事実には向き合う必要がある。裏では我々の想像し得ない意図や要望があったのかもしれないが、しかしこの2年間のチーム成績については想定通りではなく失敗であったのは自明であろうし、またGM自身もその自覚があるだろう。それに対してどう責任を取るのか。
監督を引き受けて優勝することが一番良い責任の取り方ではないかと思われる。火中の栗を拾うかのごとくではあろうが、それぐらいの忸怩たる想いに期待したい。
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source : シリコンバレーからドラゴンズを語る~GM編~